試合の見どころ
良好な流れを継続して臨むことになる。2位・町田との天王山を制して迎えた3日(木)のACL2グループステージ第2戦のアウェイ・東方戦では、2-2の点の取り合いとなるなかで荒木隼人の後半アディショナルタイム弾で3-2で勝利。この一戦では、リーグ戦の主力をサブに回して温存できたことも大きいが、難しい敵地での劇的な勝利はチームの士気を高める上でも大きかった。「最後に(荒木)隼人のゴールで勝って終われたのは、チームの雰囲気がすごく上がった部分もありますので、むしろ良かった」とミヒャエル・スキッベ監督。もちろん今節は香港からの移動があるなかで中2日と日程的に難しい部分もあるが、勝利した勢いを持って戦えることが何よりの良薬だ。
もっとも、今回もまた一筋縄ではいかない相手との戦いとなる。敵地で戦う磐田はここまで8勝8分15敗の18位と降格圏にいるが、だからこそJ1残留を目指して強い気迫で臨んでくることは必至だ。もともと、磐田は横内昭展監督の下、組織的でまとまりのある力のあるチームである。海外での経験が豊富な元日本代表守護神・川島永嗣を最後尾に置いて守備を引き締め、CBリカルド・グラッサを軸とした4バックはしっかりと統制されていて堅い。中盤ではレオ・ゴメスが攻守の軸として機能し、他にも松本昌也や中村駿、高畑奎汰など、攻撃でも守備でも献身的に働くチームプレーヤーが充実している。そして前線ではリーグ戦15得点を挙げているエースのジャーメイン良に加え、J3の沼津からJ1の磐田までなり上がったストライカーの渡邉りょうや190cmの大型FWマテウス・ペイショットと、タイプの異なるプレーヤーが顔を揃える。全体的に能力の高い選手は揃っており、そのプレーヤーを横内監督がまとめている磐田は、厄介なチームだ。
さらに最近の磐田は勝負に徹する姿勢も見せている。横内監督の戦いとして最終ラインからパスを繋いで攻撃を組み立てる時もあるが、前節・名古屋戦ではジャーメインと渡邉の2トップに後方からロングボールを徹底的に送り込んで相手のハイプレスを回避。セカンドボールを拾って2次攻撃をしかける現実的な戦いで臨んでいた。結果的に後半の2失点で敗れているが、特に前半はその戦いぶりで主導権を握るなど、0-2の結果ほど差はなかった。今節も、磐田は広島の前線からのアグレッシブな守備を無力化しようと名古屋戦同様のロングボール攻勢で臨んでくる可能性は十分に高く、その備えは必要だ。磐田に徹底的にロングボールを放り込まれても、広島としてはセカンドボールの攻防で負けてはならない。
その上で紫軍団としては、やることは不変だ。前節に戦った町田も最終ラインからロングボールを送り込むチームだったが、相手の前線に負けず、中盤の肉弾戦で勝ち、サイドを生かして得点を挙げるなど、主導権を握って勝利を収めた。今節もチーム全体の攻撃的な姿勢を貫いてペースを握れば、必ず勝機はある。相手のJ1残留へのモチベーションを含めて敵地での難しい戦いが予想されるが、全員でタフに戦い続けて勝点3を奪いたいところだ。
もっとも、今回もまた一筋縄ではいかない相手との戦いとなる。敵地で戦う磐田はここまで8勝8分15敗の18位と降格圏にいるが、だからこそJ1残留を目指して強い気迫で臨んでくることは必至だ。もともと、磐田は横内昭展監督の下、組織的でまとまりのある力のあるチームである。海外での経験が豊富な元日本代表守護神・川島永嗣を最後尾に置いて守備を引き締め、CBリカルド・グラッサを軸とした4バックはしっかりと統制されていて堅い。中盤ではレオ・ゴメスが攻守の軸として機能し、他にも松本昌也や中村駿、高畑奎汰など、攻撃でも守備でも献身的に働くチームプレーヤーが充実している。そして前線ではリーグ戦15得点を挙げているエースのジャーメイン良に加え、J3の沼津からJ1の磐田までなり上がったストライカーの渡邉りょうや190cmの大型FWマテウス・ペイショットと、タイプの異なるプレーヤーが顔を揃える。全体的に能力の高い選手は揃っており、そのプレーヤーを横内監督がまとめている磐田は、厄介なチームだ。
