9.23 19:00

明治安田J1 第31節 vs. 柏レイソル
AWAY三協フロンテア柏スタジアム

試合終了

柏レイソル
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サンフレッチェ広島 広島
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前半
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後半
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試合の見どころ

 上位追撃に向けた一戦だ。リーグ戦も残すところ8試合。6位につける広島と首位・鹿島との勝点差は『7』とやや離れているが、同じ勝点で並んでいる2位・京都、3位・柏との差は『4』とまだまだ射程内だ。1-1の引き分けに終わった前節・京都戦に続き、今節も上位につける柏との直接対決。上を捉えるか、引き離されるか、分岐点の一戦となるのは間違いない。
 今季の柏は、まさに生まれ変わったチームだ。昨季までは、どちらかと言うと組織的な守備からのカウンターを武器とする印象が強かったが、2025年よりスペイン人の知将であるリカルド・ロドリゲス監督が就任してからスタイルが一新。これまで指揮を執っていた徳島や浦和でもそうだったように、ポゼッションスタイルを志向する指揮官の戦術がハマり、組織的かつ流動性のあるコンビネーションサッカーで勝点を積み上げている。GKを使った後方からのビルドアップも特徴的だが、特に今の柏の強さを示しているのが相手ゴール前での連係・連動だ。狭いペナルティーエリア内だろうと、複数人が絡んで細かなパスやドリブルを駆使して相手DFを崩す攻撃はまさに脅威。直近の神戸、C大阪とのリーグ2試合はドローに終わっているが、ゴール前の崩しはできており、勝ち切ってもおかしくないゲームを見せていた。1トップには、垣田裕暉と細谷真大というE-1選手権の日本代表にも選出されたストライカーのどちらかが先発起用されるなど選手層も厚い。今の順位にいるのも納得のチームである。
 では、広島はその柏にどう立ち向かっていくか。ポイントになるのは、やはり柏の良さを出させず、自分たちのサッカーをどう展開するかだ。広島の強みである前線からのプレッシングで柏のポゼッションを封じ、相手を押し込み続けること。自陣ゴール前に進出されればされるだけ、相手にチャンスを作らせることになる。ならば、やはり試合の主導権は柏のポゼッションではなく、広島のプレッシングで掴みたいところ。敵地での難しい戦いが予想されるが、何とか勝点3を奪い、残り7試合のタイトル争い生き残りを目指す。

監督 試合前日コメント

──ACLエリートのメルボルン・シティ戦から中6日ありました。ひさびさに間が空いて調整できたと思います。
「長めに休めたのが良かったです。メルボルンの移動も大変でしたし、連戦でしたから。(間が空いて)リフレッシュできたと思います」

──今週の練習を見ていても選手たちの雰囲気が良さそうでした。まだ3つのタイトルを狙えるのも、その要因かと思います。
「そうですね。それも一つあると思いますし、ケガ人の状況も含めて、すごく良い状態が長く続いているのもあります。それも良い雰囲気に繋がっていると思います。次の柏戦に向けては、相手は一番巧いチームです。監督が掲げるスタイルを忠実にやっている良いサッカーをするチームです。すごく楽しみにしています」

──広島とは違うスタイルで、柏はクリエイティブかつアグレッシブに戦ってきます。
「結果にはこだわりたいと思っています。上位にいるチームがこのタイミングで対戦するのはリーグの中でも面白いことだと思います。そこで良い方が勝つという話です」

──柏戦で気を付けることは?
「全部です。巧いチームですし、相手を崩す形をたくさん持っているチームですので、常に警戒しないといけません」

ゲームレポート

 勝点差4の3位・柏と6位・広島の上位直接対決。タイトルを狙うために負けられない両チームの一戦は、前半から激しい攻防となった。広島は古巣対決となった1トップ・木下康介を起点とした前へのアグレッシブさやセットプレーを中心に相手ゴールへ迫れば、柏も持ち味の鋭いコンビネーションサッカーで得点を奪おうと何度も仕掛けてきた。中盤での攻防も激しく、お互いがハードに戦い合うまさに激闘。相手陣地へ侵入した際には、18分の木下のシュートを皮切りに、32分には前線でのボールカットから田中聡が左足で鋭いシュートを見舞う。反対に柏にも何度か自陣ペナルティーエリア内に進出されて危ないシーンを作られかけたが、広島守備陣も粘り強い守りを見せて最後の局面を割らせない。見どころの多い熱戦は、0-0で前半を終えた。
「すごく良い試合ができている。ボールを奪った時はもっと丁寧にパスを繋ごう。今日は3ポイントを取るぞ!」
 ミヒャエル・スキッベ監督がそう言葉をかけて迎えた後半、広島は序盤から怒涛の攻勢を見せた。アグレッシブな戦いで相手を押し込んでサッカーを展開すると、58分のジャーメイン良の強烈な左足シュートを皮切りにサイド攻撃も生かしながら柏ゴールへ肉薄。右サイドでは中野就斗のロングスローも活用しながら相手に圧力をかけてゴールを目指すが、あと一歩が届かない。時間の経過とともに相手にボールを持たれる時間が増えてきたなか、67分に垣田裕暉に抜け出されたGKとの1対1のピンチは、シュートがポストに当たって助けられた。
 まさにどちらに得点が入ってもおかしくない目の離せない一戦。お互いに次々に選手交代も使いながら1点を目指し白熱のゲームを繰り広げたが、最後までゴールを奪えず。注目の上位対決はスコアレスドローに終わった。

監督 試合後コメント

「今日の試合はJリーグの中でもトップゲームだったと思います。
 残念ながらゴールはできませんでしたが、我々が最初から最後まで勝利を目指していました。
パフォーマンスに満足していますが、もちろん結果には満足していないです」

──塩谷(司)選手をボランチで起用。その意図は。
「塩谷はJリーグで一番のDFで、それと同時に一番のボランチだと思っています。
ただ残念ながら一人しかいないので、どっちかでしか起用することができません。
彼はどこで使っても良いパフォーマンスができる選手です。
まだまだ“31歳”なので、これからもたくさんの試合に出てほしいと思います」
※“31歳”は、若さを表現する意味。

──レイソルの攻撃に対する守備の手ごたえは。
「高い位置からプレスをかけ、柏にチャンスもありましたが、全体を通じて相手のサッカーをやらせなかったことが良かったと思っています。
リカルド(・ロドリゲス)監督が柏に彼らしさを浸透させて、Jリーグ屈指のチームにしています。そんな彼ら相手に見せた我々のパフォーマンスに満足しています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は柏でのゲームとなりましたが、約2,200名もの方にお越しいただきました。ゴール裏を紫で染めてくださった皆様の声援は選手の大きな力になりました。最後まで熱い後押し、ありがとうございました。

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