4.20 14:00

明治安田J1 第9節 vs. 北海道コンサドーレ札幌
AWAY札幌ドーム

試合終了

北海道コンサドーレ札幌 札幌
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半10分
    スパチョーク
1
前半
0
0
後半
1

試合の見どころ

 上位を維持するために、このまま勝点を積み重ねるのみである。敵地で戦った前節・福岡戦は、先制されながらもすぐに追い付き1-1のドロー。もちろんどの試合も勝利することが一番だが、高い守備力を誇る難敵の福岡相手に勝点1は決して悪くなく、ミヒャエル・スキッベ監督も「アウェイでの引き分けは悪くない」と選手へ声をかけて前を向いた。これで開幕から8戦無敗(4勝4分)となった広島は、首位・C大阪と勝点差2の2位をキープ。ここから5月、6月にかけてハードな連戦が待っているが、これまでどおり目の前の戦いに注力し、勝点を積み上げていくだけだ。
 前節に続き今節も敵地での険しい戦いが予想される。相手の札幌は、ここまで1勝2分5敗の19位と下位に沈んでいるが、やはり地力のあるチームなのは間違いない。就任7年目を迎えたJリーグ屈指の名将・ペトロヴィッチ監督が率いるチームは、第2節から5連敗と苦しい時期を過ごしたものの、直近の2試合は1勝1分と復調傾向。「爆発力がある」と塩谷司も印象を語るように、小柏剛やルーカス・フェルナンデス、田中駿汰といった昨季の主力が抜けた今季だが、相変わらず“攻撃力”が最大の強みで、誰が出場しようともペトロヴィッチ監督らしい洗練された鋭い連係・連動を見せている。特に浅野雄也、駒井善成、青木亮太、小林祐希、長谷川竜也など、高いクオリティーを持った前線の選手たちは流動的にポジションチェンジを繰り返しながら攻撃を仕掛けてくる。広島としては、隙のない守備の構築は今節も不可欠な要素だ。
 その上で攻撃では札幌の“マンツーマン・ディフェンス”を打ち破れるか。昨年のリーグ2試合の対戦成績は、どちらもスコアレスドロー。相手は高い位置からはめ込んだ守備をしてくるだけでなく、中盤や最終ラインの選手も粘り強く守ってくる。システムも互いに[3-4-2-1]で噛み合うだけに、1対1の局面でいかに上回り、自慢のサイド攻撃や前線の連係で札幌守備陣を攻略していくか。相手に負けないハイプレスで試合の主導権を握りに行くことはもちろん、敵陣地では焦れずにボールを動かして攻撃を展開し、勝利のゴールを狙って行きたいところだ。

監督 試合前日コメント

──札幌戦前日は移動がメインとなりました。
「前回、札幌に行った時にすごく時間がかかり、大変だった部分があります。そのため、今年は移動の仕方を変えました。広島でトレーニングはできませんが、札幌で何もしないかと言ったら、そうではなく、ストレッチや体を動かすことはやろうと思っています」

──今の札幌の状況をどう見ていますか?
「明日は面白い試合になるのは間違いないです。札幌は最初は調子が悪かったですが、どんどん良くなってきています。また、これまで戦ってきたチームと違うスタイルを持っているクラブです。例えば、福岡は引いてカウンターがありましたが、札幌は試合を支配して、前に進んで行く。そこに我々はどう対応していくか。今週の練習でやってきたので、それを実際のピッチでも出したいと思います」

──札幌はチームとしても警戒ですが、気を付けないといけないタレントはいますか?
「全体的には才能のある技術の高い選手が多いです。セットプレー時にはDFの選手に気を付けないといけないですし、(浅野)雄也はできるだけ我々のゴールから遠ざけないといけない。シュートセンスを持っているので危険な選手です。ただ、札幌は全員が危険だと思っています」

