5.31 17:30

明治安田J1 第19節 vs. 川崎フロンターレ
HOMEエディオンピースウイング広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
川崎フロンターレ 川崎F
0
前半
0
1
後半
2
  • 後半5分
    マルシーニョ
  • 後半45+1分
    佐々木

試合の見どころ

 広島の勢いが止まらない。聖地・国立競技場でのFC東京戦を3-0で制したチームはリーグ5連勝を達成。順位も3位へと浮上し、1試合消化の多い首位・鹿島とは勝点差5と、いよいよ背中が見えてきた。FC東京戦を振り返ったミヒャエル・スキッベ監督は「ここ最近は走ること、それから戦う部分でしか勝てなかったところを、試合内容で圧倒することができた。この勝利は非常に大きな意味がある」と胸を張る。4連勝中でもギリギリの戦いばかりであったが、FC東京戦では今季のリーグ戦で初めて複数得点差での勝利。結果に加えて内容も上向いてきたチームは、昨年に続いての6連勝を狙う。
 今節も上位を狙うために倒さなければならない相手だ。ホームに迎えるのは、リーグ7位に位置する川崎F。近年のJリーグをけん引してきた強豪であり、ACLエリートでは中東の強豪を次々と倒してクラブ初のファイナルまでたどり着いた実力クラブだ。今季からは、川崎Fの黄金期を築いた鬼木達監督に代わり、長谷部茂利監督が就任。昨季までの4年間率いた福岡ではルヴァンカップを制するなど、組織的なチーム作りに定評のある指揮官である。今季はいきなりACLEと並行して戦いながらもリーグ戦はここまで6勝8分3敗と上々の成績。「ボールを繋いでくるし、コンビネーションもある。前線に速い選手もいる。Jリーグのなかでも間違いなく強いチーム」(スキッベ監督)。リーグNo.1の得点数が示すように、元々備えていた川崎Fの武器である攻撃力を生かしながらチーム作りを進めている印象だ。左サイドのスピードスターであるマルシーニョを筆頭に脇坂泰斗や家長昭博、小林悠、伊藤達哉、山田新、瀬川祐輔など、やはり攻撃陣のタレントは揃っている。リーグ随一の攻撃力を誇る川崎F対リーグ最少失点の堅守・広島は大きな見どころとなる。
 その上でサンフレッチェは川崎F守備陣をどう攻略していくか。現在は流れのなかでゴールを奪えなくてもセットプレーを強みに連勝してきた。今節も得意のサイド攻撃やショートカウンターに加え、今の広島の大きな武器であるセットプレーも生かしながら6連勝といきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──得点数リーグトップの川崎Fと最少失点の広島との戦いになります。
「本当に良い試合になると思います。2チームとも良い状態ですし、Jリーグの中でも素晴らしい試合になると思います」

──川崎Fはエリソン選手が離脱中ですが、攻撃陣をどう見ていますか?
「川崎Fにとって彼が不在なのは残念だと思いますが、それ以外でも速い選手や巧い選手が揃っています。優れている部分があるので、我々のディフェンス陣は守るのが難しい状況にされることもあると思います。ただ、我々も最少失点のチームですので、しっかりと守って良いサッカーをやりたいと思っています」

──広島の守備陣は5連勝中にPKでしか失点していません。
「5試合は過去のことなので、それほど重要ではありません。今は明日、どういうプレーをするか。そこが一番重要です」

──今季の川崎Fは監督が代わり、昨季との変化をどう感じていますか?
「川崎Fはこれまでもすごく良いサッカーをしてきたチームです。それを長谷部茂利監督は良い形で引き継いだと思います。巧いサッカーというのをそのまま引き継いでいます。少し残念なのは、ACLエリートの最後で勝ち切れなかったところはありますが、彼自身、日本を代表する良いサッカーをしたのかなと思います。本当に良い仕事をしていますね」

