試合の見どころ
勝負の“ラスト5”だ。長丁場のリーグ戦も残すところ、あと5試合。前節・磐田戦を2-1で勝利して3連勝を達成した首位・広島は、直近のリーグ戦11試合で10勝1分と相変わらず好調を維持しているが、勝点差わずか『1』で迫っている2位・神戸も現在は6連勝中と絶好調だ。優勝争いはまさに最後までもつれそうな接戦の予感。広島としては、ミヒャエル・スキッベ監督が常に「一戦、一戦」と強調するように、先を見ずに目の前の戦いに全力を尽くすだけとなる。
今節の相手は、かなりの難敵だ。敵地で戦う湘南は現在、10勝8分15敗の15位。J2降格圏の18位・磐田とは勝点差6と残留争いの渦中にいるが、最近の戦いぶりを見れば、下位に沈んでいるチームとは思えないほどの力を示している。前々節・鹿島戦では、前半の2点のビハインドをひっくり返して3-2で逆転勝ちしたのに続き、好調の東京Vと戦った前節は、前半から相手を圧倒して2-0の勝利。2連勝を達成して残留争いから抜け出しつつある。
その湘南のスタイルは、まさに広島に劣らないハードプレスが基調となる。鈴木章斗と福田翔生という若くて勢いのある2トップが前線からの鋭い守備で追いかけまわし、周りの選手たちも組織的に連動。湘南の伝統でもあるアグレッシブな守備でボールを奪えば、もう一つの武器であるカウンターを発動させる。前節・東京V戦でも、その攻撃的な守備が完全に機能して主導権を握り、相手の自由を奪い続けていた。湘南には試合を決められる強烈な選手がいるわけではないが、全員が労を惜しまずに走り、戦い、ゴールを目指す機動力はやはり敵としてはかなり厄介だ。
勝利のポイントは、そのアグレッシブさでいかに湘南を上回れるか。試合はお互いに前線から激しくプレスを仕掛け、主導権の奪い合いになるだろう。攻守の切り替えスピードに加え、球際でも激しくぶつかり合う攻防となるはずだ。広島としては、そこで打ち勝ち、相手を敵陣へ押し込んでサッカーを展開することができるか。今節もサンフレッチェのスタイルを出し尽くすことが、勝利に最も近づくことになる。
今節の相手は、かなりの難敵だ。敵地で戦う湘南は現在、10勝8分15敗の15位。J2降格圏の18位・磐田とは勝点差6と残留争いの渦中にいるが、最近の戦いぶりを見れば、下位に沈んでいるチームとは思えないほどの力を示している。前々節・鹿島戦では、前半の2点のビハインドをひっくり返して3-2で逆転勝ちしたのに続き、好調の東京Vと戦った前節は、前半から相手を圧倒して2-0の勝利。2連勝を達成して残留争いから抜け出しつつある。
その湘南のスタイルは、まさに広島に劣らないハードプレスが基調となる。鈴木章斗と福田翔生という若くて勢いのある2トップが前線からの鋭い守備で追いかけまわし、周りの選手たちも組織的に連動。湘南の伝統でもあるアグレッシブな守備でボールを奪えば、もう一つの武器であるカウンターを発動させる。前節・東京V戦でも、その攻撃的な守備が完全に機能して主導権を握り、相手の自由を奪い続けていた。湘南には試合を決められる強烈な選手がいるわけではないが、全員が労を惜しまずに走り、戦い、ゴールを目指す機動力はやはり敵としてはかなり厄介だ。
勝利のポイントは、そのアグレッシブさでいかに湘南を上回れるか。試合はお互いに前線から激しくプレスを仕掛け、主導権の奪い合いになるだろう。攻守の切り替えスピードに加え、球際でも激しくぶつかり合う攻防となるはずだ。広島としては、そこで打ち勝ち、相手を敵陣へ押し込んでサッカーを展開することができるか。今節もサンフレッチェのスタイルを出し尽くすことが、勝利に最も近づくことになる。
監督 試合前日コメント
──湘南の現状をどのように見ていますか?
