6.1 14:00

明治安田J1 第17節 vs. ジュビロ磐田
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
0
ジュビロ磐田 磐田
1
前半
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1
後半
0

試合の見どころ

 大型連戦の始まりだ。6月一発目の今節・磐田戦から、中3日や中2日の間隔で次々と試合が続く“9連戦”となる。リーグ戦だけでなく、ルヴァンカップや天皇杯も入ったこのタフな6月の戦いをサンフレッチェはいかに乗り切るか。直近のアウェイ3連戦では、2勝1分と、一時期の勝てなかった停滞感からは抜け出している。「次の試合に全力を尽くすだけ」(ミヒャエル・スキッベ監督)。どんなに長い連戦だろうと、まずは目の前の1試合、1試合に全力で臨むことになる。
 その磐田戦、広島にとっては東京V戦に続いて馴染み深い指揮官との“初対決”となる。静岡の古豪を率いるのは、横内昭展監督だ。横内監督と言えば、選手としてマツダ時代から広島に在籍し、コーチとしてもアカデミーからトップチームまで20年近く在籍するなど、まさにサンフレッチェのDNAを持つ指揮官。広島での3度のリーグ制覇やその後の日本代表でも2022年まで森保一監督をヘッドコーチとして支えた“名参謀”である。
 指揮官として優れた能力を持つのも磐田で証明済みだ。FIFAによる補強禁止処分を受けたことで移籍加入選手を加えることができなかった昨季、Jリーグ監督としては1年目ながら、J2降格となったチームを見事1年でJ1復帰へと導く手腕を発揮。攻守における統制された組織的な戦いはもちろんのこと、後方から丁寧にボールを繋いで攻撃を繰り出そうとするサッカーは、実に横内監督らしい。森保監督のヘッドコーチ時代から、攻撃面での指導に定評があったとおり、磐田が見せている前線のコンビネーションプレーは横内監督の手腕だろう。現在の磐田についてスキッベ監督も「(昇格組だが)J1レベルにある良いチーム。多くの得点を取っていたジャーメインが(ケガで)抜けても、良い攻撃をしている」と警戒する。もちろん、11得点を挙げていたジャーメイン良の長期離脱は痛手だろうが、190cmの大型ストライカーであるマテウス・ペイショットやMF山田大記らが揃う攻撃陣は脅威である。前節・湘南戦では2点差をひっくり返して3-2で勝利しており、広島としては今節も気の抜けない戦いとなる。
 そんな磐田をホームに迎え撃つサンフレッチェのポイントは、隙なく戦うことだ。勝ち切れなかった試合で目立つのは、やはり相手に攻略されたことよりも「何もないところからミスで失点している」(スキッベ監督)。ミスから先制を許したり、先制しながらミスで同点に追い付かれたりと、勝利できなかったゲームは自滅が多い。前線からの強度の高いサッカーで相手のミスを誘発するスタイルを目指しているのは広島である。5-0で勝利した前々節・京都戦のように、自分たちの主導で試合を運べるか。それができた時のサンフレッチェは間違いなく強い。磐田戦から広島の本領を発揮したいところだ。

監督 試合前日コメント

──今週は約1週間の準備期間がありました。
「良い形で準備ができていると思っています。前節・C大阪戦は勝てませんでしたが、連戦でもわりと良い形で戦えました。気持ちの面でも良い準備ができています」

──磐田は手堅いサッカーをしてきますが、そこをどう崩していきますか?
「自分たちがボールを持っている時は早く動かすこと。相手のブロックができる前に攻撃することが重要になってきます。ブロックができたとしてもボールを動かしながら崩していくことが大事になります。また、守備ではセットプレーを与えないようにしないといけない。相手にはヘディングや体の強い選手が多くいるので、そこは気を付けないといけません」

──荒木隼人選手が累積警告で出場停止となります。
「いないのは寂しいですね(笑)。ただ、少し前にもケガでいない時がありましたが、他の選手がうまく対応してくれました。今回もしっかりとやってくれると思います」

──6月は試合が立て続けに入ってきます。
「試合がたくさんあるのは良いことだと思います。そうなるために、(ルヴァンカップで)東京Vに勝ちました。リーグ戦だけでなく、ルヴァンカップもあれば、天皇杯もあります。3つの大会が6月にあり、たくさん試合があるのは本当に嬉しいことだと思います」

──磐田を指揮するのはサンフレッチェをよく知る横内昭展監督ですが、意識することはありますか?
「自分たちのサッカーをやり通すことが大事になります。これまでも広島で指揮を執っていたことのある城福監督やペトロヴィッチ監督とも対戦してきているので、そこは特に気にしていません。今あるサンフレッチェをファンの皆さんにどれだけ楽しんでいただけるかが重要だと思っています」

