試合の見どころ
“広島の夏”が終わらない。前節・柏戦は2-0で勝利し、クラブタイ記録に並ぶ、30年ぶりのリーグ戦6連勝を達成。その6試合では完封が『4』で失点はわずか『2』と、自慢の堅守をベースに得点を奪っていく安定した戦いを繰り広げている。前節は首位・町田が引き分けたことで、勝点差はわずか『2』に肉薄。一時は遠かった首位の背中が間近まで迫ってきた2位・広島は、このままの勢いでさらなる勝利を狙う。
まさに絶好調の紫軍団だが、指揮官に慢心はない。前節・柏戦後、6連勝について問われたミヒャエル・スキッベ監督は「次の試合もすぐに来るので、その瞬間の大事な試合に勝てるように今後もやっていくことが大事になる」とすぐに気持ちを引き締めた。サッカーはメンタルがすべてではないが、プレーに大きく影響するものである。指揮官がいつも強調するのは、やはり「目の前の1試合、1試合」。勝とうが負けようが、まずは次の試合に全力を尽くすのが今の広島の強さの源だ。
今節激突するFC東京も気の抜けない強敵である。直近のリーグ戦5試合では勝利がなく(2分3敗)、前節は京都に0-3と完敗するなど調子を落としているが、選手の質は間違いなくJ1でもトップレベルにある。「守備はやや不安定だが、攻撃は相変わらず強い」(ミヒャエル・スキッベ監督)。京都戦では土肥幹太と岡哲平という若いCBコンビが務めていたが、前線に目を向ければディエゴ・オリヴェイラ、仲川輝人、遠藤渓太の強力3トップを筆頭にタレントがズラリ。中盤にもパリ五輪代表の荒木遼太郎やオールラウンダーの小泉慶など、実力者は揃っており、チームとしてハマったときの力は強烈だ。今季はルヴァンカップを含めてFC東京とは3度対戦して2勝1分と広島が勝ち越しているが、どれも決して簡単に終わったゲームはなく、過去の対戦成績は度外視して戦ったほうが良い。
広島の勝利のポイントは、前節の京都が見せた戦いにある。持ち前の前線からのアグレッシブな守備で主導権を握った京都は、90分を通してFC東京の強力攻撃陣の良さも消して勝ち切った。もちろん、FC東京も今節に向けて修正はしてくるだろうが、広島も京都に負けないハードワークと攻撃的な姿勢を貫けば、必ず勝機はある。“スキッベ・サッカー”を出し尽くすことこそが、勝点3獲得への大きなカギとなる。
まさに絶好調の紫軍団だが、指揮官に慢心はない。前節・柏戦後、6連勝について問われたミヒャエル・スキッベ監督は「次の試合もすぐに来るので、その瞬間の大事な試合に勝てるように今後もやっていくことが大事になる」とすぐに気持ちを引き締めた。サッカーはメンタルがすべてではないが、プレーに大きく影響するものである。指揮官がいつも強調するのは、やはり「目の前の1試合、1試合」。勝とうが負けようが、まずは次の試合に全力を尽くすのが今の広島の強さの源だ。
今節激突するFC東京も気の抜けない強敵である。直近のリーグ戦5試合では勝利がなく(2分3敗)、前節は京都に0-3と完敗するなど調子を落としているが、選手の質は間違いなくJ1でもトップレベルにある。「守備はやや不安定だが、攻撃は相変わらず強い」(ミヒャエル・スキッベ監督)。京都戦では土肥幹太と岡哲平という若いCBコンビが務めていたが、前線に目を向ければディエゴ・オリヴェイラ、仲川輝人、遠藤渓太の強力3トップを筆頭にタレントがズラリ。中盤にもパリ五輪代表の荒木遼太郎やオールラウンダーの小泉慶など、実力者は揃っており、チームとしてハマったときの力は強烈だ。今季はルヴァンカップを含めてFC東京とは3度対戦して2勝1分と広島が勝ち越しているが、どれも決して簡単に終わったゲームはなく、過去の対戦成績は度外視して戦ったほうが良い。
広島の勝利のポイントは、前節の京都が見せた戦いにある。持ち前の前線からのアグレッシブな守備で主導権を握った京都は、90分を通してFC東京の強力攻撃陣の良さも消して勝ち切った。もちろん、FC東京も今節に向けて修正はしてくるだろうが、広島も京都に負けないハードワークと攻撃的な姿勢を貫けば、必ず勝機はある。“スキッベ・サッカー”を出し尽くすことこそが、勝点3獲得への大きなカギとなる。
監督 試合前日コメント
──台風の影響でFC東京の広島への移動が心配ですが、試合は開催予定です。こういうトラブルがあったときの試合は難しい部分もあると思いますが、いかがでしょうか?
