6.14 18:00

明治安田J1 第20節 vs. 鹿島アントラーズ
AWAY県立カシマサッカースタジアム

試合終了

鹿島アントラーズ 鹿島
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半45+2分
    レオセアラ
0
前半
1
1
後半
0

試合の見どころ

 後半戦初戦の“ビッグマッチ”だ。1試合消化の少ない5位・広島が勝点差8で追う首位・鹿島と激突する一戦。相手を独走させないためにも、そして広島が上位に食らい付くためにも負けられないゲームであり、特に重要度の高い戦いだ。4月のホームでの前回対戦では前田直輝のゴールで広島が1-0で勝ち切ったが、今回は難解な敵地・県立カシマサッカースタジアムでの試合。激しいバトルが繰り広げられる熱戦になることは間違いない。
 王者復権を目指す鹿島が鬼木達監督のもとで復活している。11日(水)の天皇杯2回戦ではエース・鈴木優磨のハットトリックなどで群馬に4-0で大勝。だが、鹿島の神髄は、まさに前節・G大阪戦にある。開始早々の9分にレオ・セアラのゴールで先制した鹿島は、そのまま逃げ切り1-0の勝利。シュート数がG大阪の16本に対し、鹿島は3本と内容で相手に上回れる戦いとなったが、激しく相手とバトルし、最後の最後まで体を張ってゴールを死守し、勝利への強い執念を見せて勝ち切るのは、かつてタイトルを獲得し続けていた“常勝軍団”の姿である。G大阪戦後には鬼木監督もハッキリと言った。「勝つことだけを求めていた。内容も悪いとは思っていないし、これも鹿島の戦いだと思っている。勝つことがすべて。そういうゲームだったと思う」。川崎Fの印象が強い指揮官だが、鹿島OBらしく、勝利を追求するDNAを今の選手たちに確実に浸透させている。
 その鹿島に挑む広島は、相手以上の“勝ちへの執念”を見せられるか。特に今回は1点の重みが大きいだろう。リーグ最少失点の広島に次ぎ、2番目に少ないのが鹿島である。先制点を奪えば、その1点を守り切る強さがあるのがこの2チームだ。1-0でも勝ち切るのが鹿島の伝統でもあるが、現在の広島も守備はリーグ屈指。前線からの鋭いハイプレス、そして佐々木翔を中心とした3バックはどこが相手でもそう簡単に崩れはしない。だからこそ、開始直後から強い気持ちを見せ、走り、闘い、1点をもぎ取れるか。戦術云々もそうだが、まずは“闘い”で負けないことが何よりも重要な一戦だ。

監督 試合前日コメント

──中2日の連戦となりますが、選手のコンディションはいかがでしょうか?
「天皇杯は違うメンバーで戦い、良い戦いを見せてくれました。その間に休めた選手もいます。明日は良い形で臨めると思います」

──首位・鹿島の今季の戦いぶりをどう見ていますか?
「首位にいるだけのチームだと思っています。前回、我々と対戦した後に少し崩れた時期はありましたが、それ以外のところでは安定した戦いを見せています。アスリートのイメージがすごく強いですし、オフェンスも強い。セットプレーも素晴らしいです。首位にいるだけの成果を見せています」

──鹿島は“闘ってくる”チームだと思います。
「闘う部分はもちろん相手に対抗してやっていかないといけません。それと同時に内容で上回ることは選手に伝えたいと思っています。オフェンスの強いチーム同士の戦いで、どちらが自分たちのやり方を貫けるか。そこで良い状況を出せるかに懸かっていると思います」

ゲームレポート

 首位・鹿島の地に乗り込んだ一戦。序盤から互いに球際で激しく戦い、攻撃姿勢を出す互角の展開のなか、試合を動かしたのは広島だった。19分、左サイドで中村草太が抜け出すと、中央へのクロスに頭で合わせたのは東俊希。難解な敵地で先制に成功した。
 その後もサンフレッチェは前線からのハイプレスを武器にショートカウンターから何度かチャンスを作り出したが、30分を過ぎたあたりから鹿島の圧力を受ける展開に。チャヴリッチのスピードやレオ・セアラ&鈴木優磨の2トップに手を焼くなかでも最後の局面では粘り強く守り切り1-0で前半を終えた。
「(前半)最後の15分は正確性に欠けていた。もっと丁寧にボールを動かそう。後半も最初から全力で行くぞ!」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督は選手にそう声をかけて後半のピッチに送り出したが、立ち上がりから鹿島の攻撃を受ける展開となった。広島はボールを奪ってもなかなか効果的な攻撃を繰り出せず、鹿島のポゼッションで押し込まれてしのぐ戦いに。ただし、こういう展開になれば、リーグ最少失点の堅守・広島がより際立つ。佐々木翔、荒木隼人、塩谷司の最終ラインを中心とした堅い守備ブロックは決して隙を作らず、何度CKを与えても跳ね返し続ける。後半はなかなか攻撃に繰り出せないなかでも自陣で体を張って根気強く守り続けたが、最後の最後に鹿島の気迫にやられてしまった。5分のアディショナルタイムが表示された後の90+2分、相手のCKから混戦となり、最後はレオ・セアラに押し込まれて失点。勝利まであと数分に迫りながらも土壇場で追い付かれ、試合は1-1の痛み分けに終わった。

監督 試合後コメント

お互い闘い、情熱的なサッカーを見せました。我々としては勝利まであと少しだったと思っています。
鹿島に大きいチャンスを与えませんでしたが、それでも終盤のセットプレーで同点に追いつかれてしまいました。(失点する)5分前ぐらいに、2-0にするチャンスもありましたので、この試合で1ポイントしか取れなかったことを非常に残念に思っています。

──試合開始時点の木下選手とジャーメイン選手、中村選手の配置の意図は?
足の速い選手、それから身体の強い選手を前に置こうと思いました。(中村)草太はどこのポジションでも機能すると思っていますし、今日の彼のパフォーマンスはアシストをしたオフェンス、そしてディフェンスの面どちらも良かったと思います。彼がいることはサンフレッチェにとって宝だと思っています。

──ゴールを決めた東選手はインサイドハーフで機能している。今日のパフォーマンスをどう評価しているか。
今日の(東)俊希は本当に良いプレーだったと思っています。ただ俊希だけではなくて、全員で良いディフェンスが出来たと思っています。鹿島に決定的なチャンスを与えなかったのは、俊希中心に俊希と(川辺)駿のコンビネーションが良かったことも大きいです。中盤で良いパフォーマンス発揮していたと思います。

──木下選手が広島でリーグ戦初出場。高さを活かしたプレーで見せ場を作った。木下選手の加入で広島の攻撃を今後どのようにしていきたいか?
加入したばかりなので、彼にたくさんのことを望んでプレッシャーは与えたくないと思っています。ゴールにはもちろん期待したいですが、彼をチームが助けるべきだと思ってますし、反対にチームも彼に助けられるべきだと、そのように感じています。

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は雨のなかの鹿島でのゲームとなりましたが、約1,500名もの方にお越しいただきました。ゴール裏を紫で染めてくださった皆様の熱い声援は選手の大きな力になりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました。

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