さらに最近の磐田は勝負に徹する姿勢も見せている。横内監督の戦いとして最終ラインからパスを繋いで攻撃を組み立てる時もあるが、前節・名古屋戦ではジャーメインと渡邉の2トップに後方からロングボールを徹底的に送り込んで相手のハイプレスを回避。セカンドボールを拾って2次攻撃をしかける現実的な戦いで臨んでいた。結果的に後半の2失点で敗れているが、特に前半はその戦いぶりで主導権を握るなど、0-2の結果ほど差はなかった。今節も、磐田は広島の前線からのアグレッシブな守備を無力化しようと名古屋戦同様のロングボール攻勢で臨んでくる可能性は十分に高く、その備えは必要だ。磐田に徹底的にロングボールを放り込まれても、広島としてはセカンドボールの攻防で負けてはならない。
その上で紫軍団としては、やることは不変だ。前節に戦った町田も最終ラインからロングボールを送り込むチームだったが、相手の前線に負けず、中盤の肉弾戦で勝ち、サイドを生かして得点を挙げるなど、主導権を握って勝利を収めた。今節もチーム全体の攻撃的な姿勢を貫いてペースを握れば、必ず勝機はある。相手のJ1残留へのモチベーションを含めて敵地での難しい戦いが予想されるが、全員でタフに戦い続けて勝点3を奪いたいところだ。
監督 試合前日コメント
──磐田は残留争いをしているチームで、難しい相手だと思います。
「もちろん、相手はそういう状況でもありますし、前と後ろにフィジカルの強い選手がいます。フィジカルの激しいぶつかり合いになるところは、我々も負けられません」
──磐田には良いストライカーもおり、カウンターは注意が必要です。
「全体的に見ても良いチームだと思っています。カウンターもそうですし、前から果敢にボールを奪いに来ます。セットプレーも含めて、すごく良いチームです」
──ACL2での長い移動があった選手たちや広島で調整していた選手たちを含めて状態はいかがでしょうか?
「香港では長い時間、プレーしていない選手もいますし、コンディションは大丈夫だと思っています。移動は大変だったとは言え、そこまでキツイものでもなかった。東方戦では、最後に(荒木)隼人のゴールで勝って終われたのは、チームの雰囲気がすごく上がった部分もありますので、むしろ良かったと思っています」
──リーグ戦では首位を走っていますが、追われる立場のメンタルについてはいかがですか?
「今は1位で追われる立場ではあるものの上位の3チームは僅差です。首位がプレッシャーになるというよりも、この団子の戦いをどう戦い抜くかが大事になると考えています」
「もちろん、相手はそういう状況でもありますし、前と後ろにフィジカルの強い選手がいます。フィジカルの激しいぶつかり合いになるところは、我々も負けられません」
──磐田には良いストライカーもおり、カウンターは注意が必要です。
「全体的に見ても良いチームだと思っています。カウンターもそうですし、前から果敢にボールを奪いに来ます。セットプレーも含めて、すごく良いチームです」
──ACL2での長い移動があった選手たちや広島で調整していた選手たちを含めて状態はいかがでしょうか?
「香港では長い時間、プレーしていない選手もいますし、コンディションは大丈夫だと思っています。移動は大変だったとは言え、そこまでキツイものでもなかった。東方戦では、最後に(荒木)隼人のゴールで勝って終われたのは、チームの雰囲気がすごく上がった部分もありますので、むしろ良かったと思っています」
──リーグ戦では首位を走っていますが、追われる立場のメンタルについてはいかがですか?
