8.25 18:30

明治安田J1 第28節 vs. 柏レイソル
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
0
柏レイソル
1
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 夏に強い“スキッベ広島”は今年も健在だ。ミヒャエル・スキッベ監督が就任してから、8月の公式戦成績は2022年が6戦6勝、2023年は2勝1分1敗、そして今年が4戦4勝。3年間で8月はわずか1敗しかしていない圧巻の数字である。今年はさらに7月10日の天皇杯3回戦・いわきFC戦から8月21日のラウンド16・愛媛FC戦までの公式戦7試合で7連勝(リーグ5連勝)。J1では2位に浮上し、天皇杯では2年ぶりとなる8強進出を決めるなど、この夏は2年前を彷彿とさせる上昇傾向にある。今年の8月はリーグ戦残り2試合。この二つを取ってこそ、“夏の広島”は本物だ。
 今節、そんな好調・サンフレッチェの前に立ちはだかるのが難敵・柏レイソルである。今季ここまで8勝9分9敗の15位に位置しているが、選手の質を見ればその順位にいるようなチームではない。最終ラインには古賀太陽、犬飼智也といった力のある日本人CBが君臨し、左SBのジエゴも守備面の貢献だけでなく、高い攻撃力を備えるブラジル人だ。攻撃陣に目を移しても、パリ五輪のエースストライカーを務めた細谷真大やスピードと技巧を備える小屋松知哉、そしてレイソルの中心としてタクトを振るマテウス・サヴィオら、タレントは多士済々。前節は、190cmの大型FW木下康介や7月に鹿島から加わった187cmのストライカー・垣田裕暉が途中から出場する層の厚さである。レイソルの大きな武器は“堅守速攻”。2-1で勝利した前節・湘南戦では、そのカウンターからマテウスと細谷のホットラインで得点を奪うなど、スピーディーな攻撃はやはり脅威だ。
 広島のポイントとしては、我慢強さになる。公式戦7連勝中の現在はすべて先制点を奪っての勝利。特に直近の4試合では、前半に得点を奪えなくても、我慢強く戦って無失点に抑えながら後半にゴールを挙げて勝利を重ねた。今回も組織的なレイソル守備陣の攻略は容易ではなく、難しい戦いになるだろう。その中で、破壊力のある相手のカウンターやセットプレーに根気強く対応しながら無失点で進め、攻撃では焦れることなく90分で仕留められるか。この連勝中に見せている粘り強い戦いで、リーグ戦6連勝を狙いたいところだ。

監督 試合前日コメント

──柏レイソルの現状をどう見ていますか?
「かなり強いと思っています。状態の良い二人のブラジル人がいますし、フィジカル的にも強いチームだと思っています」

──マテウス・サヴィオ選手はJリーグの中でも突出した選手だと思います。彼を抑えるためには?
「誰がということではなく、チームとしてコンパクトに良いディフェンスをしないといけません。彼一人と戦うわけではなく、チーム対チームの戦いですから」

──アウェイの戦いでもレイソルの攻撃は強かった印象です。
「その試合は(川村)拓夢が不在になるなど、中盤が安定していない時期でしたので、当時とは違う戦いになると思っています」

──加藤陸次樹選手、松本泰志選手、満田誠選手の前線3人の関係性が良くなっていますし、川辺駿選手の状態も上がっているように見えます。
「その3人の関係性は良くなっていると思いますし、駿の状態も上がってきていると思いますが、それにプラスして(中島)洋太朗がいてトルガイ(・アルスラン)もいる。攻撃の自由度が高くなっています。それにドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)が戻ってきたことも重要なポイントになります」

──リーグ戦6連勝となれば、同一シーズンではクラブとして30年ぶりとなります。レイソルに勝つために大事になることは?
「目の前の課題に取り組むことが重要なポイントになると思っています。また、相手をリスペクトする、それから自分たちを過信しない。そういう一番良いバランスで臨むことが大事になります」