ゲームレポート

 広島にとっては、悔しさの残る結果となった。
 前半から鋭い攻撃を見せていたのは広島だった。立ち上がり2分の加藤陸次樹のシュートを皮切りに、大橋祐紀も果敢にペナルティーエリア内へ進出してゴールを狙う。相手の流動的なコンビネーションの攻撃にも対処できていた広島だったが、一瞬の隙を突かれてしまったのは10分だった。敵陣でのパスミスからカウンターを食らうと、最後はスパチョークにペナルティーエリア外からシュートを決められて失点。早くも追いかける展開となってしまった。
 ここからの広島の出来も悪くなかった。相手のゴールに沈むことなく攻撃姿勢を貫くと、ボランチ・川村拓夢がゴール前への飛び出しからシュートを放てば、25分には加藤がドリブル突破で大きな決定機を迎える。前半から次々と好機を作りながらも決められない、じれったい展開で0-1で前半を終えた。
「ここまでのパフォーマンスは一番良い。しっかり点を取るところまでいこう!」
 チャンスをモノにできなかった前半を振り返り、ハーフタイムには最後のクオリティーを強調したミヒャエル・スキッベ監督。すると、指揮官の声にいきなり応えたのは50分だった。右からのCK、ゴール前の混戦から大橋のパスを受けた中野就斗がペナルティーエリアの外から冷静に左足を振り抜いて1-1。後半の理想的な時間帯で同点に追い付くことに成功した。
 その後も主導権を握っていたのは広島だった。次第に札幌に押される時間は増えたものの、鋭いプレスを軸に相手を自陣へ押し込んで攻撃を展開する中、53分には相手DFの背後へ抜け出したボランチ・松本泰志もポスト直撃のシュートを放つ。敵地だろうと最後まで攻撃的な姿勢で決勝点を目指した広島だったが、前半同様、チャンスを多く作りながら1点しか奪えず。攻撃的なスタイルを標ぼうする両チームの戦いは1-1のドローで終わった。
 シュート数は札幌の4本に対し、広島は18本。攻撃力で完全に上回っていただけに試合後のスキッベ監督も「最終的にはチャンスの数を活かしきれなかった、チャンスの数に対する得点の数が少なかったと思っています。パフォーマンスに関してはトップだったと思いますが、結果に関しては納得するまでには至りませんでした」と悔しさを口にした。

監督 試合後コメント

「今日は1ポイントしか広島に持って帰れないのは残念です。我々は勝利のためにすべてを出し切った、よりアクティブなチームだったと思います。最終的にはチャンスの数を活かしきれなかった、チャンスの数に対する得点の数が少なかったと思っています。パフォーマンスに関してはトップだったと思いますが、結果に関しては納得するまでには至りませんでした」

──途中交代した川村拓夢選手の現時点での状況について。
「右の脇腹の筋肉の問題でした。最初に違和感を持った時からしばらくは続けていましたが、『もうできない』という判断でした。それ以降のことは今後分かると思います」

──川村拓夢選手が抜けて、小原基樹選手が入りました。後半は川村選手がいなくなったことで、セカンドボールの回収が難しくなった部分もあったのではないでしょうか?
「基樹に関しては、非常に良いプレーを見せたと思います。彼自身、良さであるドリブルなどは試合の中で示すことができていました。(小原が入る時は)0-1の状況だったので、交代の時はやはりオフェンシブに行こうと決断しました。ただ、後半の真ん中の二人、(満田)マコと(松本)泰志もゲームを支配する十分な活躍を見せたと思っています」

──ビッグチャンスを決めていれば、というゲームでした。特に加藤陸次樹選手はたくさんのチャンスがありました。悩んでいると思いますが、どうすれば良いでしょうか?
「もちろん彼自身のパフォーマンスには満足しています。良い攻撃をしています。ただ、本当にもっと良くなるという部分で関して言えば、やはり得点は欲しいですね」

──井上愛簾選手を緊迫した場面で投入しました。彼のプレッシングでチームは巻き返したと思いますが、プレーについて。
「彼自身、非常に伸びている選手です。今日のJリーグのプレッシャーの中でも技術の高さなど、良さを示すことができたと思います。これからも彼の出場時間はどんどん伸びていくのではないかと思っています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い札幌での試合となりましたが、約500名もの方にお越しいただきました。皆様の熱い声援は選手が最後まで戦いきる大きな力になりました。最後まで力強い後押しありがとうございました!

試合情報をシェア!

x