試合の見どころ
紫軍団の力が欧州でどこまで通用するのか指標となる一戦だ。Jリーグインターナショナルシリーズ2024として戦う相手は、ドイツの強豪クラブ・VfBシュトゥットガルト。故郷のチームと対戦することになったミヒャエル・スキッベ監督が「(優勝した)レヴァークーゼンと共にリーグ戦をけん引したチーム」と評するように、昨季はバイエルンやドルトムントを抑えて2位へと躍進したチームである(前年は16位)。かつては岡崎慎司や酒井高徳、遠藤航、浅野拓磨、原口元気、伊藤洋輝といった日本代表の主力メンバーたちが在籍。昨季まで所属していた伊藤は、その活躍が認められてバイエルンへと移籍するなど、主力の放出もあった今季だが、若くて才能のある選手を多数擁する力のあるチームだ。
その実力は28日(日)の京都戦でも証明済みだ。『サンガスタジアム by KYOCERA』で開催された一戦では、シュトゥットガルトが46分までに3点を先行される展開となったが、後半途中から攻撃陣が目を覚ます。58分に1点を返して流れを掴むと、立て続けに得点を重ねて5-3の大逆転劇を演じた。もちろん、今のシュトゥットガルトはシーズン前の準備期間とはいえ、得点場面を見れば圧巻のプレーが次々と見えた。特に「サイドに速い選手がいる印象」とスキッベ監督が話すように、1点目を奪った19歳のジャスティン・ディールや4点目を決めたムサ・シセのスピードはまさに“世界基準”。京都DFを圧巻の速さで切り裂く様子は、世界クラスのレベルの高さを感じた。リーグ屈指の守備力を誇る広島としても、その速さにいかに対抗できるかは、試合の一つの見どころだ。
リーグ戦が夏季中断中の広島は、世界の強豪相手に多くのメンバーを起用しながら力を試すことになる。「こういう機会もなかなかないので、プレーできる選手全員に均等にチャンスを与えたい。前半と後半でまったく違う顔ぶれになると思うが、彼らにとって貴重な経験をする場でもあるので、しっかりと生かしてほしい」(スキッベ監督)。選手全員がドイツの強豪相手に自分の力をぶつけられるのも、こういう機会ならではのこと。滅多に戦うことのない欧州クラブ相手に、ベテランから中堅、若手選手たちのプレーがどこまで通用するか。「シュトゥットガルトという名門で強豪のチームと試合ができるのは非常に光栄だし、僕らも興奮して楽しみにしている」(佐々木翔)。まさに誰もがワクワクしている楽しみなゲームだ。
その実力は28日(日)の京都戦でも証明済みだ。『サンガスタジアム by KYOCERA』で開催された一戦では、シュトゥットガルトが46分までに3点を先行される展開となったが、後半途中から攻撃陣が目を覚ます。58分に1点を返して流れを掴むと、立て続けに得点を重ねて5-3の大逆転劇を演じた。もちろん、今のシュトゥットガルトはシーズン前の準備期間とはいえ、得点場面を見れば圧巻のプレーが次々と見えた。特に「サイドに速い選手がいる印象」とスキッベ監督が話すように、1点目を奪った19歳のジャスティン・ディールや4点目を決めたムサ・シセのスピードはまさに“世界基準”。京都DFを圧巻の速さで切り裂く様子は、世界クラスのレベルの高さを感じた。リーグ屈指の守備力を誇る広島としても、その速さにいかに対抗できるかは、試合の一つの見どころだ。
リーグ戦が夏季中断中の広島は、世界の強豪相手に多くのメンバーを起用しながら力を試すことになる。「こういう機会もなかなかないので、プレーできる選手全員に均等にチャンスを与えたい。前半と後半でまったく違う顔ぶれになると思うが、彼らにとって貴重な経験をする場でもあるので、しっかりと生かしてほしい」(スキッベ監督)。選手全員がドイツの強豪相手に自分の力をぶつけられるのも、こういう機会ならではのこと。滅多に戦うことのない欧州クラブ相手に、ベテランから中堅、若手選手たちのプレーがどこまで通用するか。「シュトゥットガルトという名門で強豪のチームと試合ができるのは非常に光栄だし、僕らも興奮して楽しみにしている」(佐々木翔)。まさに誰もがワクワクしている楽しみなゲームだ。
監督 試合前日コメント
「ドイツからシュトゥットガルトが来てくれて非常に嬉しく思っていますし、心から歓迎したいと思います。シュトゥットガルトというドイツの強いチームと対戦できるのは、選手にとって素晴らしい経験になります。こういう機会で広島で戦えるのを嬉しく思います。シュトゥットガルトに関して言えば、昨季は素晴らしい成績を収めました。その前のシーズン終盤に降格しなかったところから素晴らしいサッカーを続けている印象を受けています。シュトゥットガルトは昨季、素晴らしい成績を収めたからこそ、今季は選手をビッグクラブに引き抜かれてしまいました。ただ、そのなかでもセバスティアン・ヘーネス監督の下、素晴らしいサッカーを展開してくれると思っています。そういうチームとホームで満員に近い観客のなかでプレーできることを非常に嬉しく思っています」
──大橋祐紀選手が抜けたことで前線の組み合わせに注目が集まりますが、明日の試合で試したいことは?
