10.23 19:00

AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25 グループステージ MD3 vs. シドニーFC
HOME広島サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島)

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
シドニーFC シドニーFC
1
前半
0
1
後半
1
  • 後半45分
    アドリアンセゲチッチ

試合の見どころ

 グループステージ(GS)突破への大一番となる。フィリピンのカヤFCに続き、香港の東方を倒してACL2で2連勝を達成した広島が迎える第3戦の相手は、同じく2連勝中のシドニーFC。得失点差で首位に立つシドニーFCは、もともとGS最大の“ライバル”と目されていたとおり、ホームで東方を5-0で倒すと、続くアウェイ・カヤFC戦でも4-1と大勝するなど、やはり実力は他の2チームを大きく上回っている。上位2クラブがノックアウトステージへ進出できる中、勝利したほうがGS突破へ大きく前進できる一戦。ホームで戦う広島は、これまでどおり一戦必勝態勢で臨む。
 相手はオーストラリア屈指の能力を備えるチームだ。GSの2試合で9得点と高い得点力が示すとおり、攻撃力が売りのシドニーFCの中心となっているのは、やはりブラジル人アタッカーのドウグラス・コスタ。2018年W杯ロシア大会のブラジル代表でもある彼が過去に活躍していたクラブは、ドイツのバイエルン・ミュンヘンやイタリアのユヴェントスなど、世界有数のビッグクラブである。世界に名を馳せる左利きのサイドアタッカーは今年8月にシドニーFCに加入。現在は34歳とベテランの域に入ってきたとはいえ、高い技術をベースとしたドリブルやパス、キックは高いレベルを維持している。東方戦、カヤFC戦ともに引いた相手を崩すのにチームとして手間取る中、局面を打開して得点の起点になっていたのはやはりD.コスタの左足。相手DFが密集する局面でも、高精度のスルーパスで得点をお膳立てすれば、鋭い左足クロスでアシストも披露した。バイタルエリアで縦横無尽に動く背番号11は、シドニーFCの一番の警戒プレーヤーだ。
 その他にも前線には、ポーランド人ストライカーのパトリク・クリマラやイングランド人アタッカーで10番を背負うジョセフ・ロリー、ドイツ人のテクニシャン、アナス・ウアヒムなど、タレントが多士済々。最終ラインから細かくパスを繋いでくるチームであり、バイタルエリアでは個人技やコンビネーションを駆使して得点を奪いにくる高い攻撃力をいかに封じるかが広島の一つのポイントとなる。
 その上で、サンフレッチェは武器であるハイプレスで主導権を奪えるか。相手が細かくパスを繋いでくるチームということは、広島のプレッシングが機能するかどうかが勝負の大きなカギだ。ハマればシドニーFCの攻撃力を大きく削ぐことができるのは間違いなし。強豪相手にサンフレッチェ自慢の攻撃サッカーで挑み、勝利をもぎ取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

■ミヒャエル・スキッべ監督
「明日の試合をすごく楽しみにしています。アジアの中でもトップレベルの相手と試合ができます。昨年の彼らはオーストラリアリーグで素晴らしい成績を残していますし、今シーズンも優勝候補の一つです。オフェンスではドウグラス・コスタは説明するまでもなく、ブンデスリーガやヨーロッパで大活躍をした選手ですし、ポーランドのFWであるパトリク・クリマラは年代別の大会では非常に良い成績を収めていました。また、アナス・ウアヒムというケルン育ちの選手もいます。彼も素晴らしいキャリアを積んでオーストラリアに来ました。まだ若い選手ですが、彼らの攻撃力には注意が必要です。これまでACL2の戦いや先週のオーストラリアリーグの結果を見ても彼らの強さを証明していると思います。我々は明日、インターナショナルなレベルでも戦えることを見せていきたいですし、シドニーFCという強い相手にも通用することを見せていきたいです」

──相手には優れた攻撃陣が揃っていますが、彼らを抑えるために最良の策は何でしょうか?
「相手を抑えるというよりも、自分たちの強みとしているサッカーをやること。自分たちらしさを見せていきたいと思います」

──ホームでシドニーFCと戦った後にアウェイゲームもあります。戦略的にはどうでしょうか?
「第1戦の勝利はどちらのチームも欲しいところだと思います。ただ、4チームのグループステージの中では、2試合合計でというのはそれほど重要ではないと考えています。シドニーFCとサンフレッチェ広島が今のところ通過する候補なのは間違いないですし、どちらも1位で通過したい思いは強いと思いますので、第1戦は非常に重要になると思っています」

──リーグ戦で優勝争いをしている中、ACL2での戦いについて。
「まずACL2という面白い大会に参加できていることに感謝しています。相手も同じように上を目指し、勝ちたいと思っているチームです。そういう相手にしっかりとリスペクトをするべきだと思っていますし、今は明日の試合にのみ集中したい。明日の結果以降、その先のことは話せると思います。シドニーFCという良いチームと戦えることを楽しみにしていますし、この大会に関してもサンフレッチェにとって大きなチャレンジだと思っています。どちらもしっかり戦って行きたいと思います」

