試合の見どころ
絶対的な韓国王者が今季は苦しんでいる。2022~24年シーズンにK1リーグで3連覇を達成した他、2度のACL制覇の過去を持つ韓国サッカー随一の実績を誇る蔚山HDだが、今季のリーグ戦ではまさかの下位に低迷。昨季途中に韓国代表の指揮官に就任したホン・ミョンボ監督の後を引き継いで2024年はリーグ制覇に導いたキム・パンゴン監督の下、15人近い新戦力を迎え入れるなどメンバーを大幅に刷新した今季は6月のクラブワールドカップ以降に成績不振に陥り、8月1日にキム監督との契約の解除を発表。後任として前インドネシア代表監督のシン・テヨン監督が就任したものの、公式戦10試合で2勝4分4敗とチームを立て直すことができず、シン監督も10月9日に契約解除が発表される事態となった。2016年~24年までの9シーズン、12チーム中4位以上の成績を収めてきた蔚山HDは、今季は2015年以来となる6位以下でのフィニッシュ(9位)。上位と下位の6チームずつが2グループに分けて行われる順位決定リーグでは、10年ぶりに下位のグループで戦い、1部残留を目指すことになった。
まさに昨季までとは一転した結果となっている今季だが、もちろん力がないわけではない。リーグとは反対にACLEではここまで1勝1分。初戦の成都蓉城を2-1で倒すと、第2戦は敵地で上海申花相手に1-1のドロー。どちらもシン前監督時代の成績とは言え、それから3週間しか経っていないことを考えれば、スタイルにそれほど変化はないだろう。強いフィジカルを生かしたサッカーが印象的な韓国のクラブだが、蔚山HDはGKを含めた後方からの丁寧なビルドアップでゲームを作るチームである。選手の質も高く、最終ラインにはJリーグでの経験も豊富な元韓国代表のキム・ヨングォンやチョン・スンヒョンが揃っており、前線にも196cmの大型ストライカー・マルコンや今季はリーグ戦でチームトップの得点を挙げているエリックといった力のあるブラジル人がいる。広島との試合から4日後に国内の順位決定リーグが控えているため、今回は主力をどこまで起用してくるか不透明だが、侮れないチームなのは間違いない。
その蔚山HDのホームに乗り込む広島のポイントは、やはり相手のビルドアップをいかに封じるかだ。広島の武器である前線からのアグレッシブなプレスがハマれば、戦いやすいチームでもある。もちろん、そのプレスがいなされれば、蔚山に主導権を明け渡すことになる一戦。どんな場所だろうと、どんな相手だろうと、攻撃的なスタイルを貫くミヒャエル・スキッベ監督の下、韓国の地で広島の強さを示したいところだ。
まさに昨季までとは一転した結果となっている今季だが、もちろん力がないわけではない。リーグとは反対にACLEではここまで1勝1分。初戦の成都蓉城を2-1で倒すと、第2戦は敵地で上海申花相手に1-1のドロー。どちらもシン前監督時代の成績とは言え、それから3週間しか経っていないことを考えれば、スタイルにそれほど変化はないだろう。強いフィジカルを生かしたサッカーが印象的な韓国のクラブだが、蔚山HDはGKを含めた後方からの丁寧なビルドアップでゲームを作るチームである。選手の質も高く、最終ラインにはJリーグでの経験も豊富な元韓国代表のキム・ヨングォンやチョン・スンヒョンが揃っており、前線にも196cmの大型ストライカー・マルコンや今季はリーグ戦でチームトップの得点を挙げているエリックといった力のあるブラジル人がいる。広島との試合から4日後に国内の順位決定リーグが控えているため、今回は主力をどこまで起用してくるか不透明だが、侮れないチームなのは間違いない。
その蔚山HDのホームに乗り込む広島のポイントは、やはり相手のビルドアップをいかに封じるかだ。広島の武器である前線からのアグレッシブなプレスがハマれば、戦いやすいチームでもある。もちろん、そのプレスがいなされれば、蔚山に主導権を明け渡すことになる一戦。どんな場所だろうと、どんな相手だろうと、攻撃的なスタイルを貫くミヒャエル・スキッベ監督の下、韓国の地で広島の強さを示したいところだ。
監督 試合前日コメント
スキッベ監督
◆明日の試合向けて一言
まずはこのACLEに参加できること、この蔚山に来られたことを嬉しく思います。
この大会を通じてアジアのいろんな国々を回れることは非常に良い経験になりますし、日本と韓国はこの東アジアでは一番強い国同士ということで、その国に属する2チームが対戦できること、それは非常に楽しみな試合になると思っています。
◆蔚山の印象
蔚山HDは韓国を代表する、アジアを代表するチームだということは理解していますし、明日の試合に関して言えば昨シーズン、Kリーグにおいて蔚山HDが一番強かったということで非常に面白い試合になると思っています。
キム ジュソン選手