「大橋が抜けたことでオフェンスは非常に難しい状態なのは間違いありません。彼がいるのといないのとでは、クオリティーが変わってきます。また、川村拓夢や野津田岳人が抜けたことで中盤も以前とクオリティーが変わってきたのは間違いありません。ただ、そのなかでもカップ戦も多く残っていますし、明日の試合を踏まえて後半戦に向けてしっかりと準備していきたいと思っています。明日の試合に関して言えば、こういう機会もなかなかないので、プレーできる選手全員に均等にチャンスを与えたいと考えています。前半と後半でまったく違う顔ぶれになると思いますが、彼らにとって貴重な経験をする場でもあるので、しっかりと生かしてほしいと思っています」
──明日は広島としてピースマッチとしての位置付けにもなりますが、その意義について。
「サッカーは、生活には必要がないモノのなかで最も素晴らしい価値のあるモノだと思っています。素晴らしい試合を見せることによって、そういう喜びなどを前面に出していきたいです。また、8月6日は広島に原爆が落ち、長崎にも同じことが起こりました。そういったことが起きた都市に住む者として、平和を全国に向けて強く訴えていく立場にある者として、素晴らしいサッカーをすることによって、そういう平和のメッセージを強く伝えていきたいと思っています」
──大橋祐紀選手が抜けたことで前線の組み合わせに注目が集まりますが、明日の試合で試したいことは?
「大橋が抜けたことでオフェンスは非常に難しい状態なのは間違いありません。彼がいるのといないのとでは、クオリティーが変わってきます。また、川村拓夢や野津田岳人が抜けたことで中盤も以前とクオリティーが変わってきたのは間違いありません。ただ、そのなかでもカップ戦も多く残っていますし、明日の試合を踏まえて後半戦に向けてしっかりと準備していきたいと思っています。明日の試合に関して言えば、こういう機会もなかなかないので、プレーできる選手全員に均等にチャンスを与えたいと考えています。前半と後半でまったく違う顔ぶれになると思いますが、彼らにとって貴重な経験をする場でもあるので、しっかりと生かしてほしいと思っています」
──明日は広島としてピースマッチとしての位置付けにもなりますが、その意義について。
「サッカーは、生活には必要がないモノのなかで最も素晴らしい価値のあるモノだと思っています。素晴らしい試合を見せることによって、そういう喜びなどを前面に出していきたいです。また、8月6日は広島に原爆が落ち、長崎にも同じことが起こりました。そういったことが起きた都市に住む者として、平和を全国に向けて強く訴えていく立場にある者として、素晴らしいサッカーをすることによって、そういう平和のメッセージを強く伝えていきたいと思っています」
ゲームレポート
広島にとってEピース初の国際親善試合は見どころの多いゲームとなった。
序盤のサンフレッチェは苦戦した。高い個人能力を備える19歳の左サイドアタッカーであるジャスティン・ディールらを筆頭に果敢に仕掛けてきたシュトゥットガルトの圧力を受けると、自陣に押し込まれる展開に。ボールを持ってもスムーズにパスが繋がらずリズムに乗れずにいると、迎えた19分だった。左サイドをシュトゥットガルトに崩されると、最後はアンジェロ・シュティラーに決められて先制を許してしまった。
ここからようやく広島が目を覚ました。細かなパスだけでなくロングフィードも交果的に使ってサイドを生かし、クロスを送り込んでいく。最後の精度を欠いてゴールを奪うことはできなかったが、相手を敵陣へ押し込む時間を増やして0-1で前半を終えた。
