5.7 19:00

明治安田J1 第15節 vs. 湘南ベルマーレ
AWAYレモンガススタジアム平塚

試合終了

湘南ベルマーレ 湘南
0
1
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
0

試合の見どころ

 紫軍団がようやく息を吹き返した。ミヒャエル・スキッベ監督が就任してから初めての4連敗と苦しい状況で迎えた前節・福岡戦は、加藤陸次樹の待望の今季初ゴールなどが飛び出し、2-1の勝利。前半から多くのチャンスを作り出すなど内容も良く、浮上への一つのキッカケになる一戦となった。現在の順位はまだまだ挽回可能な8位。ここから勢いに乗って上昇していくことはできるか。「4連敗で落とした勝点を取り戻していきたい」(川辺駿)。広島はここから反撃していく。
 もちろん今節の相手も簡単なチームではない。敵地での湘南戦と言えば、昨年の記憶が鮮烈に残っている。首位で迎えた10月19日の第34節、前半は相手を圧倒して1-0でリードした広島だったが、後半に入ると息を吹き返した湘南の反撃にあい、1-2とまさかの逆転負け。その一戦を境にリーグ3連敗を喫した広島は、J1制覇を逃すことになった。その試合で勝ち越し点を決めた田中聡が今季からサンフレッチェに加入しているが、その他の湘南の主力はほぼ残留。2021年途中から指揮を執る山口智監督の戦いも熟成し、今季も手強いチームとなっている。
 湘南の警戒ポイントは、やはり“カウンター”だ。全員が惜しみなくハードワークし、球際で激しく戦ってきた上での速攻は威力満点である。昨季ブレイクしたエースでキャプテンの鈴木章斗や推進力のあるアタッカー・福田翔生らを起点にしたコンビネーションは鋭く、そこに絡んでくる両ワイドの畑大雅、藤井智也のスピードも脅威。また、前節はG大阪に前半だけで4得点を奪われたことで、今節は守備に神経を割いてくることが予想される。そうなると、堅い守りからのカウンターがより威力を増してくるだけに、気を抜くことはできない。
 広島の勝利へのカギは、同じくカウンターになるかもしれない。G大阪は前節の湘南に対して4得点中3点がカウンターだった。湘南には速攻を許さず、G大阪が攻撃の時には鋭く刺す。広島としても前線からのプレスを基調としたショートカウンターを効果的に繰り出すことができるか。前節・福岡戦で復活の兆しが見えた広島の武器を湘南相手に炸裂させれば、勝利は大きく近付くはずだ。

監督 試合前日コメント

──連戦となりますが、選手の状態はいかがでしょうか?
「良い状況にあると思います。やはり、前節に連敗から脱出できたことは大きかったです」

──前節・福岡戦はみんなで掴んだ勝利だと思います。湘南戦はどう向かって行きたいですか?
「少なくとも1ポイントは持って帰りたいと思っています。湘南戦は非常に楽しみにしているところはありますし、自分たちは十分にやれるだけの力はあると思っています」

──湘南はなかなか波に乗り切れていない印象ですか?
「我々と似たような感じでスタートは良かったと思います。首位に立つほど良い形できていました。湘南はいつも主力が移籍するなど、毎年、毎年、違うメンバーで戦わないといけない状況があるなかで、非常に良い形でサッカーをしているのは素晴らしいと思っています」

ゲームレポート

 堅守が際立つ一戦となった。
 リーグ2連勝を狙う広島は、いきなり試合を動かした。開始6分、前節に続いて中村草太の仕掛けからPKを獲得すると、こちらも前節と同じくキッカーを務めたジャーメイン良が冷静に左足で決めて先制。早くもリードを奪うことに成功した。
 だが、そこから試合のペースは湘南に握られてしまった。相手に押し込まれる時間が長くなり、広島はボールを奪ってもパスミスが多くカウンターを仕掛けられない。反対に自陣では湘南のコンビネーションプレーからあわやのシーンを何度か作られるなど、何とか耐え凌いで前半をリードして終えた。
「自分たちのベストな試合からは程遠い。もう少し丁寧に早くボールを動かすこと。自分たちのサッカーをすれば勝てるぞ!」
 ハーフタイム、前半の悪い流れを指摘したミヒャエル・スキッベ監督。後半は選手にさらなる奮起を求めたものの、この日はなかなか試合のペースを取り戻せない。前半同様、湘南に攻め込まれる機会が多く、守る展開に終始。何度かカウンターから湘南ゴール前へ進出しても最後の精度を欠いてチャンスを作るまでには至らず、我慢のゲームとなった。
 その分、この日は守備で奮闘した。サイド攻撃や細かなパスワークを駆使して攻めてきた湘南の攻撃に対し、最後の局面では粘り強く対応。後半に打たれた5本のシュートも決定的なピンチはほとんどなく、そのまま守り切って1-0の勝利。昨季は悔しい逆転負けを喫した地で広島がリベンジを果たした。

監督 試合後コメント

これまで対戦したなかで、もっと良い試合を見せることができたと思っています。今日の試合は、高い位置からのプレッシャーに対し、1対1の局面が多く、お互いに大きな決定機を作れない拮抗した内容でした。
自分たちのコンパクトな守備が、最初のPKの1点を守り抜くことができ今日の勝因になったと思っています。本当は昨年(対戦したとき)の方が良いサッカーをしていたので、本来なら昨年も勝ちたかった。あの試合では(現在広島に所属している)田中聡選手にゴールを決められ敗北し、それで優勝を逃してしまったという過去がありましたから。

──今日の試合で復帰した新井選手のプレーと試合内容について。
(新井選手の復帰については)プレー時間が短かったですが、復帰してくれたことを嬉しく思います。試合に内容については、4試合連続で内容も良くない連敗が続いていたので、今日の勝利での連勝は非常に大きいです。ずるずると順位を落とすことなく上位に復帰できたことはポジティブに捉えています。

──昨年の(対戦時と)比較して、今年の方が良くなった点、勝利の要因が守備にあったという点についてより具体的に。
今日の試合に関しては、コンタクトプレーも多く、お互いに高い位置から積極的に攻撃を仕掛けようとしたため、オープンな試合展開になってもおかしくありませんでした。私たちも良い時間帯、特に後半に何度かチャンスを作りましたが、ペナルティエリア付近までは行けるものの、最後のところで精度を欠く場面が多くありました。そういった点は、今年うまくいっていない部分だと思います。今日の試合で戦い抜けたことに関しては満足していますが、次のガンバ大阪戦に向けては、今日の戦いの内容だけでは勝てないと思うので、しっかり改善していきたいと考えています。

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は平塚での平日ナイトゲームとなりましたが、約1,200名もの方にお越しいただきました。皆様の熱い後押しが勝利に繋がりました。最後まで力強い声援、ありがとうございました。

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