「後半戦に入って湘南と京都は驚いたぐらい良いサッカーをしていると思っています。京都は今後に対戦しますが、補強がうまくいっています。湘南は走りますし、戦いますし、内容も良くなっています。得点も取れるようになってきている。すごく良くなっています」
──湘南のストロングポイントは球際や運動量です。そこの部分で負けられません。
「我々と似たような感じだと思います。我々は相手の強みを消しながら、相手陣内でサッカーをやる。しっかりプレスをかけて、そこで勝負すること。システムもサッカーの内容も似ているチーム同士ですので、面白い試合になると思っています」
──9月度の月間優秀監督賞おめでとうございます。
「こういう賞を獲れたのは、やはりチームが見せているパフォーマンスが素晴らしいからです。全体的にずっと良いパフォーマンスを出せていますし、前からプレスをかけていく自分たちらしい魅力的で良いサッカーを見せられているからこそ、この賞を貰えたと思います。チーム全体の賞だと感じています」
「後半戦に入って湘南と京都は驚いたぐらい良いサッカーをしていると思っています。京都は今後に対戦しますが、補強がうまくいっています。湘南は走りますし、戦いますし、内容も良くなっています。得点も取れるようになってきている。すごく良くなっています」
──湘南のストロングポイントは球際や運動量です。そこの部分で負けられません。
「我々と似たような感じだと思います。我々は相手の強みを消しながら、相手陣内でサッカーをやる。しっかりプレスをかけて、そこで勝負すること。システムもサッカーの内容も似ているチーム同士ですので、面白い試合になると思っています」
──9月度の月間優秀監督賞おめでとうございます。
「こういう賞を獲れたのは、やはりチームが見せているパフォーマンスが素晴らしいからです。全体的にずっと良いパフォーマンスを出せていますし、前からプレスをかけていく自分たちらしい魅力的で良いサッカーを見せられているからこそ、この賞を貰えたと思います。チーム全体の賞だと感じています」
ゲームレポート
前後半で内容が一変する激闘となった。
広島の前半のできは抜群だった。前線からアグレッシブに相手に襲い掛かって主導権を握ると、敵を押し込み続けるハーフコートゲームの様相で推移。テンポの良いパスワークで湘南ゴールに迫って何度もチャンスを作る充実の展開となった。13分、左サイドを攻略した東俊希のクロスを加藤陸次樹が頭で合わせて相手を脅かせば、トルガイ・アルスランや川辺駿も相手GK強襲のミドルシュートを放ってCKを立て続けに獲得。さらに25分には、ボランチ・中島洋太朗の左からのアーリークロスを加藤がゴール前でフリーで合わせるなど、広島に得点の匂いが漂い続けていた。
すると28分、ついに湘南ゴールをこじ開けて見せた。左サイドでボールを持った加藤から右サイドの中野就斗へボールが渡ると、ペナルティーエリア内ギリギリのところから右足を強振。鋭い弾道のシュートがニアサイドに突き刺さり、サンフレッチェが先制に成功した。
その後も相手の武器であるカウンターをほぼ完璧に封じ込めて主導権を握り続けた広島が1点のリードで前半は終了。「何も言うことない。素晴らしい前半だった。後半もこのまま続けよう!」。ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督もそう選手を称えるほど、前半の紫軍団のできは見事だった。
だが、一瞬の隙を見せてしまったのは後半開始直後の48分だった。左サイドを攻め込まれた2次攻撃から最後は福田翔生に決められて失点。いきなり試合を振り出しに戻されてしまった。
前半は理想的な試合運びをしていただけにショッキングな失点をしてしまった広島だったが、その後も下を向くことなく2点目を狙い続けた。後半に息を吹き返した湘南に何度かカウンターから決定機を作られたが、全体的には相手を押し込んでサッカーを展開。59分、DF佐々木翔が積極的にミドルシュートを狙えば、64分にはカウンターから最後は川辺駿が決定的なシュートを放つ。その1分後にもCKからトルガイが決定機を迎えるなど、広島は根気強く攻め続けた。
時計の針が進むにつれて、湘南にもチャンスの数が増えてきた平塚での激闘。最後はどちらが勝ってもおかしくないオープンな展開となるなか、勝負が決まったのは後半アディショナルタイムだった。湘南に攻め込まれた広島は、最後の最後で田中聡に決められて万事休す。敵地で悔しい逆転負けを喫してしまった。
広島の前半のできは抜群だった。前線からアグレッシブに相手に襲い掛かって主導権を握ると、敵を押し込み続けるハーフコートゲームの様相で推移。テンポの良いパスワークで湘南ゴールに迫って何度もチャンスを作る充実の展開となった。13分、左サイドを攻略した東俊希のクロスを加藤陸次樹が頭で合わせて相手を脅かせば、トルガイ・アルスランや川辺駿も相手GK強襲のミドルシュートを放ってCKを立て続けに獲得。さらに25分には、ボランチ・中島洋太朗の左からのアーリークロスを加藤がゴール前でフリーで合わせるなど、広島に得点の匂いが漂い続けていた。
すると28分、ついに湘南ゴールをこじ開けて見せた。左サイドでボールを持った加藤から右サイドの中野就斗へボールが渡ると、ペナルティーエリア内ギリギリのところから右足を強振。鋭い弾道のシュートがニアサイドに突き刺さり、サンフレッチェが先制に成功した。
その後も相手の武器であるカウンターをほぼ完璧に封じ込めて主導権を握り続けた広島が1点のリードで前半は終了。「何も言うことない。素晴らしい前半だった。後半もこのまま続けよう!」。ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督もそう選手を称えるほど、前半の紫軍団のできは見事だった。