迎えた後半、松本泰志を除く10人を入れ替えた広島は、序盤からシュトゥットガルトに襲い掛かった。1トップに入った17歳の井上愛簾らが積極的な姿勢を見せて勢いよく攻撃に出ると、ドイツの強豪相手に若い才能が力を見せ付けた。18歳の中島洋太朗がバイタルエリアでドリブルで仕掛けると、ゴール前で井上、松本泰とパスが繋がったボールは再び中島へ。右足のダイレクトで放ったシュートが相手DFに当たってゴールネットに突き刺さり、後半の早い時間帯で同点に追い付くことに成功した。
そこからは互いに攻撃を仕掛ける激しい攻防に。広島は井上らがチャンスを迎えれば、シュトゥットガルトも前半同様に縦への速さを生かした攻めを見せる。一進一退の攻防で推移していたなか、やはりシュトゥットガルトには強烈な個の力があった。63分、アーリークロスのこぼれ球をエメル・ベヤズにペナルティーエリア外から左足シュートを決められると、続く68分にはカウンターからトーマス・カスタナラスにゴールを奪われ1-3。その後、76分にマルコス・ジュニオールが芸術的な直接FKを決めて1点を返したものの、79分とアディショナルタイムに突き放されて勝負あり。昨季のブンデスリーガで2位となった強豪相手に互角の戦いを見せた広島だったが、2-5で敗れる結果となった。
序盤のサンフレッチェは苦戦した。高い個人能力を備える19歳の左サイドアタッカーであるジャスティン・ディールらを筆頭に果敢に仕掛けてきたシュトゥットガルトの圧力を受けると、自陣に押し込まれる展開に。ボールを持ってもスムーズにパスが繋がらずリズムに乗れずにいると、迎えた19分だった。左サイドをシュトゥットガルトに崩されると、最後はアンジェロ・シュティラーに決められて先制を許してしまった。
ここからようやく広島が目を覚ました。細かなパスだけでなくロングフィードも交果的に使ってサイドを生かし、クロスを送り込んでいく。最後の精度を欠いてゴールを奪うことはできなかったが、相手を敵陣へ押し込む時間を増やして0-1で前半を終えた。
迎えた後半、松本泰志を除く10人を入れ替えた広島は、序盤からシュトゥットガルトに襲い掛かった。1トップに入った17歳の井上愛簾らが積極的な姿勢を見せて勢いよく攻撃に出ると、ドイツの強豪相手に若い才能が力を見せ付けた。18歳の中島洋太朗がバイタルエリアでドリブルで仕掛けると、ゴール前で井上、松本泰とパスが繋がったボールは再び中島へ。右足のダイレクトで放ったシュートが相手DFに当たってゴールネットに突き刺さり、後半の早い時間帯で同点に追い付くことに成功した。
そこからは互いに攻撃を仕掛ける激しい攻防に。広島は井上らがチャンスを迎えれば、シュトゥットガルトも前半同様に縦への速さを生かした攻めを見せる。一進一退の攻防で推移していたなか、やはりシュトゥットガルトには強烈な個の力があった。63分、アーリークロスのこぼれ球をエメル・ベヤズにペナルティーエリア外から左足シュートを決められると、続く68分にはカウンターからトーマス・カスタナラスにゴールを奪われ1-3。その後、76分にマルコス・ジュニオールが芸術的な直接FKを決めて1点を返したものの、79分とアディショナルタイムに突き放されて勝負あり。昨季のブンデスリーガで2位となった強豪相手に互角の戦いを見せた広島だったが、2-5で敗れる結果となった。
監督 試合後コメント