■中野 就斗
「勝点は同じで相手は得失点差で首位に立っています。難しい試合になると思いますが、サンフレッチェらしいサッカーを90分間通して、ホームで勝利を収められるように戦って行きたいと思います」

──直近のリーグ戦では素晴らしい得点を決めましたし、最近は攻撃の良さが出ています。明日もサイドの攻防は重要になってくると思いますが、攻撃も守備もどのようにやっていきたいですか?
「攻守においてアグレッシブにハードワークするのが自分の特長だと思っています。世界で活躍した選手が多くいますが、そこで自分がどのくらい通用するのかとても楽しみにしています。攻守においていつも以上にハードワークしてやっていければ良いなと思います」

──シドニーFCはオーストラリアらしくフィジカルが強いチームだと思います。意識することはありますか?
「フィジカルでは劣る部分もあるかもしれませんが、球際やハードワークする部分で90分を通して相手を上回れるように良い準備をし、チームとして勝てればと思っています」

ゲームレポート

 サンフレッチェがアジアで力を示す一戦となった。
 開始早々の8分にCB荒木隼人が負傷交代するアクシデントに見舞われた広島だったが、逆境を跳ね返したのは20分だった。サンフレッチェらしいピッチを広く使った攻撃から右サイドの新井直人へパスが渡ると、ファーサイドのクロスに待っていたのは東俊希。ダイレクトで合わせた左足ボレーシュートがゴールネットに突き刺さり、広島が先制に成功した。
 その後は元ブラジル代表のドウグラス・コスタを筆頭としたシドニーFCの強力攻撃陣に押し込まれる時間も多かったが、広島守備陣もゴール前では粘り強く対応。高い個人技に加え細かなパスワークを駆使する相手の攻撃力はやはり高く、ピンチもあったが、紫軍団の体を張った守備と組織力で守り抜いた。そしてボールを奪えばスピーディなカウンターでチャンスを作り出し、ゴンサロ・パシエンシアや加藤陸次樹が果敢にゴールを狙うなど、試合は“首位攻防戦”らしい一進一退の白熱した展開となった。
 1-0で前半を終えたハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督は選手によりパワーを求めた。
「すごく良い試合ができている。後半はもっと出して勝点3を取るぞ!」
 その声に選手たちはいきなり応えた。後半開始から相手に圧力をかけて攻撃を繰り出すと、貴重な追加点が生まれたのは55分だった。トルガイ・アルスランが高い位置で相手DFからボールを奪うと、後半開始から投入されていたピエロス・ソティリウにラストパス。これを背番号20が落ち着いて決めて2-0とし、勝利を大きく手繰り寄せた。
 それからも互いに攻撃の良さを出す白熱した戦いが続く中、90分にシドニーFCに1点を返されたが、そのまま広島が逃げ切って2-1で勝利。「アジアの中でもトップレベルの相手」とスキッベ監督も警戒していたオーストラリアの強豪を粘り強く倒し、グループステージ3連勝を飾った。

監督 試合後コメント

「素晴らしい2チームが対戦した素晴らしい試合だったと思います。両チームともパワフルでインテンシティーの高い試合でした。それと同時にサッカーの能力も優れたチームでした。90分間、両チームともクリエイティブにチャンスを作ろうとしましたし、両チームとも多くのチャンスを作った中、我々のほうが2~3つ多かったのではないかと思います。今日の試合に勝てたことを嬉しく思います。ここから厳しいJリーグの試合とACL2の試合まで少し時間があるので、しっかり準備をして次の試合に向かいたいと思います。
 ACL2の3試合を戦ってみて、どのチームにとっても興味深い、素晴らしい大会だと思っています。2週間後にアウェイの地でまたシドニーFCと会えることを楽しみにしています」

──パワフルでインテンシティーの高い試合でした。相手のフィジカルに苦しんだ印象ですが、そこを乗り切れた要因は何でしょうか?
「自分たちのサッカーを90分間やり続けたこと。そこだけだと思います。オーストラリアのチームはフィジカルが強い特長があり、そこから良いパフォーマンスを見せます。今日の相手に関して言えば、本当に良いサッカーをしてきたと思います。両チームともすごく良いチームだったと思っています」

──今日は1点目も2点目もトレーニングしてきたことが繋がったと思います。チームとしてやりたいことをやれたゴールだったと思いますが、いかがでしょうか?
「そのとおりですね。自分たちが普段からやっているトレーニング、自分たちが目指したとおりの得点だったと思っていますし、今日の試合でそういうシーンが出たことを嬉しく思っています」

──後半途中にトルガイ・アルスラン選手を下げて、中島洋太朗選手を入れました。彼にどういう指示を出して送り出したのでしょうか?
「『いつもどおりやれ』ということです。インテンシティーの高い試合の中で、自分のインテリジェンスの高いプレーを期待していました」

フォト

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