11.3 13:00

明治安田J1 第35節 vs. 京都サンガF.C.
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
0
1
京都サンガF.C. 京都
0
前半
0
0
後半
1
  • 後半17分
    平戸太貴

試合の見どころ

 まさに目の前の戦いに集中するのみだ。長丁場のリーグ戦も残すところ4試合。今節は先に試合を行った神戸が磐田に勝利したことで首位・広島は暫定2位に下がったが、周りの情報など関係なく、とにかく目の前の相手に勝ち続けることで頂は見えてくる。優勝争いについて問われたミヒャエル・スキッベ監督も「京都に勝つことだけに集中したい」とキッパリ。残り4試合も“一戦必勝”で臨むことが重要だ。
 ただし、前節同様、今節も難しい戦いになるのは必至である。今回の相手は湘南と同じく残留争いを繰り広げている15位・京都。「後半戦に入って湘南と京都は驚いたぐらい良いサッカーをしている」とミヒャエル・スキッベ監督も警戒していたチームだ。続けて「補強がうまくいっている」と指揮官は京都の現状を話していたように、今夏に加入したブラジル人助っ人の効果はかなり大きい。その選手の名はラファエル・エリアス。京都の1トップを務める男は安定したポストプレーに加え高い得点能力を誇る182cmのストライカーだ。7月14日のJ1第23節・浦和戦でJデビューを果たすと、11試合の出場で10得点。ほぼ1試合に1得点のペースでゴールを重ねる彼が加入してからの京都は、その11試合で6勝2分3敗と成績も上昇。まさに“救世主”と呼ぶにふさわしい活躍を見せ続けている。
 他にも京都には、そのラファエルと抜群の連係を見せるマルコ・トゥーリオや豊川雄太、原大智など、攻撃陣には多彩な顔触れが揃い、チームとしても戦い、走る、アグレッシブなスタイルは健在だ。J1残留に向けてチームとしての士気も高く、まさに湘南戦同様のハードなゲームが予想される。
 広島としては、前節の教訓を生かしたいところだ。湘南戦では前半にほぼパーフェクトな内容を披露して1-0でリードしながら、後半開始直後の失点を機に展開がガラリと変わり、終了間際の逆転負けに繋がった。やはり主導権を握っていた前半に1点だけでなく2点、3点と得点を重ねていれば後半も広島ペースで進んでいただろう。仕留められる時にいかに確実にゴールを奪っていくか。今の広島の力なら、どこが相手だろうと試合の主導権を掌握する時間帯は必ずある。流れのなかだろうとセットプレーだろうと、攻略法はどれでもいい。チーム全員で勝利のゴールを奪いたいところだ。

監督 試合前日コメント

──京都は夏に選手を補強してから力強さが増した印象です。
「以前から対戦した時には苦しめられた相手ですし、力のあるチームでした。そこからさらに新しいブラジル人が入ってきて、強いチームになったと思っています。明日はすごく良い試合になると思います」

──京都の警戒するところは?
「セットプレーやカウンターには気を付けないといけないと思っていますし、シュートを打たせないようにしないといけません。ただ、相手の攻撃を恐れるというよりも自分たちのDFも良い選手が揃っています」

──金曜日に2位だった神戸が勝利しました。「目の前の試合に集中する」と監督は常々話していますが、その難しさは感じていますか?
「そんなことはありません。やることは何があろうと変わりません。自分たちが100%の力を出し切るために、どういう準備をするか。京都戦に向けて集中して臨めるかどうかに懸かっています」

──優勝をファン・サポーターも楽しみにしています。残り4試合、どういう心境でしょうか?
「もちろん、残留争いをするぐらいなら優勝争いをしたいです(笑)。毎試合、毎試合、楽しみにしています。ファン・サポーターに関しても、いつも本当にサポートをしていただいています。みんなが楽しみにしてもらえているのは、すごく嬉しいです。それには魅力的なサッカーをして、応えていかないといけないと思っています。また、ホームだけでなくアウェイでもすごく良いサポートをしてもらっていますので、感謝している部分と満足している部分があります」