ゲームレポート

 紫軍団が力の差を見せ付ける結果となった。
 試合は序盤から両チームの特長が色濃く出る拮抗した戦いとなった。広島は持ち味のハイプレスで相手を押し込んでゲームを進め、両ワイドからのクロスで先制点を目指せば、レイソルは武器であるボールを奪ってからのスピーディーなカウンターをメインにサンフレッチェゴールに迫ってきた。どちらも得点を挙げるまでには至らなかったが、両ゴール前での攻防が多く見られる一進一退の戦いで推移。すると、チャンスを先にモノにしたのは紫軍団だった。自陣で塩谷司が相手のボールを奪うと、1トップ・加藤陸次樹のキープから右サイドへと展開。ボールを受けた新井直人のアーリークロスのこぼれ球に走っていたのは右CB中野就斗だった。ペナルティーエリアの右よりから放った強烈なシュートがネットを揺らし、広島が先制に成功した。
 そのまま広島が1点をリードして前半を終えたハーフタイム、勝利に向けてミヒャエル・スキッベ監督はさらなる質の向上を求めた。
「最後の質をもっと丁寧に。サイドチェンジをもっと早く。残り45分も全力で行こう!」
 後半も受けに回ることなく追加点を狙いながら試合を進めたサンフレッチェ。51分にレイソルのエースである細谷真大に抜け出されるピンチはあったものの、前半同様に前からのアグレッシブな守備で主導権を握ると、自慢のサイド攻撃が再び炸裂したのは65分だった。左サイドでの細かなパス交換から佐々木翔のスルーパスに松本泰志が抜け出すと、左足でのクロスが相手DFのオウンゴールを誘発して2-0。このゴールで勝負をほぼ決定付けた。
 その後も危なげない試合運びを見せた広島は、強力・レイソル攻撃陣に自由を許さず2-0の完封勝ち。同一シーズンでは実に1994年以来となるリーグ戦6連勝を達成した。

監督 試合後コメント

「レイソル相手に難しい試合でしたが、勝つことができて嬉しく思います。相手は序盤、中盤のところから縦パスを入れて速いカウンターがうまくできていたと思います。ただ、飲水タイムを機に自分たちも良い攻撃ができるようになりました。最終的に後半は自分たちがどんどん良くなっていったと思いますし、それゆえに勝ちに値するゲームだったと思っています。結果はこうなりましたが、拮抗した良い試合だったと思います」

──飲水タイムを機に良くなっていったということですが、ハーフタイムを含めて選手たちにどのような声がけをしたのでしょうか?
「『もう少しプレスの部分で当たりにいこう』と言いました。中盤は少しゾーン気味に守る形になっていましたが、そこを当たるように言ったところ、彼らはしっかり対応してくれて、どんどんチームのパフォーマンスが上がっていきました」

──リーグ戦6連勝はクラブとして30年ぶりになります。
「何よりも今日勝てたこと、今日の勝利が一番良かったと思っています。次の試合もすぐに来るので、その瞬間の大事な試合に勝てるように今後もやっていくことが大事になると思います」

──加藤陸次樹選手の泥臭いプレーが効いていたと思いますが、どのように感じていますか?
「彼の成長は非常に満足しています。急遽、あのポジション(1トップ)に入っていると言ってもおかしくないぐらいです。大橋(祐紀)が移籍でいなくなり、その後はFWの選手が相次いでケガで不在となりました。その中で陸次樹が(1トップを)やっているわけですが、彼はゴールに背を向けたプレーも、ボールをしっかりキープするところも、それからボールをはたくプレーも、すべてにおいて成長したと思います。その部分は非常に満足しています」

──川辺駿選手と塩谷司選手のダブルボランチも機能していると思います。
「今日は飲水タイム後、本当に良くなったと思います。しっかりボールをさばくところやサイドチェンジもたくさんしてくれていましたし、安定したサッカーに欠かせない彼らのパフォーマンスだったと思っています。後半に関しては、自分たちのサッカーの中心になるようなプレーをしてくれたので、今日の勝利にすごく貢献してくれたと思います」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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