「自分たちがやるべきことはしっかりと良い準備をするだけです。FC東京はどんな状況でもすごく良いサッカーをすると思っていますし、前線には速い選手が多くいて、ディエゴ・オリヴェイラもいます。オフェンシブで良いサッカーをしてくることは間違いないですし、面白い試合になると思っています」
──FC東京はリーグ戦5試合勝利がなく、その内の4試合で得点を取れていません。もしかしたら、やり方か選手を代えてくるかもしれません。
「選手を代えてくる可能性はありますが、そうだとすれば後ろのほうだと思います。若い二人がCBを務めていたところを経験値のある選手を入れ、後ろを安定させることによって全体を安定させることは想像できる部分です。ただ、誰が出てきたとしても、我々は前からボールを奪いに行く自分たちのサッカーを90分間やり続けて、3ポイントを取りたいと思います」
──今週は1週間しっかり準備する時間がありました。今週のトレーニングを振り返って。
「1週間、良い形でトレーニングできましたし、フィーリングも良い1週間でした。ここからは時間は少ないですが、良い試合をするためにしっかりと整えていきたいと思います」
──天皇杯・愛媛戦や前節・柏戦では立ち上がりからもっと前に行ってほしいと言う試合が2試合続きました。FC東京戦は立ち上がりから集中して臨んでほしいところですか?
「『最初から全力で行かないといけない』とは、もちろん伝えたいと思います。何よりもディフェンスを最初からしっかりやっていきたいです。ここ2試合は、運も味方して、リードされなかった部分もありました。自分たちのディフェンスは後ろをしっかり固めるということではなく、最初の1秒から前からボールを奪いに行くというところを徹底したいと思っています」
「自分たちがやるべきことはしっかりと良い準備をするだけです。FC東京はどんな状況でもすごく良いサッカーをすると思っていますし、前線には速い選手が多くいて、ディエゴ・オリヴェイラもいます。オフェンシブで良いサッカーをしてくることは間違いないですし、面白い試合になると思っています」
──FC東京はリーグ戦5試合勝利がなく、その内の4試合で得点を取れていません。もしかしたら、やり方か選手を代えてくるかもしれません。
「選手を代えてくる可能性はありますが、そうだとすれば後ろのほうだと思います。若い二人がCBを務めていたところを経験値のある選手を入れ、後ろを安定させることによって全体を安定させることは想像できる部分です。ただ、誰が出てきたとしても、我々は前からボールを奪いに行く自分たちのサッカーを90分間やり続けて、3ポイントを取りたいと思います」
──今週は1週間しっかり準備する時間がありました。今週のトレーニングを振り返って。
「1週間、良い形でトレーニングできましたし、フィーリングも良い1週間でした。ここからは時間は少ないですが、良い試合をするためにしっかりと整えていきたいと思います」
──天皇杯・愛媛戦や前節・柏戦では立ち上がりからもっと前に行ってほしいと言う試合が2試合続きました。FC東京戦は立ち上がりから集中して臨んでほしいところですか?
