2.26 19:00

明治安田J1 第3節 vs. 清水エスパルス
AWAYIAIスタジアム日本平

試合終了

清水エスパルス 清水
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半12分
    オウンゴール
1
前半
0
0
後半
1

試合の見どころ

 紫軍団の勢いが止まらない。J1ホーム開幕となった23日(日)の前節・横浜FM戦では、手堅い試合運びを見せて1-0で勝利。ACL2と並行して戦っている現在は中3日や中2日の試合が続く連戦の真っ最中だが、公式戦5連勝と力を見せ付けている。次は中2日で敵地の戦い。険しい“大型連戦”は続くが、チーム一つになって乗り越えていきたいところだ。
 今節は好スタートを切ったチーム同士の激突となる。相手は広島と同じくリーグ2連勝中の清水。今季は3年ぶりとなるJ1復帰を果たしたチームだが、2年間もJ2にいたのが不思議なほど戦力はもともと“J1級”だ。攻撃陣では日本代表歴のある絶対的エースの北川航也が1トップに君臨。その下にいる中盤には、J1屈指のテクニシャンである元日本代表MF乾貴士や推進力のあるサイドアタッカーのカピシャーバ、切れ味鋭いカットインが持ち味の中原輝などタレントが揃う。ボランチではブラジルからマテウス・ブエノを補強。攻撃センスがあるだけでなく、球際の強さもある背番号98は、早くも攻守で大きな存在感を見せており、今の清水の軸である。一方の守備陣には、広島でもお馴染みの住吉ジェラニレショーンや安定した守備に加え、攻撃力も高いSB高木践など、敵としては厄介な選手がいる。これらのタレントを熱血漢・秋葉忠宏監督がしっかりと束ねており、ボールを奪われた際の切り替えの速さやコンパクトな守りはなかなか手強い。現在の2連勝も納得のチームである。
 では、その清水を広島はどう攻略していくか。今節に向けて清水は中3日とコンディション面で相手がやや優位だが、ハードワークは一つのポイントだ。アタッキングサードでは細かなコンビネーションプレーを駆使し、ボールを奪われたらすぐに襲い掛かってくる清水の組織力はやはり高く、そこを上回るためには広島もアグレッシブな機動力は欠かせない。武器であるハイプレスで清水の自由を奪い、攻守の切り替えや中盤のバトルで負けず、いつもどおりの“攻撃的守備”で主導権を握れるか。清水のまとまった組織を打ち破り、勝利を掴みたいところだ。

監督 試合前日コメント

──清水の印象は?
「ここ2試合勝っていますし、すごく良い印象があります。昇格するべくして昇格してきたチームで、J1でもやっていけるだけの力があると思っています」

──現在のチームの手応えはいかがですか?
「自分たちのサッカーをやることに関しては基本的にはできています。前節・横浜FM戦は、大きなチャンスをお互いに多く作れたわけではないので、どちらにとっても面白い試合ではなかったかもしれません。ただ、そういう試合でもしっかりとやり通すというところ、戦い抜くという部分は大事です。ただ、その前の3試合のほうが多くチャンスを作れていたとは思います」

──清水の警戒する部分は?
「どの相手でも注意しないといけない部分はあります。もちろん乾(貴士)も良い選手だし、北川(航也)も良いストライカーです。セットプレーも強いです。ただ、それはどのクラブにも、どの相手にも言えることです。同時に相手も自分たちを同じように警戒しないといけません。いつもそういう状況です」

ゲームレポート

 敵地・清水に乗り込んだ開幕2連勝同士の一戦。前半の広島は苦戦した。コンパクトな守備ブロックを形成する相手の前になかなか効果的な攻撃を繰り出せず、ボールを奪われればスピーディーなカウンターを受ける展開に。すると12分、早くもリードを許してしまった。清水の波状攻撃から最後は左サイドを攻略されると、中央へのクロスが荒木隼人に足に当たってゴールに吸い込まれ、オウンゴールで失点。立ち上がりの清水の勢いにやられてしまった。
 その後も攻撃のリズムが出ない広島は、清水の堅い守備組織を攻略できず。時間の経過とともに敵陣でボールを握る時間は増えたが、決定的なチャンスを作るまでには至らず、0-1で前半を終えた。
 難しい試合展開にミヒャエル・スキッベ監督は後半開始から動いた。右サイド・新井直人を下げ、この日は先発を外れていたDF塩谷司を投入。右CBを務めていた中野就斗を一列上げる最近の基本システムへと戻し、得点を狙いに行った。
「後ろからしっかりボールを繋いで行こう」
ハーフタイムの指揮官の指示どおり、後半は前半以上に広島がボールを保持しながら試合を進めた。最終ラインから細かくパスを回し、敵を揺さぶりながら堅い守備組織の穴を探す。61分には、トルガイ・アルスランと東俊希を下げ、中村草太と菅大輝を同時投入する変化も加えてゲームを動かしにかかったスキッベ監督。すると、ついに紫軍団がこじ開けて見せた。65分、左サイドのCKのこぼれ球を塩谷司がペナルティーエリアの外からボレーシュートを突き刺して同点。ようやく試合を振り出しに戻した。
 これで勢いに乗った広島は、相手を押し込み続ける、いつもの攻撃的なサッカーを展開。前半は鳴りを潜めていたスピーディーな攻撃も織り交ぜながら決勝点を目指したなか、紫軍団が相手ゴールへ迫る回数を多くしてゲームを進めたが、この日は2点目まで届かず。2連勝対決は1-1の痛み分けに終わった。

監督 試合後コメント

まず、両チームともに本当に素晴らしい試合だったと思います。J1に昇格したチームとこの素晴らしい雰囲気のスタジアムで試合ができたことが非常に嬉しいです。
今日は風の影響もあり、両チームともにやりたいサッカーができなかったと感じています。
そのなか、後半のパフォーマンスについて非常に満足しています。
残りの5分間で相手のカウンター攻撃を受ける場面もありましたが、それ以外では自分たちが試合をコントロール出来ていたと思っています。
今日の1-1という結果に関しては、両チームが満足できる結果で、お互い負けていないと感じていると思っています。

──後半ギアが上がった。その要因は?
後半から出場した塩谷選手が素晴らしいゴールを決めてくれました。後半自分たちのペースに変わったのは、風向きが追い風から向かい風になったことが要因だと思います。裏に出すボールが前半流れてしまいましたが、後半向かい風になってボールが戻り、残るようになりました。ボールをパスでつないでいくうえでも向かい風の方がやりやすかったと思います。

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は清水での平日ナイトゲームとなりましたが、約700名もの方にお越しいただきました。皆さまの力強い後押しが後半の同点ゴールに繋がりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

試合情報をシェア!

x