ゲームレポート

 広島が地力の差を示す結果となった。
 試合は序盤から拮抗した展開となった。ゲームの構図は、自陣に引いて堅いブロックを築く磐田に対し、広島がボールを保持する内容で推移。ときに磐田の鋭いカウンターや190cmのストライカーであるマテウス・ペイショットを生かしたパワープレーを受ける時もあったが、基本的にはサンフレッチェがピッチ幅を広く使いながらサイド攻撃も織り交ぜてゴールを目指した。
 それでも磐田の組織的な守りも堅く、なかなか最後の局面を崩すには至らなかったが、根気強く自分たちのサッカーを貫いた広島の姿勢が実ったのは38分だった。敵陣での松本泰志の鋭いプレスが相手のミスを誘うと、そのボールを拾ったピエロス・ソティリウがペナルティーエリア外から華麗なシュートを突き刺して先制。膠着した展開を動かす貴重な1点を広島が奪って見せた。
 前半を1-0で終えて迎えたハーフタイム、リードしているとは言え、ミヒャエル・スキッベ監督は選手にさらなる奮起を求めた。
「前半は良いサッカーかと言えば、そうではない。相手は自陣に引いて守っている。そういう時こそワイドを使って行こう。後半も正確に、集中していくぞ!」
 後半も広島ペースは変わらなかった。前半同様、敵陣でのポゼッション率を高めて追加点を狙いに行くだけでなく、50分にはGK大迫敬介のゴールキックから大橋祐紀、ピエロス・ソティリウと繋がり、ペナルティーエリア内でラストパスを受けたフリーの東俊希が決定機を迎えた。これは相手守護神・川島永嗣に防がれたが、広島のリズムで試合は進んだ。
 すると、勝利を大きく手探り寄せる2点目が生まれたのは60分だった。左サイドからのカウンターは一度は相手DFに阻まれたが、その2次攻撃で再び東が正確なクロスを送り込むと、これをピエロスが頭で合わせて広島がリードを広げた。
 それからも攻撃の手を緩めることなく、広島は戦い続けた。選手交代を加えながら反撃を試みてきた磐田を粘り強く封じ、攻撃に移ればスピーディーなカウンターやサイドからの攻めで相手ゴールへ肉薄。チャンスを作りながらも3点目は奪うことはできなかったが、相手にも得点は許さずそのまま2-0で勝利。ホームでは4月7日のJ1第7節・湘南戦以来の勝点3となった。

監督 試合後コメント

「今日は相手がコンパクトに守ってきたので、非常に難しい試合になりました。前半はなかなかチャンスを作ることができなかったですが、ピエロス(・ソティリウ)が素晴らしいゴールを決めてくれた。それが自分たちにとって良い得点となりました。そして、後半に入るとスペースが生まれるようになり、そこからシュートチャンスを作れるようになりました。そういった面でも今日のゲームは勝利に値すると思いますし、自分たちのチームのパフォーマンスは素晴らしかったと思います。最近のホームでは、前半の10~15分で0-2にされていましたが、今日はゼロに抑えた守備陣、それから後半の攻撃を作り出したオフェンス陣はどちらも良かったと思っています」

──前半は相手がタイトに守ってきました。後半はスペースができるようになりましたが、ハーフタイムにどんな指示を出して、後半は何がうまくいったのでしょうか?
「まずは先制点が大きかったと思います。自分たちが点を取れたことで相手が攻撃に出なければならない状況を作ることができたと思います。後半に向けては『簡単にボールを動かそう』と強調しました。それで5つぐらいチャンスを作ることができました。今日は全員が良いパフォーマンスを見せてくれたので、次のFC東京戦に向けても良い準備ができると思います」

──先制点はピエロス・ソティリウ選手の個人能力が生きたシーンだと思います。以前、監督は「ピエロスが活躍すれば、新戦力を得たと同じぐらい価値がある」と話していました。
「これまでアンラッキーとしか言いようのない、たくさんのケガをしてきた中で、やっと体がフィットしてきた。もちろん彼のシュートの才能に関しては疑うものはありません。今日の1点目のコントロールショットもあれば、2点目のヘディングシュートもあります。ゴール前でのストライカーとしての才能は、彼には十分にあります」

──松本泰志選手を一つ下げて、シャドーに大橋祐紀選手と加藤陸次樹選手を置きました。最近はシャドーで松本泰志選手が良い動きをしていた中で、一つポジションを下げた狙いと加藤選手をシャドーに置いた狙いを教えてください。
「まずは今日の前線3人、大橋と陸次樹に関しても本当にクリエイティブで素晴らしい攻撃をお互いに作り出していたと思います。今回のスタートのメンバーについては、(荒木)隼人が累積警告で出られないことから、一つずつ下がっていった。それに応じて泰志も一つ下がりました。ただ、泰志もそこで素晴らしい活躍をしてくれたと思っています」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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