10.4 16:00

明治安田J1 第33節 vs. FC町田ゼルビア
HOMEエディオンピースウイング広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
FC町田ゼルビア 町田
0
前半
0
2
後半
1
  • 後半5分
    相馬勇紀

試合の見どころ

 上位生き残りを懸けた一戦だ。首位・鹿島を勝点差9で追う6位・広島が今節ホームに迎えるのは、同じ勝点で並ぶ5位・町田。黒田剛監督の下、J1初参戦となった昨季はいきなり3位へと躍進し、今季も高い力を維持している強豪だ。リーグ戦は残すところ、あと6試合。トップを諦めていない両チームにとって、まさに終盤戦に向けた重要な一戦となる。お互いにACLEから中3日の戦いで疲労はあるが、激戦は必至だ。
 今季の町田は怒涛の追い上げを見せている。前半戦のリーグ19試合こそ、7勝4分8敗と黒星が先行していたが、第20節から破竹の8連勝を記録。そこから3分1敗と勝ち切れないゲームが続く中、前節・岡山戦では後半アディショナルタイムに昌子源のゴールで1-0で勝ち切る粘り強い戦いを見せた。組織的な堅い守備を軸に、カウンターやロングスローを含めたセットプレーを有効に使って勝点3を奪うのは、まさに町田の真骨頂。勝負強さを取り戻している今の町田は、やはり厄介な相手だ。
 選手層も相変わらず厚い。最終ラインには日本代表経験のあるディフェンスリーダーの昌子や中山雄太、ドレシェヴィッチらが揃い、中盤にも下田北斗や仙頭啓矢、白崎凌兵など、技術がありながらも献身的に戦える選手が充実。また、今回の日本代表に選出された相馬勇紀や望月ヘンリー海輝の他、攻撃陣では西村拓真、増山朝陽、ナ・サンホ、ミッチェル・デューク、藤尾翔太、オ・セフンなど、それぞれ異なる特長を持った力のあるタレントたちが豊富に集まっている。この豊富な戦力から黒田監督がどの選手をチョイスするかは当日まで不透明だが、誰が出てきても警戒すべき選手は多い。
 広島としては、その町田をどう打ち破っていくか。守備が強い者同士、試合は中盤での激しいバトルが繰り広げられ、1点を争い拮抗した戦いになるだろう。1対1の球際で勝ち、町田の武器であるセットプレーを含めて粘り強く守り、広島が主導権を握ってゲームを進められるかは大きなポイントだ。その上でチャンスをいかに仕留めきるか。1-1の引き分けに終わった9月30日のACLE・上海海港戦でも、何度も訪れた好機を確実にモノにしていれば同点に追い付かれることはなかった。体はホットに、頭は冷静に勝利のゴールをチーム全員の力で奪いたいところだ。

監督 試合前日コメント

──町田との戦いについて
「面白い戦いになるのは間違いないと思います。ヘディングが強い選手がディフェンスにもオフェスにもたくさんいて、スピードのある選手もいるので。ただ、これまでのように炎天下の中でやらなければいけないというわけではないですし、彼らもACLの試合があるという点でも同じ条件なので、そこは言い訳にできません」

──トルガイ・アルスラン選手も復帰されました。
「彼はこれから出場時間が増えてくると思いますし、彼がいることでうちの攻撃陣がより良くなることを望んでいます」

──キム・ジュソン選手の評価は?
「素晴らしいパフォーマンスをしてくれていますし、彼が来てくれたことを本当に嬉しく思っています。彼がいなかったら、同じ3枚でずっとやらなければいけなかったので、そこを4人で回せるようになったのは大きいです」

ゲームレポート

 紫軍団が執念を見せた一戦となった。
 前半から広島の出来は良かった。開始9分にセンターFW木下康介が負傷交代するアクシデントはあったものの、全体的には広島が相手を押し込んでサッカーを展開。14分、中央での崩しから中島洋太朗が左足で惜しいシュートを放てば、左サイド・東俊希のクロスからあわやのチャンスがあった他、川辺駿の強烈なミドルシュートやFKから荒木隼人がヘディングでゴールを狙うなど、積極的に得点を奪いに行った。時に町田の鋭い攻撃を受ける時もあったが、守備陣もゴール前では粘り強く対応。広島ペースで前半を0-0で終えた。
「全体的に良いゲームができている。もっと裏に抜ける回数を増やして行こう」
 ハーフタイムにそうミヒャエル・スキッベ監督の指示があった後半だったが、一瞬の隙を突かれてしまったのは開始早々の50分だった。右サイドに展開された町田の攻撃から日本代表・相馬勇紀に鋭いシュートを決められて失点。広島が追いかける状況となってしまった。
 その後は相手を押し込みながらセットプレーを含めて猛攻を見せたサンフレッチェ。さらに62分には、塩谷司、中野就斗、東俊希を下げて、トルガイ・アルスラン、新井直人、菅大輝の3枚を同時投入。フレッシュな力も活用して同点を目指し、町田ゴールへ迫る。72分の佐々木翔のヘッドなど何とか広島は攻撃を繰り出すと、最後の最後でドラマが待っていた。88分、菅のCKからキム・ジュソンの加入後初ゴールでついに同点。さらに紫軍団は怒涛の攻撃を見せると、後半アディショナルタイムだった。相手のペナルティーエリア内で佐々木翔が倒されてPKを獲得。90+5分、これをトルガイが冷静に決めて、広島がようやく勝ち越しに成功した。試合はそのまま2-1で終了。広島は同じ勝点で並んでいた町田を土壇場でひっくり返す、劇的な勝点3となった。

監督 試合後コメント

「町田のようなフィジカルの強い相手と対戦するときは、たくさんシュートチャンスを作ることは難しいですし、至る局面で戦わないといけない試合だったと思います。
先制されたあと、前から圧力をかけることができました。シュートチャンスとはいきませんでしたが、多くのセットプレーを獲得できましたし、そこを起点に得点できました。終盤で逆転できたことはラッキーだったと思いますが、自分たちが最後の最後まで諦めずに勝利を目指して戦わなければ、こういう勝ち方はできなかったと思います。勝点が同じ相手に勝利し、順位で上回ることができて良かったです。
次はルヴァンカップの横浜FCとの試合へ向けて準備をします。代表活動で不在にする選手もいますが、2試合を通して勝ちきって、決勝に進みたいと思ってます」

──サポーターの力を感じた試合だったのではないか。
「選手と同じように最後まで戦ったが故の勝利だと思います」

──出場機会に恵まれなかった菅が2得点に絡んだ。どう評価しているか。
「セットプレーでのキックだけでなく、流れの中でのキック精度も非常に良いものを持っています。そのクオリティを試合の中で出してほしいと思ってます。
両サイドに多くのクオリティ高い選手がいるので、メンバーを変えながら戦えるのは非常にいいことです」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo

試合情報をシェア!

x