「今は1位で追われる立場ではあるものの上位の3チームは僅差です。首位がプレッシャーになるというよりも、この団子の戦いをどう戦い抜くかが大事になると考えています」
ゲームレポート
広島が敵地で粘り強く磐田を攻略した。
前半から試合の主導権を握ったのは紫軍団だった。途中までは相手の堅い守備組織に加えて、カウンターや後方からのロングボール攻勢に手こずったものの、時間の経過とともに相手を敵陣へ押し込んでサッカーを展開する、広島らしいペースでゲームは推移。左右のサイドを生かして得点を狙いに行った他、中央ではトルガイ・アルスランの創造性やボランチ・松本泰志の積極的な飛び出しなどで決定機を作り出していく。すると、ようやく磐田ゴールをこじ開けたのは広島の一つの武器であるセットプレーだった。東俊希の左からのCK、中央で混戦になると相手のクリアボールに佐々木翔が詰めてネットを揺らし、サンフレッチェが41分に先制。前半を1-0で折り返すことに成功した。
「良いサッカーを見せられている。後半もこのテンポを落とさず、全力で行こう!」
ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督がそう声をかけて臨んだ後半だったが、J1残留に向けて執念を燃やす磐田はやはり簡単な相手ではなかった。広島は決して悪くない立ち上がりを見せたものの、一瞬の隙を突かれたのは52分だった。右サイドで相手に与えてしまったCKから松原后に決められて1-1。早くも試合を振り出しに戻されてしまった。
そこからも広島が主導権を握る展開は変わらず、試合は“攻める広島”と“守る磐田”の構造で進んで行く。時折、磐田のスピーディーなカウンターを受ける時もあったが、前半同様、相手を敵陣へ押し込む時間を長くしてサイド攻撃を主体に根気強く決勝点を目指した。それでも1-1のスコアで時計の針は進むなか、70分にピエロス・ソティリウ、79分には満田誠とスキッベ監督は攻撃的なカードを次々と送り込む。そして、アウェイだろうと攻撃姿勢を貫いた広島の執念が実ったのは78分だった。敵陣左サイドでパスを受けた松本泰志が右足でクロスを送り込むと、中央で頭で合わせたのは加藤陸次樹。背番号51のリーグ戦3試合連続弾で広島が再び勝ち越して見せた。
その後も追加点を狙いつつも守備ではGK大迫敬介のビッグセーブも飛び出すなど、そのまま2-1で逃げ切った紫軍団が勝利。リーグ戦3連勝を達成して、首位をキープした。
前半から試合の主導権を握ったのは紫軍団だった。途中までは相手の堅い守備組織に加えて、カウンターや後方からのロングボール攻勢に手こずったものの、時間の経過とともに相手を敵陣へ押し込んでサッカーを展開する、広島らしいペースでゲームは推移。左右のサイドを生かして得点を狙いに行った他、中央ではトルガイ・アルスランの創造性やボランチ・松本泰志の積極的な飛び出しなどで決定機を作り出していく。すると、ようやく磐田ゴールをこじ開けたのは広島の一つの武器であるセットプレーだった。東俊希の左からのCK、中央で混戦になると相手のクリアボールに佐々木翔が詰めてネットを揺らし、サンフレッチェが41分に先制。前半を1-0で折り返すことに成功した。
「良いサッカーを見せられている。後半もこのテンポを落とさず、全力で行こう!」
ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督がそう声をかけて臨んだ後半だったが、J1残留に向けて執念を燃やす磐田はやはり簡単な相手ではなかった。広島は決して悪くない立ち上がりを見せたものの、一瞬の隙を突かれたのは52分だった。右サイドで相手に与えてしまったCKから松原后に決められて1-1。早くも試合を振り出しに戻されてしまった。
そこからも広島が主導権を握る展開は変わらず、試合は“攻める広島”と“守る磐田”の構造で進んで行く。時折、磐田のスピーディーなカウンターを受ける時もあったが、前半同様、相手を敵陣へ押し込む時間を長くしてサイド攻撃を主体に根気強く決勝点を目指した。それでも1-1のスコアで時計の針は進むなか、70分にピエロス・ソティリウ、79分には満田誠とスキッベ監督は攻撃的なカードを次々と送り込む。そして、アウェイだろうと攻撃姿勢を貫いた広島の執念が実ったのは78分だった。敵陣左サイドでパスを受けた松本泰志が右足でクロスを送り込むと、中央で頭で合わせたのは加藤陸次樹。背番号51のリーグ戦3試合連続弾で広島が再び勝ち越して見せた。
その後も追加点を狙いつつも守備ではGK大迫敬介のビッグセーブも飛び出すなど、そのまま2-1で逃げ切った紫軍団が勝利。リーグ戦3連勝を達成して、首位をキープした。
監督 試合後コメント
「最後のシーンで(大迫)敬介が止めたことに感謝しています。あれがなければ同点で終わったと思っています。ただ、試合は自分たちが支配したと思いますし、厳しい戦いでしたが、自分たちのほうが相手ゴールに近付くシーンは多かったです。もっと早い段階で3-1にできていれば、もう少し楽にゲームを運べることができたと思いますが、2-1のままだったら最後の最後まで緊迫感のある厳しい試合になります。また、磐田に関しても素晴らしかったと思います。自分たちは苦しめられる時間帯は多かったです。それに対して我々はしっかり立ち向かい、時間が経つにつれて良いサッカーができるようになってきた自分たちのチームも同時に素晴らしかったです。ここから先は少し時間があるのでゆっくり休んで回復して、次の大一番・湘南戦に向けて良い準備をしたいと思います。現時点では、自分たちが見せたパフォーマンスについて、非常に満足しています」
──相手はここまでやっていなかったようなシステムで臨んできたと思います。特にジョルディ・クルークス選手のクロスに立ち上がりは苦しめられましたが、彼への対応は特別に指示を与えたのでしょうか?
