5.17 14:00

明治安田J1 第17節 vs. 東京ヴェルディ
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
東京ヴェルディ 東京V
0
前半
0
2
後半
1
  • 後半32分
    木村勇大

試合の見どころ

 広島が強さを取り戻してきた。4月はリーグ戦4連敗と苦しい時期を過ごしたが、5月に入って3連勝を記録。3試合ともすべて1点差の勝利と決して簡単なゲームはなかったが、うまくいかない内容でも勝ち切ることができているのは収穫だ。ミヒャエル・スキッベ監督も「昨季の勝てなかった時期より失点は減っているし、守備はうまくいっている」と“堅守”に自信を持つ。失点数11は柏に次いでリーグで2番目に少ない数字である。あとは、今季の課題となっている得点力をいかに高めていくか。さらなる飛躍のカギは攻撃力となる。
 その意味では、今節も広島の力が問われる戦いだ。東京Vを率いるのは広島にもなじみ深い熱き知将・城福浩監督。東京Vを16年ぶりにJ1昇格へ導いて臨んだ昨季は、J2降格候補の声も多かったなかで下馬評をひっくり返し、圧巻の6位でフィニッシュ。期限付き移籍加入の選手など限りある戦力でJ1昇格を果たした手腕もすごいが、昨季のJ1復帰1年目で上位へと躍進させたのも見事としか言いようがない。今季はストライカーの染野唯月や木村勇大、快足アタッカーの山見大登など昨季の主力を期限付きから完全移籍に切り替えることができているが、相変わらず一人で勝負を決定付けるような強烈な外国籍選手がいるわけではない。緻密なチーム作りに定評のある城福監督は、個の強さを持つJ1クラブに対し、隙のない高い組織力を作り上げて十分に渡り合っている。今季ここまで5勝5分6敗の13位。現在は中位に甘んじているが、「昨季に続いて今季も良いチームに仕上がっている」とミヒャエル・スキッベ監督も東京Vの堅い組織を警戒している。
 勝負のポイントは、その隙のない東京Vの組織をどう崩していくかだ。対戦相手の分析にも秀でる城福監督は、広島をじっくりと研究し、対策を徹底してくるのは間違いない。そこでサンフレッチェは焦れることなくゲームを運べるか。うまく攻撃ができない時間帯でも我慢強く、根気強く無失点で試合を進め、“一発”を狙いたいところ。最少得点でも勝ち切る強さは広島のほうに分がある。勝負強さを発揮して、4連勝を狙いたい。

監督 試合前日コメント

──連戦が終わり、1週間の準備期間がありました。選手の状態はいかがでしょうか?
「良い準備ができたと思っています。何よりもケガ人が徐々に戻ってきていますので、良い形になってきています」

──今節は広島でも指揮を執っていた城福浩監督との対戦です。
「本当に良い仕事をしていると思っています。広島でも素晴らしい成績を収めましたし、東京VでもJ1に昇格し、昨季は残留させています。J1でもしっかりと力を発揮しています。ディフェンスはコンパクトに守り、オフェンスも脅威です。また、セットプレーもあります。本当に良いチームを作り上げています」

──明日はミラーゲームとなりそうです。ゴールをこじ開けるために、どういったことが必要になりますか?
「相手のディフェンスは堅いので、簡単に早くボールを動かすことが重要になると思います。お互いに失点が少なく、お互いに得点も少ないので、明日はそういうサッカーになるのではないかと思っています」

ゲームレポート

紫軍団の諦めないメンタルが勝利を呼び込んだ。
 前半から広島の内容は良かった。立ち上がりから20分ぐらいまでは東京Vにボールを保持される時間が続いたが、決定機を作らせることなく試合を進めると、次第に広島ペースに。ポゼッション率を高めながら相手を押し込んでサッカーを展開すると、左サイド・新井直人が多くの起点となった他、FKやCKを何本も獲得して東京Vゴールへ迫った。21分、CKの流れから新井のキックを荒木隼人がヘッドで狙えば、加藤陸次樹もゴール前へ進出してチャンスを迎える。37分には、右サイド・中野就斗も果敢にペナルティーエリア内に入って惜しいシュートを放つなど、サンフレッチェのペースで前半を終えた。
「全体的に良いサッカーができている。このまま続けて行こう。勝ち切るぞ!」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督からそう指示を受けて臨んだ後半も主導権を握っていたのは広島だった。前半同様にサイドを生かしながら攻撃を繰り出すと、60分に新井のアーリークロスから中野が柔らかなヘッドでクロスバー直撃のシュートを放てば、67分にはジャーメイン良が相手DFの背後を取って決定機を迎えた。相次ぐ好機を生かせず77分にはPKを献上して木村勇大に決められてしまったが、広島の攻撃姿勢は終盤に実った。同点を目指して攻め込んでいた87分、菅大輝の左CKから荒木が頭で折り返すと、ケガからの復帰ゲームとなったヴァレール・ジェルマンがボレーシュートを決めて同点。さらに猛攻を見せた広島のドラマは89分に待っていた。右からの菅のFK、相手DFのこぼれ球を川辺駿が右足で豪快に突き刺し、ついに逆転に成功した。結果的に終盤の2分間で東京Vを突き離した広島が2-1で勝利。劇的なゲームで4連勝を達成した。

監督 試合後コメント

「我々が見せたパフォーマンスには満足しています。開始20分後ぐらいからゲームを支配したと思います。失点場面は何もないところから(PKを)取られてしまいました。ただ、その後に自分たちが見せた盛り返す力、良いCKでしたし、FKもすべて良かったです。最終的には勝利に値する試合だったと思います。一時は4連敗と谷に落ちた時期がありましたが、その後に4連勝と登ってくることができました。来週の半ばはカップ戦は入っていないので、ゆっくりと週末のFC東京に向けて準備したいと思います。そして今日と同じように東京でも素晴らしいサッカーをしたいと思っています」

──勝利に値するゲームだったと思います。ヴァレール・ジェルマン選手と川辺駿選手のゴールは素晴らしかったですが、彼ら二人のパフォーマンスについて。
「点を取ったところは素晴らしかったです。また次も取ってほしいと思っています。まず、ヴァレについて言うと、戻ってきてくれたことを嬉しく思っていますし、彼の経験値、クオリティーをオフェンスの部分でもう一度、勢いを付けることができると思っています。駿は6番なので、6番のようにプレーしてもらわないと困ります(笑)」

──昨季にはなかった逆転勝利が今季はできるようになったチームのメンタルについて。
「個人的には大差をつけて勝ちたいと思っています。3年前に来たときよりも今シーズンの戦いで皺が増えたと思っていますし、次の試合からは早い段階で勝負を決めてしまって、試合を楽しみたいです。そういう試合を期待しています。今は我々の守備が安定しています。DF3人全員を褒めたいと思いますし、前線の選手に関してもそこからパワーを出して前に進むことができる。ディフェンスが安定しているところが重要だと思っています」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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