ゲームレポート

終盤の反撃もあと一歩が足りなかった。
 試合は前半から耐える戦いとなった。序盤こそ9分にジャーメイン良が左足で強烈なシュートを見舞った他、12分にも東俊希がミドルレンジからゴールを狙うなど、勢いのある入りを見せたが、時間の経過とともに試合は川崎Fペースに。相手の持ち味である細かなコンビネーションを駆使されて押し込まれる時間が増え、ボールを持っても川崎Fの素早い切り替えからすぐに奪い返されてしまうなど、なかなかリズムを掴めない。すると27分にクロスから家長昭博に決定的なシュートを打たれたが、ここは大迫敬介が右手一本でビッグセーブ。さらに29分のピンチでも大迫が体を張って凌ぐなど、相手のペースで前半を0-0で終えた。
 すると、試合のリズムを変えようとミヒャエル・スキッベ監督は後半開始から動いた。「前からの守備をしっかり整えること。後半は上げていくぞ!」。ハーフタイムに選手へそう声をかけた指揮官は、ヴァレール・ジェルマンと新井直人を下げ、中村草太と菅大輝と投入。攻撃力の高い二人を入れて、状況の打開を目指した。
 もっとも、前半の悪い流れは後半立ち上がりも変わらなかった。試合は開始直後に動いた。50分、川崎Fに押し込まれた状態からクロスを送り込まれるとマルシーニョに頭で合わせられて失点。前半から我慢していた広島だったが、ついに川崎Fに先制を許してしまった。
 そこからようやく広島は攻撃に火がついた。徐々に相手を押し込む時間が増えると、62分に菅大輝の右足シュートを皮切りに、相手ゴール前へ攻め込んでいく。60分から出場した前田直輝がゴール前で2度のチャンスを迎えた他、69分にはCKから荒木隼人がヘディングで決定的なシュートを放つ。さらに76分にケガから復帰したマルコス・ジュニオールも投入して攻撃の圧力を強めると、広島の執念が実ったのは86分だった。左サイドの中村からのクロスをゴール前に残っていた荒木が足で合わせて同点。背番号4の2試合連続ゴールで終盤に試合を振り出しに戻した。
 だが、この日は結果的に川崎Fのゲームだったのかもしれない。最後まで目の離せない打ち合いは、後半アディショナルタイムにCKから川崎Fに決勝点を許し、1-2の敗戦。「結果として前半の出来がこの結果を招いたと思っている」(スキッベ監督)。前後半で安定したゲーム運びを見せられなかった広島の連勝は『5』でストップした。

監督 試合後コメント

「最後のアディショナルタイムで1点目を取られて負けてしまいましたが、結果として前半の出来がこの結果を招いたと思っています。相手にボールを持たせている、コンビネーションを使わせている時間が非常に長かったと思います。後半に関して言えば、交代を含めて自分たちがペースを握り返したと思っています。ただ、川崎Fは前半はもちろん後半もカウンターが鋭いモノがありました。彼らが今日はクオリティーを見せた試合になったと思っています」

──今日はヴァレール・ジェルマン選手を1トップに置いてジャーメイン良選手をシャドーにしました。連勝中に変えなかった布陣にした狙いは?
「まずは相手にとって脅威となるFWを一人入れたかったというのがあります。ただ、今日の前半は(加藤)陸次樹やジャメ、ヴァレを含めて裏に抜けることからは程遠いプレーになってしまったところがあります。ただ、後半は(中村)草太と(前田)直輝が入ってきて、彼らはそこを狙っていたので良くなったと思っています」

──前半から打ち合いの素晴らしい試合だったと思います。こういう試合を勝ち切るには、決め切ることが必要なのか、守備のミスを防ぐことなのか。どちらが良いでしょうか?
「点を取ることが圧倒的に欠けていると思います」

──マルコス・ジュニオール選手がひさしぶりに帰ってきて、第一歩を踏み出しました。
「そのとおり、まず第一歩だと思います。ここまで約5カ月、いろんな問題を抱えて戻ってこれなかった。そういったなかでいきなりトップパフォーマンスを出すのは難しいと思っていました。彼が本調子に戻るにはもう数週間かかると思います。ここからもケガをせずにフィットしていくことが重要だと思っています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo

試合情報をシェア!

x