「今日のシュトゥットガルト戦は非常に面白い内容だったと思います。部分的には自分たちのサッカーを表現できた時もありましたし、相手の攻撃に耐えることもできました。ただ、身体能力、スピードの差は見せ付けられました。今日はシュトゥットガルトの速さを生かした攻撃など、相手が勝利に値するようなゲームだったと思います。今日のようにドイツの素晴らしいチームと対戦したことによって、いろいろな課題が出て、自分たちがどのように改善しないといけないのかが見えたような試合でした。今回、シュトゥットガルトをゲストを迎え、自分たちの選手、チーム、クラブ、それから街も含めて全体が良い経験になったと思います。この後、シュトゥットガルトは気を付けて国に帰ってほしいと思いますし、ここから2週間後に本戦が始まります。長く厳しい戦いが始まるということで、そこでも頑張ってほしいです。また、試合後、ギド・ブッフバルトと少し話す機会がありましたが、彼も日本で過ごした日々のことをいまだに良い思い出だと言っていました」
──課題が見えたということですが、前後半で選手を大幅に入れ替えたなかで、前半と後半のそれぞれの収穫と課題を教えてください。
「今回、試合ができる状態の選手全員が出場し、経験できたこと自体がまず収穫だと思っています。もちろん身体能力の部分は大きな差を見せ付けられました。ただ、それを今日、明日で伸ばすことは不可能です。もともと、DNA的にも欧州の選手より日本人は劣る部分でもあります。そういうところを伸ばしていかないといけないのは今日痛感しました。それと同時にコンパクトに守るなど細かいところは、(身体能力の差を)補っていく上で必要だと感じています。そういうところを伸ばしていければ、Jリーグではもっと良いサッカーができるようになっていけると思っています」
──トルガイ・アルスラン選手が45分間出場しました。彼のプレーの印象とJリーグで今後どのようにプレーさせていきたいでしょうか?
「まず彼自身、経験が豊富でたくさんのリーグでプレーした選手です。そういった経験をチームに還元することを期待しています。そのなかでも彼のクリエイティブさはオフェンスの時もそうですし、守る時にも中盤を安定させてくれると思っています。彼自身、メルボルンから来て、プレシーズンの状態でチームに合流しました。シュトゥットガルトとコンディション的には同じぐらいだったと思います」
──得点を取った中島洋太朗選手もそうですし、井上愛簾選手もゴールに絡みました。広島の未来を創っていく二人について。
「本当にタレントの塊だと思います」
──課題が見えたということですが、前後半で選手を大幅に入れ替えたなかで、前半と後半のそれぞれの収穫と課題を教えてください。
「今回、試合ができる状態の選手全員が出場し、経験できたこと自体がまず収穫だと思っています。もちろん身体能力の部分は大きな差を見せ付けられました。ただ、それを今日、明日で伸ばすことは不可能です。もともと、DNA的にも欧州の選手より日本人は劣る部分でもあります。そういうところを伸ばしていかないといけないのは今日痛感しました。それと同時にコンパクトに守るなど細かいところは、(身体能力の差を)補っていく上で必要だと感じています。そういうところを伸ばしていければ、Jリーグではもっと良いサッカーができるようになっていけると思っています」
──トルガイ・アルスラン選手が45分間出場しました。彼のプレーの印象とJリーグで今後どのようにプレーさせていきたいでしょうか?
「まず彼自身、経験が豊富でたくさんのリーグでプレーした選手です。そういった経験をチームに還元することを期待しています。そのなかでも彼のクリエイティブさはオフェンスの時もそうですし、守る時にも中盤を安定させてくれると思っています。彼自身、メルボルンから来て、プレシーズンの状態でチームに合流しました。シュトゥットガルトとコンディション的には同じぐらいだったと思います」
──得点を取った中島洋太朗選手もそうですし、井上愛簾選手もゴールに絡みました。広島の未来を創っていく二人について。
「本当にタレントの塊だと思います」