5.22 19:00

ルヴァンカップ 1stラウンド 3回戦 vs. 東京ヴェルディ
AWAY味の素スタジアム

試合終了

東京ヴェルディ 東京V
2
3
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半29分
    見木友哉
  • 後半38分
    見木友哉
0
前半
2
2
後半
1

試合の見どころ

 京都で得た勢いを繋げたい一戦だ。リーグ戦6試合連続で勝利がなく、さらにはリーグ2連敗中と苦しい状況で迎えた19日(日)の京都戦では、新井直人がハットトリックを達成するなど、これまでサブに甘んじることの多かった選手たちが先発として「しっかり自分を表現してくれた」(ミヒャエル・スキッベ監督)と躍動。なかなか勝てなかったモヤモヤを吹き飛ばす今季最多の5得点大勝に繋げて見せた。京都戦では7試合ぶりの勝利を掴めたことも大きいが、連戦が続く中で層の厚さを示せたこともチームにとって大きな収穫。この良好な流れを中2日のルヴァンカップ・東京V戦でも継続したいところだ。
”一発勝負”となる今回の1stラウンド3回戦。勝利を奪うのは、なかなか難しいチームとの対戦となる。東京Vを率いるのは、広島にもお馴染みの熱き闘将・城福浩監督だ。2018年から約4年間、サンフレッチェの指揮を執り、情熱的かつ確かな指導力で今の広島の土台を築いてくれた指揮官である。甲府時代から指導を受けてきた柏好文や佐々木翔はもちろん、現在の主力である大迫敬介や荒木隼人、東俊希らプロ入りしてから間もない彼らの才能を引き出したのも城福監督だ。「(7年間指導を受けて)感謝の気持ちがある」と特別な思いを語る佐々木は続けて、「城福さんのチームと対戦できるのは、これ以上ない楽しみ。勝ちにいきたい」と意気込みを示す。“城福ヴェルディ”との初対戦は、広島にとって思い入れのある戦いとなる。
 その東京Vだが、やはり城福監督らしい組織的なチームとなっている。もともと限りある戦力でも全員が統制された隙のないチーム作りに定評のある指揮官である。個で勝負を決められるような強烈な外国籍選手がいるわけではないが、鹿島や京都など他のJ1クラブからの期限付き移籍選手もうまく活用しながら日本人を主体に堅い戦いを繰り広げている。直近のリーグ戦こそ町田に0-5の大敗となってしまったが、それまでは11試合連続で負けなし(3勝8分)。[4-4-2]のシステムをベースに堅い守りを構築していることに加え、守備一辺倒になることなく、指揮官の代名詞でもある人もボールも動く「ムービングフットボール」は健在だ。東京Vらしい技術の高い選手も多く、テンポの良いパスワークは警戒ポイントとなる。
 広島の勝利のカギは、やはり相手にサッカーをやらせないこととなる。東京Vに大勝した前節の町田もそうだったが、個々の局面から厳しくバトルすることでパスワークを封じ、多くの時間帯で敵陣地でサッカーを展開することができていた。広島としても、持ち味である前線からのプレス、鋭い攻守の切り替え、球際の戦いで東京Vを上回り、相手を押し込み続けることができるか。京都戦同様、試合開始から相手に圧力をかけて主導権を握り、ゴールを目指せば、必ず得点チャンスは訪れる。自分たちのスタイルを研ぎ澄まし、勝利を奪いたいところだ。

監督 試合前日コメント

──勝利した後ということもあり、選手たちの表情も明るいですね。
「リーグ戦では6試合勝利がなかった中でやっと勝てました。自分たちも気にしていた部分でしたので、そこは本当に良かったと思っています」

──明日のルヴァンカップは負けたら終わりの一発勝負となります。
「相手もJ1ですし、難しい戦いになるのは間違いないです」

──相手どうこうよりも自分たちの戦いをすれば勝てるということを京都戦で示せました。東京V戦も自分たちの戦いをすればというところですが、連戦による疲労が心配です。
「まずは自分たちのサッカーをやりたいですが、やれるかどうかはまた別の話になります。鹿島戦も名古屋戦も自分たちのサッカーをしようとしましたが、あの結果になってしまいました。相手のクオリティーもあるので、何とも言えないところはありますが、自分たちのサッカーを出すことは目指していきたいと思います。疲労に関しては、京都戦ではメンバーを(5人)代えて臨みましたが、先発した選手たちが本当に良いパフォーマンスを見せたと思います。良い選手はたくさんいる状態なので、良い状況が整っていると思っています」