「『最初から全力で行かないといけない』とは、もちろん伝えたいと思います。何よりもディフェンスを最初からしっかりやっていきたいです。ここ2試合は、運も味方して、リードされなかった部分もありました。自分たちのディフェンスは後ろをしっかり固めるということではなく、最初の1秒から前からボールを奪いに行くというところを徹底したいと思っています」
ゲームレポート
リーグ戦6連勝の勢いそのままに広島が強さを示す一戦となった。
「自分たちのディフェンスは後ろをしっかり固めるということではなく、最初の1秒から前からボールを奪いに行くことを徹底したい」。戦前にミヒャエル・スキッベ監督がそう話していたように、序盤からFC東京に襲い掛かった紫軍団はいきなり試合を動かした。その中心となったのは今季2試合目の先発となったトルガイ・アルスランである。早々の5分、左サイドの満田誠のアーリークロスから加藤陸次樹のキックは相手DFに当たったが、そのこぼれ球を拾ったトルガイが冷静に右足を振り抜いて先制。早くもリードを奪うことに成功した。
その後は盛り返してきたFC東京の反撃もあって一進一退の攻防となったが、流れを再び引き寄せる貴重な2点目を奪ったのは、またも背番号30だった。右サイドからの加藤のクロスのこぼれ球が再びトルガイの下へ転がってくると、右足で放ったシュートは相手GKの股を抜いて2-0。前半だけで2得点を奪う圧巻の決定力を見せた。 「もっと前から当たりに行くこと。もう一度、みんなで集中して後半も試合に入ろう!!」
ハーフタイム、2点のリードにも満足することなく内容の改善を求めたスキッベ監督。その言葉に応じるように後半開始から広島は守りに入ることなく攻撃的な姿勢を貫いた。序盤はFC東京の破壊力ある前線がスピーディーな攻撃を発揮してきたことで受ける時間もあったが、ここを守備陣を中心に我慢強くしのぐと、チャンスは63分にやってきた。左サイドからの攻撃でペナルティーエリア内へ進出した松本泰志が相手に倒されてPKを獲得。キッカーを任されたトルガイが落ち着いて決めてリードを3点に広げた。
その後は互いに果敢に敵陣へ進出していくオープンな展開となるなか、広島は79分と後半アディショナルタイムに立て続けに失点して1点差に迫られたものの、そのまま逃げ切ってクラブ新記録となるリーグ7連勝を達成。この日は引き分けに終わった町田と勝点差で並ぶと、得失点差で上回って首位へ浮上した。
「自分たちのディフェンスは後ろをしっかり固めるということではなく、最初の1秒から前からボールを奪いに行くことを徹底したい」。戦前にミヒャエル・スキッベ監督がそう話していたように、序盤からFC東京に襲い掛かった紫軍団はいきなり試合を動かした。その中心となったのは今季2試合目の先発となったトルガイ・アルスランである。早々の5分、左サイドの満田誠のアーリークロスから加藤陸次樹のキックは相手DFに当たったが、そのこぼれ球を拾ったトルガイが冷静に右足を振り抜いて先制。早くもリードを奪うことに成功した。
その後は盛り返してきたFC東京の反撃もあって一進一退の攻防となったが、流れを再び引き寄せる貴重な2点目を奪ったのは、またも背番号30だった。右サイドからの加藤のクロスのこぼれ球が再びトルガイの下へ転がってくると、右足で放ったシュートは相手GKの股を抜いて2-0。前半だけで2得点を奪う圧巻の決定力を見せた。 「もっと前から当たりに行くこと。もう一度、みんなで集中して後半も試合に入ろう!!」
ハーフタイム、2点のリードにも満足することなく内容の改善を求めたスキッベ監督。その言葉に応じるように後半開始から広島は守りに入ることなく攻撃的な姿勢を貫いた。序盤はFC東京の破壊力ある前線がスピーディーな攻撃を発揮してきたことで受ける時間もあったが、ここを守備陣を中心に我慢強くしのぐと、チャンスは63分にやってきた。左サイドからの攻撃でペナルティーエリア内へ進出した松本泰志が相手に倒されてPKを獲得。キッカーを任されたトルガイが落ち着いて決めてリードを3点に広げた。
その後は互いに果敢に敵陣へ進出していくオープンな展開となるなか、広島は79分と後半アディショナルタイムに立て続けに失点して1点差に迫られたものの、そのまま逃げ切ってクラブ新記録となるリーグ7連勝を達成。この日は引き分けに終わった町田と勝点差で並ぶと、得失点差で上回って首位へ浮上した。
監督 試合後コメント
「監督としても選手としても難しい厳しい試合でした。良い波もあれば、落ちた時もありました。FC東京は切り替えが速く、ボールを奪った後の素早い攻撃は本当に脅威でした。もしかしたら、結果が逆になってもおかしくなかったと思っています。自分たちは運に恵まれた部分もありました。ただ、3-0でリードしていた後、自分たちにも数多くのチャンスがあり、焦ってしまってゴールできなかったシーンがたくさんありましたし、もっとリードを広げられたシーンがありました。それでも今日で8月は終わりますが、全試合勝利で終われたのは、チーム、それから選手全員が誇りに思って良いことだと思います。本来だったら日本代表ウィークで少し休みを貰えると思いましたが、残念ながらルヴァンカップが入っており、さらに天皇杯もあるので、本当に厳しい戦いが待っています」
──7連勝で町田と勝点で並び、得失点差で上回って首位に立ちましたが、どう受け止めていますか?