「そこよりも前半難しくなってしまったのは、自分たちのボールロストの形が悪かったからです。左サイドで2~3回ありました。ジョルディ・クルークスに関しては、良い選手ですし、スピードもあって、右に出るふりをして左足でクロスを上げるといった形が2回ほどありました。ただ、相手の選手うんぬんよりも自分たちが目指すところは、自分たちのサッカーをどれだけ長く多く表現できるか。その点に関してはうまくいったと思っています」
──松本泰志選手は運動量に加えてボールを奪いに行く迫力、そして決勝点のアシストもありました。彼の働きについて。
「彼のここ数カ月の成長ぶりは非常に満足している部分があります。走るだけでなく、クリエイティブになってきている。それから戦うこと、それらすべての部分で成長している選手だと思います。今のチームに欠かすことのできないメンバーの一人だと言っていいと思います」
──後半の最初から新井直人選手を入れて、いくつかポジションを変えました。その意図を教えてください。
「先週の試合でも同じようなことをやったと思います。まず、夏に野津田岳人、川村拓夢、大橋祐紀とフィットしている3人を(移籍で)失いました。(川辺)駿に関して言えば、移籍してくる前のチームでしっかりと準備期間を過ごしてきましたが、ゴンサロ・パシエンシアとトルガイ・アルスランは、休暇中からいきなりシーズンに入った状態になりました。彼らに関して言えば、全部を通して使うことはできないので、ハーフタイムに一度交代をしておきたかった。その後に3回の交代をできるようにしておきたかったのが、理由です。トルガイとゴンサロはまだまだコンディションが100%ではないと思っています」
──相手はここまでやっていなかったようなシステムで臨んできたと思います。特にジョルディ・クルークス選手のクロスに立ち上がりは苦しめられましたが、彼への対応は特別に指示を与えたのでしょうか?
「そこよりも前半難しくなってしまったのは、自分たちのボールロストの形が悪かったからです。左サイドで2~3回ありました。ジョルディ・クルークスに関しては、良い選手ですし、スピードもあって、右に出るふりをして左足でクロスを上げるといった形が2回ほどありました。ただ、相手の選手うんぬんよりも自分たちが目指すところは、自分たちのサッカーをどれだけ長く多く表現できるか。その点に関してはうまくいったと思っています」
──松本泰志選手は運動量に加えてボールを奪いに行く迫力、そして決勝点のアシストもありました。彼の働きについて。
「彼のここ数カ月の成長ぶりは非常に満足している部分があります。走るだけでなく、クリエイティブになってきている。それから戦うこと、それらすべての部分で成長している選手だと思います。今のチームに欠かすことのできないメンバーの一人だと言っていいと思います」
──後半の最初から新井直人選手を入れて、いくつかポジションを変えました。その意図を教えてください。
「先週の試合でも同じようなことをやったと思います。まず、夏に野津田岳人、川村拓夢、大橋祐紀とフィットしている3人を(移籍で)失いました。(川辺)駿に関して言えば、移籍してくる前のチームでしっかりと準備期間を過ごしてきましたが、ゴンサロ・パシエンシアとトルガイ・アルスランは、休暇中からいきなりシーズンに入った状態になりました。彼らに関して言えば、全部を通して使うことはできないので、ハーフタイムに一度交代をしておきたかった。その後に3回の交代をできるようにしておきたかったのが、理由です。トルガイとゴンサロはまだまだコンディションが100%ではないと思っています」
フォト
本日は広島からは遠い磐田でのゲームとなりましたが、約1,700名もの方にお越しいただきました。
皆様の力強い後押しが終盤での勝ち越しに繋がりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました!
皆様の力強い後押しが終盤での勝ち越しに繋がりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました!