6.28 19:00

明治安田J1 第22節 vs. 名古屋グランパス
HOMEエディオンピースウイング広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
名古屋グランパス 名古屋
0
前半
2
1
後半
0
  • 前半21分
    マテウスカストロ
  • 前半40分
    マテウスカストロ

試合の見どころ

 いよいよトップの背中が見えてきた。敵地で戦った前節・横浜FC戦は、新戦力・木下康介の移籍後初ゴールを含む2得点の活躍などもあり4-0の大勝。3試合ぶりの勝利で順位を5位から3位へとアップさせただけでなく、首位・鹿島が敗れたことで勝点差も『5』へ縮めた。鹿島よりも1試合消化が少ないことを考えると、トップは射程内。このまま上位争いを繰り広げられるかどうかは、まさに自分たちに懸かっている。
 広島としては横浜FC戦からの勢いに乗って連勝街道を突き進みたいところだが、今節もまた一筋縄ではいかない相手との激突だ。ホームに迎え撃つのは、長谷川健太監督率いる名古屋。4月に敵地で戦った前回対戦では、マテウス・カストロに2発を食らって1-2で敗れた難敵である。
 最近は確実に調子を上げてきている。開幕から4月までは黒星が先行して3勝2分8敗と下位に低迷していた名古屋だが、5月に入ってからようやくエンジンがかかってきた。1-1で引き分けた前節・清水戦までの8試合で3勝4分1敗と着実に勝点を積み上げ、順位も14位へとアップ。開幕直後は複数失点を繰り返して敗れることも多かったが、ここにきてようやく武器である“堅守速攻”が冴えわたってきた印象だ。
 もともと、タレントもJ1で指折りのチームである。攻撃陣では、左足のキャノン砲を持つマテウスはもちろんのこと、スピードスターの永井謙佑やストライカーの山岸祐也、キャスパー・ユンカー、技巧派MFの和泉司、森島司など実力者が充実。稲垣祥もボランチながらチームトップの7得点を挙げるなど絶好調だ。三國ケネディエブス、原輝綺、佐藤瑶大が並ぶ3バックの守備陣も直近の8試合は6失点と安定。経験豊富な指揮官・長谷川監督の下、名古屋の強さが蘇ってきている。
 広島としては、その名古屋の堅守を打ち崩すことがやはり大きなテーマとなる。前節・横浜FC戦も堅守速攻が武器の相手だったが、セットプレーを効果的に生かしながら前半に3得点を奪ったことで試合をスムーズに進めることができた。今節はよりカウンターの威力が増す名古屋に対し、先手を奪ってゲームを運べるか。もちろん、そう簡単に名古屋の守備は攻略できないだろうが、リスク管理を徹底しながら相手を押し込み続ければ必ずチャンスは訪れる。前節同様、さまざまな攻撃の形を見せながら名古屋ゴールを目指したいところだ。

監督 試合前日コメント

──名古屋にはアウェイで1-2で敗れました。今季の印象は?
「スタートは悪かったと思いますが、我々に勝った後ぐらいからは良い戦いぶりをしています。神戸にも浦和にも素晴らしいゲームをしていました。良いレベルに上がってきていると思っています」

──前節・横浜FC戦でもゴールを奪いましたが、セットプレーの手応えは?
「(キックを合わせる選手たちの)サイズが上がったと思いますし、相手にとって脅威になると思います。ただ、重要なのは良いクロスが上がること。そこに懸かってくると思います」

──明日は上位争いをする上で同じ相手に2度も負けられないと思いますが、いかがですか?
「そこが目的と言ったらおかしな話です。ホームなので勝ちたいと思います」

ゲームレポート

 前半の出来が勝敗を分けることになった。
 広島の試合の入りは決して悪くなかった。立ち上がりの東俊希、新井直人のシュートを皮切りに、7分にはCKのこぼれ球を拾った川辺駿がミドルレンジからゴールを狙って相手を脅かす。さらに17分、東俊希のスルーパスに抜け出した加藤陸次樹が決定機を迎えれば、GKに防がれたそのこぼれ球を木下康介がヘディングで再び狙って惜しいシュートを放つなど、試合は完全に広島のペースだった。
 だが、やはり決めるべきところで決めなければ試合は難しくなる。21分、相手GKのロングフィードからマテウス・カストロに抜け出されて先制点を奪われると、40分にはGK大迫敬介のパスミスから再びマテウスに決められて0-2。敵地での前回対戦でも2得点を奪われた名古屋の10番にまたも2発を叩き込まれて2点差で前半を終えた。
「1対1で絶対に負けるな!前から行くぞ!」
 ヒャエル・スキッベ監督の強い活が飛んだハーフタイム、指揮官はさらに試合を動かそうと木下を下げて中島洋太朗を投入。前節にケガから復帰した19歳に攻撃のギアチェンジを託した。
 後半も無得点の時間が続くなか、スキッベ監督はさらに動いてゴールを目指した。58分、加藤陸次樹と東俊希に代え、前田直輝と菅大輝を入れたのに続き、70分にはジャーメイン良を下げてヴァレール・ジェルマンを投入。攻撃的なカードを次々と切っていきながらパワーを強めて行く。相手のカウンターを何とか食い止めながら広島も相手陣地へ攻め込むと、意地を見せたのは90分だった。右サイド・新井直人が中央へ切り込むと、ミドルレンジから豪快な左足シュートを突き刺して1-2。何とか1点差に詰めった広島は、同点を目指してアディショナルタイム4分の最後まで迫力ある攻撃を見せたが、あと一歩が足りず。そのまま1-2で敗れた広島は、今季の名古屋に対して2戦2敗と負け越す結果となった。

監督 試合後コメント

「名古屋グランパスの勝利おめでとうございます。まず前半の出来、我々のパフォーマンスに関しては理解できないところがあります。私がサンフレッチェに来てから、まったく逆のサッカーをやったと思っています。本来だったら高い位置からボールを奪いに行きたかったですが、ボールを奪っても後ろにパスを出す、バックパスが非常に多い試合になってしまいました。ただ、後半に関して言えば、選手交代を含めてアクティブで強くなったと思っています。最後のほうでは、もう少しで同点に追い付けるチャンスはあったと思います。残念ながら、そこを生かすことはできませんでした。今日は最初の10分と後半の最後のほうは良かったと思いますが、その部分だけ良くても、Jリーグの拮抗したサッカーのなかでは勝利を掴むことはできません」

──前半まったく逆のサッカーになったというのは、プレスに行けなかったところなのか。どのあたりでしょうか?
「前半のああいうサッカーがまったく逆だったということです。例えば、(大迫)敬介の(パスミスでの)失点は自分たちがどんどん後ろ向きでプレーするようになったため、彼自身がパスを選択しなければいけないシーンが増えてしまったと思います。本来であればゴールを守り、フィールドの選手がそこを請け負って前に進まなければいけません。多くの責任を彼に背負わせてしまった部分があったと思います。敬介もあれだけバックパスが多ければ、1回や2回はミスをすると思います。塩谷(司)がいないことでビルドアップの質が少し下がってしまったのは残念に思います。ただ、(中島)洋太朗が後半に入ってきて、彼がどれだけ前を向けて、どれだけクリエイティブにチームを導くことができるかを見せてくれたと思います」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo

試合情報をシェア!

x