──東京V戦に向けて、メンバーの変更については?
「ルヴァンカップは20人のメンバーで行けるので、その部分で多少の変化はあると思います。相手にもリスペクトを示さないといけないですし、大会にもしっかりとリスペクトしたいという部分から、一番良いメンバーで臨みたいです。また、城福監督とは今まで会ったことがなかったので、会えるのを楽しみにしています。(広島の監督時代に)良いチームを作り上げてくれたと思っています」

ゲームレポート

 紫軍団が地力で東京Vを上回った一戦となった。
 直近のリーグ戦から先発10人を入れ替えてきた東京Vに対し、広島はわずか2人。中2日のゲームだろうと主力を注ぎ込んだサンフレッチェが序盤から相手を圧倒した。出足の鋭いプレスで試合開始から主導権を奪うと、わずか6分のことだった。テンポの良いパスワークから松本泰志のパスを左サイド・東俊希が受けると、鋭いクロスを右サイド・新井直人が折り返し、ゴールへ詰めたのは大橋祐紀。広島があっという間に先制に成功した。その後も攻撃の手を緩めずに東京Vを自陣へ釘付けにすると、14分に貴重な追加点を奪取した。相手のボールをカットした大橋からピエロス・ソティリウへと繋がり、再び背番号77がパスを受けると、ドリブルから冷静にシュートを決めて2-0とした。
 それからは時間の経過とともに相手にボールを持たれる時間は増えたものの、堅い守りでチャンスを作らせず、攻撃に移ればスピーディーに相手陣地へ果敢に進出。そのまま2点のリードで前半を折り返した。
「ここまで良いゲームができている。これを最後まで続けよう!」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督からそう指示を受けた広島の選手たちは、後半も追加点を目指して攻撃姿勢を貫いた。後半開始から、大橋と塩谷司を下げ、加藤陸次樹と野津田岳人を投入。メンバー構成に少し変化を加えた中、前半同様、強度の高いサッカーを展開する。だが、後半に入って次々とメンバー交代を加えてフレッシュな陣容にしてきた東京Vも勢いが増し、途中から試合は一転してシーソーゲームに。74分、見木友哉にゴールを奪われて1点差とされた中、78分に川村拓夢がゴールを決めて再び2点差としたが、83分にはFKからまたも見木に得点を許して3-2。最後まで勝負の行方が分からない、もつれる戦いとなってしまったが、広島も最後は意地を見せて3点目は許さず。1点差で逃げ切った紫軍団が次のラウンドへの進出を決めた。

監督 試合後コメント

「今日は東京Vに勝つためにここに来ました。我々はたくさんチャンスを作り、ゴールも多く決められたと思います。今日の勝利によって次に進めたことに対して満足していますし、今日のチームが見せたパフォーマンスにも満足しています。失点して1点差に追い詰められたことでヒヤヒヤした感じになりましたが、我々が守れた部分もありましたし、しっかり点を取ったことが今日の勝利に繋がったと思います」

──ハーフタイムに2人、後半の最初にピエロス・ソティリウ選手を下げましたが、その意図を教えてください。
「3人とも疲れていたので、代えました」

──次のC大阪戦も考慮したのでしょうか?
「そうですね。しっかり回復して、次のC大阪戦までに全員が出られるようになると思います。ただ、次の試合よりも今日は勝利を味わいたいと思います」

──3点目の川村拓夢選手のゴールは広島のサッカーを体現する得点だったと思います。
「良い形で点が取れたと思います。また、守備面では2失点はセットプレーでしたし、その他は外れたシュートが一つあったぐらいでした。やはり我々のほうが今日は良かったと思っています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は東京での平日ナイトゲームとなりましたが、約1,500名もの方にお越しいただきました。皆様の熱い応援が勝利に繋がりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました!

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