ゲームレポート

「すごく良い試合になると思う」。アグレッシブなスタイルを持つ両チームの一戦は、ミヒャエル・スキッベ監督が戦前に話していたとおりの激しい打ち合いとなった。
 前半からお互いのGKが際立つほど、攻撃的にぶつかりあった。広島は6分のゴンサロ・パシエンシアのシュートを皮切りに京都ゴールへ攻め立てると、15分に攻撃参加していたDF中野就斗が決定機を迎えれば、30分にはゴンサロもゴール前でチャンスを作り出す。だが、どちらのシュートも相手GKの好守にあってゴールを奪えずにいると、広島も守護神が圧巻のパフォーマンスを見せた。ラファエル・エリアス、マルコ・トゥーリオを生かした京都の攻撃を受ける時間が次第に増えていくと、32分にアーリークロスから原大智にフリーでヘディングシュートを打たれるも、GK大迫敬介がビッグセーブ。さらに立て続けに京都の攻撃を受けると、33分には再びゴール前でフリーとなっていた原に決定的な場面を作られるも、大迫が冷静に対応してゴールを割らせなかった。
 そのまま0-0で迎えたハーフタイム、一進一退の攻防を繰り広げる選手たちに向けてスキッベ監督はもう一段、ギアチェンジを求めた。
「もう一度、最初から行くぞ! 勇敢にサッカーをやろう!」
 指揮官の指示どおり、広島は後半開始から攻撃姿勢を強めて京都ゴールへ迫ったが、チャンスを先にモノにされてしまったのは62分だった。左サイド深くまで京都に攻め込まれると、中央へのクロスから平戸太貴に豪快なシュートを決められてリードを許す展開となってしまった。
 そうなると、スキッベ監督はすぐに動いた。64分、東俊希、川辺駿、ゴンサロ・パシエンシアを下げて、塩谷司、満田誠、ピエロス・ソティリウを同時投入。選手交代でゲームを動かしにかかった。
 そこからも攻撃の圧力を強めて攻め続けた広島。新井直人のカットインシュートやピエロスのヘディング、満田の飛び出しなどからチャンスを作れば、さらにスキッベ監督は77分にドウグラス・ヴィエイラ、マルコス・ジュニオールのブラジル人コンビを投入してより攻撃的に出た。何度も京都ゴール前へ進出して1点を目指した広島だったが、最後まで追い付くことができず。2連敗を喫して2位に後退した。

監督 試合後コメント

「相手はカウンターの鋭いチームで、オープンな展開となった良い試合だったと思います。前半も後半もチャンスはたくさんありましたが、点を取ることはできませんでした。ただ、しっかり自分たちでゲームを作れていたと思います。京都には素晴らしいカウンターから素晴らしいゴールを決められてしまい、こちらは結果を覆すゴールを決めることができませんでした。今日もJリーグの(各クラブの)レベルが均衡していることを証明したような試合になったと思います。京都は今日本当に素晴らしかったですし、おめでとうと言いたいと思います。(前節で少し落ち着いたが)残留を争う苦しいシーズンを過ごした中、素晴らしい勝利だったと思います」

──多くのチャンスを作ったがゴールを決めきれなかった。 攻撃の何がうまくいかなかったか。
「今日のチャンス自体が他の試合ほど確実なチャンスではなかったからだと思います。それから、相手のゴールキーパーに複数回素晴らしいセーブがあったことも要因です。あとはポストに当たってしまったとか、そういうアンラッキーなところもあったと思います」

──試合が終わった後選手にはどのような言葉を送ったか。
「これからまだ試合があるので、チームとして一緒にいようというような声をかけました」

──残り3試合についてどのような気持ちで臨むか。
「まずは今日の負けをチームとして受け入れる必要があると思います。次のシドニー戦に向けて、落ち着いてしっかり取り組むこと。一つ一つやっていくことが大事だと思っています」

フォト

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