5.25 15:00

明治安田J1 第18節 vs. FC東京
AWAY国立競技場

試合終了

FC東京 FC東京
0
3
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
3

試合の見どころ

 サンフレッチェが完全に息を吹き返した。4月のリーグ4連敗から一転、5月に入ると勝星を積み重ね、前節・東京V戦では終盤の逆転劇で4連勝を記録。その4試合はすべて1点差の勝利であり、接戦を何とかモノにする拮抗したゲームばかり。今季はなかなか難しい試合が続いており「今シーズンの戦いで皺が増えた」とミヒャエル・スキッベ監督は冗談をまじえて言うが、好調の要因については「ディフェンスが安定しているところ」と明かす。失点数12は鹿島と並んでリーグ最少。反対に得点数16はリーグ14位と今季は相変わらず攻撃力に課題を抱えているが、J1屈指の“堅守”を武器に今後も手堅く勝利を目指すことになる。
 今節の相手も難敵だ。聖地『国立競技場』で戦う相手は、現在16位に位置するFC東京。ポゼッションサッカーを志向する松橋力蔵監督を迎えた今季、スタイル改革の生みの苦しみからか開幕から11試合は2勝4分5敗と難しいスタートとなったが、第12節・G大阪での勝利を境に直近5試合は3勝2敗と持ち直してきた。
 もともと、タレントは揃っているチームである。前線では現在3試合連続ゴール中と調子を上げてきたマルセロ・ヒアンを筆頭に、佐藤恵允や俵積田晃太、遠藤渓太、安斎颯馬、仲川輝人など個で局面を打開できる実力者がズラリ。現在、松橋監督の下で培っている後方からのパスワークに加え、彼らアタッカー陣のスピードある攻撃は迫力満点で、誰が出てきても厄介だ。また、中盤には元日本代表の橋本拳人や高宇洋といった気の利く選手が揃い、最終ラインにも経験豊富な長友佑都、森重真人などプレー面だけでなく精神的にもチームを引っ張れる存在がいる。今の順位が不思議なほど戦力は充実しており、やはり今節も簡単なゲームにはならないだろう。
 ただし、当然ながら隙はある。FC東京の失点数20はリーグで8番目に多い数字。前節は浦和に3点を取られて逆転負けするなど、守備の安定感を欠く時がある。広島としては、いつもの堅い守りで強力・FC東京アタッカー陣を失点ゼロで抑えながら、どうやってFC東京守備陣の隙を突いていくか。システムは広島と同じ[3-4-2-1]。前節同様、ミラーゲームとなれば攻撃でよりアイディアが求められるが、前節に威力を発揮したセットプレーも活用しながらFC東京を攻略したいところ。現在の良好な勢いに乗って、広島は5連勝を目指す。

監督 試合前日コメント

──リーグ4連勝中です。調子を取り戻してきたと思いますが、チームの状態をどう見ていますか?
「良い状況にあると思います。自信も取り戻しています。明日は特にオフェンスの部分で巧くて強いチームが相手ですが、ディフェンスに関してはつけ入る隙はあるのではないかと思っています。国立競技場で戦えることを含めて、すごく面白い試合になるのではないかと思います」

──FC東京は今季から監督が代わりましたが、昨季との違いを感じますか?
「監督が代わる前からオフェンスにはパワーやスピードのある選手がいたのは変わりありません。その選手たちに(松橋力蔵監督が昨季まで指揮を執っていた)新潟のエッセンスと言うか、コンビネーションを使った攻撃が目立つようになりました」

──FC東京のカウンターも警戒するポイントですか?
「そうですね。スピードのある選手がいるので一瞬たりとも気が抜けませんし、カウンターは常に警戒しないといけません。ただ、我々も良い状況にありますし、彼らも良い状況にある。本当に良いゲームになると思っています」

──今季はフジフイルムスーパーカップでも国立競技場で戦いました。国立は良いイメージがありますか?
「素晴らしいスタジアムだと思っています。本当に良い雰囲気になりますし、試合をやればいつも満員に近い形でお客さんが来てくれています。どこが試合をしても、そうなっています。今までも国立では良い経験をしてきましたが、明日も良い試合になると思います」

ゲームレポート

 聖地・国立競技場で広島が強さを示した。
 前半は一進一退の攻防となった。広島は武器であるハイプレスを主体に相手を押し込んでサッカーを展開する中、ジャーメイン良や前田直輝らがゴール前で果敢にシュートを放って相手を脅かす。一方、俵積田晃太、佐藤恵允、遠藤渓太と前線に機動力のあるアタッカーを並べてきたFC東京のカウンターはやはり鋭く、中盤で中途半端にボールを奪われた際には何度かピンチを招いた。だが、前半はどちらのチームも決定力を欠いて0-0で終了。「良い試合ができている。相手のカウンターに注意すること。攻撃はもっと早くボールを動かそう」。ハーフタイムにはミヒャエル・スキッベ監督が選手へそう声をかけて後半を迎えた。
 前田直輝を下げて中村草太を投入して変化を加えた後半、広島が最高の入りを見せた。49分、セットプレーの流れでゴール前に残っていた荒木隼人が新井直人の左サイドからのクロスを頭で合わせて先制。いきなりリードを奪うと、広島がさらに畳みかけた。先制後も相手を押し込んで試合を進めると、59分だった。右サイドで抜け出した中村のクロスは中央で相手DFに阻まれたが、そのボール処理を誤ったGKのキックが目の前のジャーメインの下へ。これを背番号9は冷静に突き刺してわずか10分間で2点差とした。
 こうなると試合はもう広島のモノだった。リードしていても受けに回ることなく敵陣でサッカーを展開するスタイルを貫き、3点目を狙いながらゲームを運ぶ。相手のカウンターにも確実に対処するなど、隙のない守備も際立ち相手を完封。すると、終盤の88分には右サイドを突破した中村のクロスから川辺駿が2試合連続ゴールを奪って勝負あり。内容でもFC東京を上回った広島が3-0で勝利し、リーグ戦の連勝を『5』に伸ばした。

監督 試合後コメント

今日のFC東京戦で見せたチームのパフォーマンスに、非常に満足しています。 前半から ゲームを支配できたと思いますし、後半は特に支配できたと思っています。ここ最近は走ること、それから戦う部分でしか勝てなかったところを、今日は試合内容で圧倒することができたことを嬉しく思っています。今日の勝利は非常に大きな意味があると思っています。良い雰囲気のまま、次節の川崎F戦に臨みたいと思います。

──前半拮抗した展開から、後半大きく試合を支配できた。ハーフタイムの指示は?
前半から試合を支配できているという感覚はありましたが、その中で(中村)草太を入れる ことによって、裏へ抜け出すことを強調することができ、さらに支配を強めることができたと思っています。

──ジャーメイン良選手のゴールはチームとして大きいのではないか?今日のプレーについての評価は。
ジャーメイン(良)に関してはオフェンスの部分で 走って前で起点になるという部分で今までも非常に良かったと思っています。今日の試合に関してはチーム全員が良かったと思います。後ろはすごく安定していましたし、中盤も本当に良い形でゲームを組み立てていました。ワイドの選手もアクティブにプレーしていましたし、前線の選手もしっかり点を取ってくれました。そういったところで全員が素晴らしかったと思います。

──荒木隼人選手の活躍については。
毎回褒めるにはもう少しベテランになってからだと思います(笑)
ただ、あのヘディング シュートは素晴らしかったです。

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は東京でのゲームとなりましたが、約4,500名もの方にお越しいただきました。皆様の力強い応援が勝利に繋がりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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