10.3 21:00

AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25 グループステージ MD2 vs. 東方
AWAYMong Kok Stadium

試合終了

東方 東方
2
3
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半7分
    ダニエルアルマザン
  • 後半1分
    ノアバッフォー
1
前半
2
1
後半
1

試合の見どころ

 リーグ戦の勢いをアジアにも繋げたい一戦だ。9月28日(土)のJ1天王山となった2位・町田戦では、前半から相手を内容で上回り、2-0の完勝で首位をキープ。前半の2得点で勝負は決していたとは言え、90分を通して紫軍団の強さが際立つ戦いぶりに、敵将・黒田剛監督も「広島さんとの差を認めざるを得ない」と語る一戦となった。これでリーグ戦は直近10試合で9勝1分。まさに好調・サンフレッチェが次は中4日でACL2グループステージ第2戦・東方とのアウェイゲームに挑む。
 ACLエリートに参加している横浜FM、神戸、川崎Fがアウェイでの初戦で苦労していたように、やはりアジアでの敵地は難しい戦いになるのは必至だ。スタジアムは完全アウェイの雰囲気となり、グラウンドの状態も日本とは大きく変わってくる。ピッチ外も含めて日本とは異なる環境を克服しないといけないのが海外の戦いだ。「そこを含めて楽しみたい」と柏好文が話したように、勝利のためにはポジティブな姿勢で海外とのゲームに臨む必要がある。
 東方については、当然ながら力のあるチームだ。昨季はリーグ戦3位となってACL2の出場権を獲得。今季もここまで3勝1分で首位と同じ勝点で並ぶ2位につけている。ACL2初戦のシドニーFC戦こそ0-5の大敗を喫したが、戦いぶりを見れば組織的な守備に加えて、力のある前線の個を備えるバランスの取れたチームという印象だ。
 特に警戒しなければならないのは、“スペイン人カルテット”だろう。CBのダニエル・アルマサン・ベラが守備陣を統率し、中盤のマルコス・ゴンドラが中心として君臨。そして前線では、高さのあるビクトル・ベルトメウとスピードとテクニックが際立つノア・バッフォエ・ドンコルの二人で違いを生み出す。シドニーFC戦でもカウンターから二人で決定機を作り出すなど、敵の脅威となっていた。サンフレッチェが相手を押し込む展開を作ったとしても、初戦で戦ったカヤFC以上の威力を持つ東方の速攻は一番の警戒ポイントとなる。
 攻撃では我慢強く攻略できるか。東方を押し込み続けていたシドニーFCも序盤は堅い守備組織の打開に苦労していたが、根気強く攻めを繰り出し、エリア内でのパスワークやセットプレーで得点を重ねていった。広島としてもなかなか点が入らなくても焦れずに相手陣地でサッカーを展開し、武器であるサイド攻撃やコンビネーションを駆使してゴールを目指したいところ。いつもどおり広島のサッカーを貫くことが、東方戦の勝利のカギだ。

監督 試合前日コメント

■ミヒャエル・スキッべ監督
「この大会に参加するために、昨年のリーグ戦で3位になれたことを嬉しく思っています。初戦はホームで3-0で勝ち、良い形でスタートすることができて第2戦を迎えます。香港でも良い結果を出したいと思っています。直近のリーグ戦では良い形で終わった試合がありましたが、今回はインターナショナルな大会なので、J1とはまた違う戦いになると思います。ここでも良いサッカーをして、3ポイントを取って帰りたいと思っています」

──前日練習を終えて、『旺角大球場』の芝生の状態と選手のコンディションはいかがでしょうか?
「選手のコンディションについては、明日はリーグ戦とは違うメンバーが出ることになるので、特に心配する部分はありません。芝生については、(同じく会見に出席している満田)マコに聞いてもらったほうが分かると思います。私は立っていただけなので(笑)。ただ、外から見ている限りでは、違いはあるにせよ、良いグラウンドだと思っています」

──相手の東方についての印象と強みをどう見ていますか?
「アウェイでシドニーFCと戦った試合を見ましたが、0-5という差が付くほどの内容ではなかったと思います。また、監督を含めて、スペイン系の選手が多くいるということ。スペインらしいサッカーを展開してくるのではないかと考えています。ただ、何よりも我々の選手が外国の選手たちと公式戦で対戦できるということ。それが素晴らしいことだと思っています」


■満田 誠選手
「簡単な試合にはならないと思いますが、しっかりとアウェイの地で勝点3を取れるように全員で戦っていきたいと思います」

──『旺角大球場』は変わった芝生だったと思いますが、練習をしてみてどうでしたか?
「日本の芝とは違う感じでしたが、そこも含めて国際的な試合だと思っています。自分たちも順応し、相手のホームですが、そこに苦労しないように、ストレスを抱えないほうが良いのかなと思います」