「いまむしろ大事なのは、次の水曜日に向けてどれだけ回復して名古屋戦で勝利するか。そこだけです」
──3-0でリードした状況で選手の3枚替えをしました。途中交代で前に行きたい選手とこのままで良いのでないかという後ろの選手たちで間延びしたように見えました。2失点についてどう考えていますか?
「途中から入った選手は良いパフォーマンスを見せたと思います。特にオフェンスの部分はチャンスを作り出すことはできていました。ただ、最後の最後のところでコンビネーションやシュートの選択ミスなどがあったため、ボールを奪われてカウンターを食らうシーンがあったのは間違いありません。ただ、サッカーなので、そういうことはあると思っています」
──今日はトルガイ・アルスラン選手の先発起用が当たりました。彼の働きについて。
「本当にボール扱いの上手な素晴らしい選手だと思います。自分たちのチャンスを作り出す部分で良い働きをして、落ち着いてシュートを打つ部分まで、やりたいことをすべて自分でやって見せてくれました。自分たちは移籍期間で大橋(祐紀)というゴールゲッターを失ったわけですが、ポジションが違うとはいえ、彼のように得点能力の高い選手、中盤の選手ですが、そういう部分を補強できたのは良かったと思っています」
──川辺駿選手の途中交代は警告を貰っていたためでしょうか?
「そのとおりです。彼自身のパフォーマンスはすごく良かったと思っていますし、もう一度やってしまったら退場になるというシーンがあったので代えました」
──今季の入場者数がクラブ史上最多になりました。まだ試合が残っているなかで達成したことについて。
「街中にこれだけ素晴らしいスタジアムができたということ。楽しいサッカーが見たい方がいましたら、ぜひ足を運んでいただきたいと思っています」
──7連勝で町田と勝点で並び、得失点差で上回って首位に立ちましたが、どう受け止めていますか?
「いまむしろ大事なのは、次の水曜日に向けてどれだけ回復して名古屋戦で勝利するか。そこだけです」
──3-0でリードした状況で選手の3枚替えをしました。途中交代で前に行きたい選手とこのままで良いのでないかという後ろの選手たちで間延びしたように見えました。2失点についてどう考えていますか?
「途中から入った選手は良いパフォーマンスを見せたと思います。特にオフェンスの部分はチャンスを作り出すことはできていました。ただ、最後の最後のところでコンビネーションやシュートの選択ミスなどがあったため、ボールを奪われてカウンターを食らうシーンがあったのは間違いありません。ただ、サッカーなので、そういうことはあると思っています」
──今日はトルガイ・アルスラン選手の先発起用が当たりました。彼の働きについて。
「本当にボール扱いの上手な素晴らしい選手だと思います。自分たちのチャンスを作り出す部分で良い働きをして、落ち着いてシュートを打つ部分まで、やりたいことをすべて自分でやって見せてくれました。自分たちは移籍期間で大橋(祐紀)というゴールゲッターを失ったわけですが、ポジションが違うとはいえ、彼のように得点能力の高い選手、中盤の選手ですが、そういう部分を補強できたのは良かったと思っています」
──川辺駿選手の途中交代は警告を貰っていたためでしょうか?
「そのとおりです。彼自身のパフォーマンスはすごく良かったと思っていますし、もう一度やってしまったら退場になるというシーンがあったので代えました」
──今季の入場者数がクラブ史上最多になりました。まだ試合が残っているなかで達成したことについて。
「街中にこれだけ素晴らしいスタジアムができたということ。楽しいサッカーが見たい方がいましたら、ぜひ足を運んでいただきたいと思っています」