8.10 18:30

明治安田J1 第25節 vs. 清水エスパルス
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
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清水エスパルス 清水
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前半
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後半
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試合の見どころ

 最高の形でリーグ戦再開を迎える。2週間半の中断期間を終えて迎えた6日(水)の天皇杯ラウンド16・清水戦では、前半戦で課題となっていた得点力不足を解消する3-0の完勝。前半終了間際に前田直輝が先制点を奪えば、後半に中村草太が追加点を重ね、締めのゴールを決めたのは途中出場の木下康介。「どの選手が出ても良いクオリティーがあり、それぞれ違う特徴がありながらも良いコンビネーションが使えるし、良い状態にある」。ミヒャエル・スキッベ監督も前線の選手たちを称える結果となった。次は中3日で再び清水とリーグ戦での戦い。相手にダメージを与えた状態で臨めるのも広島にとってはプラス材料だ。
 もちろん油断は禁物である。前回の敗戦を踏まえて清水が対策を練ってくるのは間違いなく、さらに負けたからこそ今回はより強いメンタリティーで臨んでくるのは必至だ。6日のゲームで開始直後に清水に何度かチャンスがあったように、やはり前線のクオリティーも高い。北川航也や乾貴士、カピシャーバ、中原輝など、個で違いを出せる選手は揃っており、先に清水に得点を許してしまえば試合はどうなるか分からない。前回対戦と同様の展開となるならば、広島が清水を押し込む形になるだろう。そうなった時の清水の鋭いカウンターはやはり一番の警戒ポイント。天皇杯と同様に、広島は中盤での潰しはもちろんのこと、リスクマネジメントは重要となる。
 その上で、好調・攻撃陣がどう点を奪っていくか。現在の前線はケガで離脱中のトルガイ・アルスラン以外の選手たちすべてが揃っており、「良い意味でメンバー選びは難しい」とスキッベ監督も嬉しい悩みを明かすほど充実している。前回の1トップ2シャドーであるジャーメイン良、前田、中村に加え、木下、加藤陸次樹、ヴァレール・ジェルマン、マルコス・ジュニオールと豊富なアタッカー陣の中から今節に向けて指揮官は誰をチョイスするか。「何が大事かと言ったら自分たちがどういうサッカーをやりたいか、やるか。自分たちの良さを出し切って、相手の良さを出させないことが必要。それができた時には勝点3が付いてくると思っている」(スキッベ監督)。誰が出ても高いクオリティーを発揮する攻撃的なサッカーで清水戦2連勝を目指したいところだ。

監督 試合前日コメント

──中3日で同じ相手と同じ場所で戦うのはそうあることではありませんが、やりづらさはありますか?
「まったく違う大会、試合なので、難しさはあまりないと思っています。ただ、清水は強い相手なので、警戒は必要です」

──清水は「絶対にやり返す」と秋葉忠宏監督も話していました。もしかしたら、形ややり方を変えてくるかもしれません。
「何が大事かと言ったら自分たちがどういうサッカーをやりたいか、やるかだと思います。自分たちの良さを出し切って、相手の良さを出させないことが必要です。それができた時には勝点3が付いてくると思っています」

──3日前の天皇杯での戦いの質を見せれば、結果は付いてくるという感じですか?
「そうですね。自分たちの質を出せれば良いと思います。Jリーグは毎試合、毎試合、難しいのは変わりません。天皇杯の前半にあったように相手の(質の高い)攻撃もありますし、彼らなりのクオリティーを持っていることをリスペクトしないといけません。そこを出させないように、そして反対に自分たちが出せるようにしたいと思っています」