だが、一瞬の隙を見せてしまったのは後半開始直後の48分だった。左サイドを攻め込まれた2次攻撃から最後は福田翔生に決められて失点。いきなり試合を振り出しに戻されてしまった。
前半は理想的な試合運びをしていただけにショッキングな失点をしてしまった広島だったが、その後も下を向くことなく2点目を狙い続けた。後半に息を吹き返した湘南に何度かカウンターから決定機を作られたが、全体的には相手を押し込んでサッカーを展開。59分、DF佐々木翔が積極的にミドルシュートを狙えば、64分にはカウンターから最後は川辺駿が決定的なシュートを放つ。その1分後にもCKからトルガイが決定機を迎えるなど、広島は根気強く攻め続けた。
時計の針が進むにつれて、湘南にもチャンスの数が増えてきた平塚での激闘。最後はどちらが勝ってもおかしくないオープンな展開となるなか、勝負が決まったのは後半アディショナルタイムだった。湘南に攻め込まれた広島は、最後の最後で田中聡に決められて万事休す。敵地で悔しい逆転負けを喫してしまった。
監督 試合後コメント
「まずは湘南に『おめでとうございます』と伝えたいと思います。あの時間(後半アディショナルタイム)に点を取られて負けたことは残念です。同時に湘南に素晴らしいサッカーをさせてしまった後半も非常に残念に思います。前半は自分たちが主導権を握っていた試合で、多くのチャンスを作ることができていました。ただ、その時点で1点しか取れなかったことが悔やまれます。後半に入るとすごくオープンな展開になったと思います。湘南にはカウンターを含めて、5~6個のチャンスがありました。同時に同じぐらいのチャンスが我々にもありました。こういったオープンな展開のなかで最終的に勝敗が付いてしまったことに関して、湘南は少しラッキーだったと思いますし、自分たちはアンラッキーだったと思います。ただ、スポーツですので、片方が勝てば、片方が負けるということだと思います」
──前半は広島が攻める一方的な内容でしたが、後半はガラリと変わりました。その要因をどう見ていますか?
「湘南が後半の早い時間に1点を取ったことがオープンな展開になった原因だと思います。あのシーンは(大迫)敬介が相手と競り合ってこぼれたボールに最後は詰められてしまいました。その失点によりゲームがすごくオープンになりました」
──1-1の状況のなかで選手交代をいくつかしました。負傷した荒木隼人選手のところは仕方ありませんが、他の2枚(ピエロス・ソティリウと満田誠選手の投入)の意図を教えてください。
「オフェンスの部分でフレッシュな選手を入れて刺激を与えようと思いました。ただ、途中交代した(中島)洋太朗に関しても、彼のパフォーマンスには非常に満足していますし、良いプレーだったと思います」
──痛い敗戦となりましたが、次のACL2に向けてどう向かって行きますか?
「まずはリーグ戦どうこうよりも次のACL2・シドニーFC戦に向けて戦いたいと思います。彼らのほうが得失点差で上の順位にいるので、ここをしっかり逆転したいと思います」
──先制点を決めた中野就斗選手のパフォーマンスについて。
「中野については、大学から加入してここ2年で非常に成長して、自分たちの欠かせない選手になっています。攻める時も守る時もどちらの長所を持っている選手です。まだまだ若いので全面的に伸びていくと思っています」
──今節は上位の5チームが勝てませんでした。まだ首位に立っていますが、差を広げるチャンスを逃したともいえます。今後、優勝に向けて何が必要になりますか?
「そもそもJリーグの20チームの力が均衡していることの証明だった今節と言えると思います。上にいても下のクラブに負ける。下のクラブもうまくいっていないなかでもポイントを取っていく。それが如実に出た今節だったと思います。今後も1試合、1試合、集中して戦う必要があります」
──前半は広島が攻める一方的な内容でしたが、後半はガラリと変わりました。その要因をどう見ていますか?
「湘南が後半の早い時間に1点を取ったことがオープンな展開になった原因だと思います。あのシーンは(大迫)敬介が相手と競り合ってこぼれたボールに最後は詰められてしまいました。その失点によりゲームがすごくオープンになりました」
──1-1の状況のなかで選手交代をいくつかしました。負傷した荒木隼人選手のところは仕方ありませんが、他の2枚(ピエロス・ソティリウと満田誠選手の投入)の意図を教えてください。
「オフェンスの部分でフレッシュな選手を入れて刺激を与えようと思いました。ただ、途中交代した(中島)洋太朗に関しても、彼のパフォーマンスには非常に満足していますし、良いプレーだったと思います」
──痛い敗戦となりましたが、次のACL2に向けてどう向かって行きますか?
「まずはリーグ戦どうこうよりも次のACL2・シドニーFC戦に向けて戦いたいと思います。彼らのほうが得失点差で上の順位にいるので、ここをしっかり逆転したいと思います」
──先制点を決めた中野就斗選手のパフォーマンスについて。
「中野については、大学から加入してここ2年で非常に成長して、自分たちの欠かせない選手になっています。攻める時も守る時もどちらの長所を持っている選手です。まだまだ若いので全面的に伸びていくと思っています」
──今節は上位の5チームが勝てませんでした。まだ首位に立っていますが、差を広げるチャンスを逃したともいえます。今後、優勝に向けて何が必要になりますか?
「そもそもJリーグの20チームの力が均衡していることの証明だった今節と言えると思います。上にいても下のクラブに負ける。下のクラブもうまくいっていないなかでもポイントを取っていく。それが如実に出た今節だったと思います。今後も1試合、1試合、集中して戦う必要があります」