──ACL2のように遠い外国へ移動して戦うことは一つの経験となりますが、満田選手はこの経験をどのように捉えて、勝ち進んで行きたいと思っていますか?
「アジアの他の国のチームと対戦できることは自分にとってもチームにとっても大きな経験になると思います。そのなかで勝負にはこだわって、どの試合でも勝点3を取れるように挑みたい。1試合、1試合、大事に戦って行きたいです」

ゲームレポート

 ACL2初戦を3-0で勝利して迎えた敵地でのグループステージ第2戦。広島の立ち上がりは悪かった。序盤から立て続けに相手のスピーディーな攻めに苦戦すると、いきなり出鼻をくじかれてしまった。7分、左サイドで相手にCKを与えると、これを決められて失点。早くも追いかける展開となった。
 それからも広島がボールを持つたびにブーイングが鳴り響く“完全アウェイ”の雰囲気の影響からかジタバタとした展開となったが、10分を過ぎたあたりからようやく紫軍団が落ち着きを取り戻す。前線からのアグレッシブな守備を基本に相手を敵陣へ押し込んでサッカーを展開。最終ラインが高い位置を取ってパスを繋ぎながら得点機会を探り、持ち味のサイド攻撃を生かしながら同点を目指した。14分、左サイド・志知孝明のクロスからピエロス・ソティリウがヘディングでシュートを放ったのに続き、20分には右サイド・新井直人の鋭いクロスから再びピエロスが合わせてゴールを狙う。このネットを揺らしたシュートはピエロスのファウルで認められなかったが、左右のサイドから何度も決定機を作った広島がジワジワと東方を追い詰めていった。すると40分、松本大弥が見せた。右サイドへ展開された攻撃からペナルティーエリアの外で待っていた松本大にパスが渡ると、右足を一閃。強烈なミドルシュートが決まって、ようやく同点に追い付いた。これで一気に畳みかけた広島は41分、右サイド・越道草太のクロスからペナルティーエリア内で志知が中央へ折り返し、これを中島洋太朗がボレーで決めてすぐに逆転。リードを奪って前半を終えた。
「最初の15分ぐらいは相手に立ち向かえなかった。でも、どんどん良くなってきた。後半の頭も相手は来るぞ!1対1で絶対に勝て!」
 ハーフタイム、そうミヒャエル・スキッベ監督に活を入れられた広島の選手たちだったが、前半同様、またも立ち上がりでやられてしまった。後半が開始してからわずか1分、警戒していた相手のエースであるノア・バッフォーのスピードを止められずに失点。早くも試合を振り出しに戻されてしまった。
 だが、激しいシーソーゲームの展開にも広島の選手たちはブレずに攻撃姿勢を貫いた。その後は前半と同じく相手を押し込み続ける展開で試合は推移し、組織的な守りを構築する東方を根気強く攻略する作業となった。低い位置で構える相手守備陣はやはり堅く、なかなか崩せずにいると、途中から加藤陸次樹や中野就斗、荒木隼人、マルコス・ジュニオールらを次々と投入して変化を加えたスキッベ監督。すると、敵地だろうと最後まで勝ち越しを目指して東方ゴールへ迫り続けた紫軍団の執念が実ったのは後半アディショナルタイムだった。新井直人の右CKから、荒木隼人が頭で合わせて再び勝ち越し。土壇場で勝利を手繰り寄せた広島が、ACL2で2連勝を飾った。

監督 試合後コメント

「今日は香港に来ましたが、非常に難しい相手でした。ノア・バッフォーを中心としたカウンターに最初から最後まで苦しめられた印象があります。ただ、最初の10~15分を除けば、自分たちも良いサッカーができたと思います。また、後半開始早々に失点したにも関わらず、自分たちは最後の最後まで戦い抜こうと努力した部分、そして最後の最後でCKから素晴らしい(荒木)隼人のヘディングが決まったこと、そういった展開はラッキーだったと思いますし、今日の勝点3は非常に満足しています」

──今日はアウェイの雰囲気を含めて、どういった部分が難しかったでしょうか?
「これこそ国際試合だというような日本ではできない経験がたくさんできました。東方のサポーターも彼らの後ろに立ち、いろんなところでプレッシャーをかけ、味方になって応援しているのを感じました。日本とは違ったものがたくさんあったと思います。また、最初から最後までフェアな戦いでした。これからも、どんどんこういう経験をしていきたいと思います」

──途中交代した中島洋太朗選手の状態について。
「まだ詳しい情報が入っていないので分からない部分がありますが、歩けている部分もありましたし、病院に行って検査を受けます。ひどくなければ良いなと思っています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い香港でのゲームとなりましたが、約250名もの方にお越しいただきました。相手の観衆でスタジアムが埋まる中、皆様の熱い声援が最後の最後での勝ち越しゴールに繋がりました。力強い後押し、ありがとうございました。

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