ゲームレポート

 前半の広島は苦戦した。4日前にも戦った天皇杯から3人を入れ替えた広島に対し、清水は5人。さらにシステムを4バックから広島と同じ3バックに変更して“ミラーゲーム”を仕掛けてきた清水の策に苦しむと、前半はほとんどの時間帯で相手に押し込まれた。開始8分に左サイド・中村草太のアーリークロスから木下康介が決定的なヘディングシュートを放ったが、それ以降は清水ペースに。広島は自陣でボールを奪っても、清水の出足の良い守備に阻まれて前進できず、さらに相手の巧みなパスワークを受ける展開に終始。44分にはCKから高木践に頭で決定的なシュートを打たれたが、ここはGK大迫敬介がビッグセーブを見せて何とかしのいだ。
 この悪い流れを変えようと、後半開始からミヒャエル・スキッベ監督は動いた。「全体的に良くない。相手にサッカーをやらせてはダメだ。コンパクトにもっと高い位置から行くこと」。そうハーフタイムに指示を送った指揮官は、新井直人と加藤陸次樹を下げて中野就斗と東俊希を投入。2枚替えで変化を加えて後半に臨んだ。
 一進一退の攻防となった後半も0-0で推移。互いに得点を取りに行こうと選手交代も積極的に行い、広島は中島洋太朗、前田直輝と攻撃的なカードを入れていく。62分には、その中島の絶妙なパスから中村が決定機を迎えるも、シュートは枠の外へ。さらに敵陣で何度かFKを獲得しては、東のキックから相手を脅かした他、前田も果敢な仕掛けで清水ゴールへ迫った。後半だけで11本のシュートを放つなど、時間の経過とともに後半は広島が攻め込む回数は増やしていったが、この日は「最後のシュートのクオリティーが足りなかった」(スキッベ監督)。結局、互いにゴールをこじ開けられず、広島にとって特別な“ピースマッチ”は、0-0のスコアレスドローで終わった。

監督 試合後コメント

「今日の前半は強い清水がいました。それによってすごく緊迫した良い試合だったと思います。相手の強いプレスに手を焼き、自分たちがボールを奪ってもまたすぐに奪い返される状況が多くありました。後半になると選手交代を含めて自分たちが主導権を握ったと思います。裏を取る狙いはできていたと思います。(中村)草太が左サイドを抜ければ、(前田)直輝も右サイドで多く抜けるシーンがたくさんありました。ただ、残念ながら最後のシュートがうまくいきませんでした。大きなチャンスはたくさんあったと思います。それを決め切るだけのクオリティーがなかったということだと思います。逆に清水にも大きなチャンスがありました。素晴らしいシュートを打っていましたが、(大迫)敬介がしっかり反応して、良いセーブを見せたと思います。0-0という結果を見れば退屈で面白くない試合に見えるかもしれません。ただ、今日の試合に関して言えば、お互いがたくさんのチャンスを作り出し、お互いが最後の最後まで勝利を目指した良い試合だったと思います」

──前半は清水に主導権を握られた展開だったと思います。後半に向けて、どういう指示を選手に出して修正したのでしょうか?
「まず高い位置からボールを奪いに行こうと。また、裏に抜ける回数をどんどん増やして行こうと。そういった部分をハーフタイムに伝えました。ワイドの選手も含めて、そういった部分は言ったとおりにできたと思います。たくさんチャンスは作れましたが、最後のシュートのクオリティーが足りなかったと思います」

──8月6日から8月10日の今日のピースマッチは広島にとって特別なゲームでした。その意義について。
「まず原爆投下が8月6日ということで、その日のほうが大事だと思います。あの日に実施した試合に勝てたことは記憶に残ると思います。もちろん試合中は戦っていますが、同じ相手で同じ場所で行われたことも含めて、試合後になればまた友達に戻れる。そういったところが強調された良いゲームだったと思います。そこがスポーツの持つ意義に繋がると思います。競技中はもちろん戦う、その競技が終われば友達に戻れる。そこがスポーツの意義だと思います」

──中島洋太朗選手が二つほどすごいスルーパスがありました。状態を上げつつありますか?
「どんどん感覚が戻っているところはあると思います。ゲームに出ながら彼のクオリティーが戻ってくる、もしくは良くなってくると思っています」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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