◆まずはこの韓国の地に帰って来られたことをとても嬉しく思っています。今までは、韓国だけでプレーをしていましたが、今回は初めて広島の代表として、韓国での試合となりますのでチームの勝利に貢献できるように頑張ります。
◆蔚山の印象
私がFCソウルに在籍している時から良いチームだと思っていましたし、勝つのが非常に難しいチームだと思っていました。今はリーグ戦では下の方の順位にいますが、個人的なところでは韓国を代表する選手たちが多くいるので、そのあたりを注意しながら戦っていければと思っています。
◆明日の試合の意気込み
これまで、ずっと韓国でプレーしてきたため、広島のサッカーに適応するのに時間がかかりましたが、広島で多くのことを学んでいます。攻撃の選手は速い選手が多いですし、守備はJリーグではここまで最少失点という特徴もあります。自分は守備の選手として、明日はよいプレーも大事ですが、まずは無失点に抑えることが大切だと思っています。
◆明日の試合向けて一言
まずはこのACLEに参加できること、この蔚山に来られたことを嬉しく思います。
この大会を通じてアジアのいろんな国々を回れることは非常に良い経験になりますし、日本と韓国はこの東アジアでは一番強い国同士ということで、その国に属する2チームが対戦できること、それは非常に楽しみな試合になると思っています。
◆蔚山の印象
蔚山HDは韓国を代表する、アジアを代表するチームだということは理解していますし、明日の試合に関して言えば昨シーズン、Kリーグにおいて蔚山HDが一番強かったということで非常に面白い試合になると思っています。
キム ジュソン選手
◆まずはこの韓国の地に帰って来られたことをとても嬉しく思っています。今までは、韓国だけでプレーをしていましたが、今回は初めて広島の代表として、韓国での試合となりますのでチームの勝利に貢献できるように頑張ります。
◆蔚山の印象
私がFCソウルに在籍している時から良いチームだと思っていましたし、勝つのが非常に難しいチームだと思っていました。今はリーグ戦では下の方の順位にいますが、個人的なところでは韓国を代表する選手たちが多くいるので、そのあたりを注意しながら戦っていければと思っています。
◆明日の試合の意気込み
これまで、ずっと韓国でプレーしてきたため、広島のサッカーに適応するのに時間がかかりましたが、広島で多くのことを学んでいます。攻撃の選手は速い選手が多いですし、守備はJリーグではここまで最少失点という特徴もあります。自分は守備の選手として、明日はよいプレーも大事ですが、まずは無失点に抑えることが大切だと思っています。
ゲームレポート
またも課題を露呈する結果となった。
決して悪くない試合の入りを見せていた広島だったが、一瞬の隙を突かれてしまったのは12分だった。左サイドからゴール前にアーリークロスを送り込まれると、これをキム・ミンヒョクに頭で合わせられて失点。早くもリードを奪われてしまった。
その後はなかなか攻撃のリズムが出ない広島だったが、時間の経過とともに相手を押し込んでサッカーを展開。前半の残り20分間はほぼ相手陣地でプレーする時間を増やしチャンスを創出していく。34分、右サイドから前田直輝がクロスを送り込むと、逆サイドの新井直人の折り返しから混戦となったこぼれ球を中村草太が強烈なシュートを放つもクロスバー直撃。さらに左サイド・新井のクロスから何度かあわやのチャンスを迎えるなど、得点の匂いを漂わせて前半を0-1で終えた。
「練習試合じゃないんだぞ! 残り20分は上がってきた。後半もその流れで行くぞ!」
ミヒャエル・スキッベ監督の活が飛んだハーフタイム、指揮官は早くも動いた。前田を下げて、加藤陸次樹を投入。まずは1枚目の交代カードを切って試合を動かしにかかった。
後半も広島の攻めの時間が続いた。開始からCKを連続で獲得して蔚山ゴールに襲い掛かれば、52分には新井が左足で強烈なシュートを見舞う。自陣で組織的な守備ブロックを築く相手を釘付けにして何度もチャンスを作り出し、果敢にゴールを狙い続けた広島は、ヴァレール・ジェルマンや菅大輝、越道草太、小林志紋と次々とフレッシュな選手を入れて得点を奪いに行ったがあと一歩が足りず。直近のリーグ・FC東京戦同様、主導権を握りながらも1点が取れない課題を解決できず、0-1で敗れる結果となった。
決して悪くない試合の入りを見せていた広島だったが、一瞬の隙を突かれてしまったのは12分だった。左サイドからゴール前にアーリークロスを送り込まれると、これをキム・ミンヒョクに頭で合わせられて失点。早くもリードを奪われてしまった。
その後はなかなか攻撃のリズムが出ない広島だったが、時間の経過とともに相手を押し込んでサッカーを展開。前半の残り20分間はほぼ相手陣地でプレーする時間を増やしチャンスを創出していく。34分、右サイドから前田直輝がクロスを送り込むと、逆サイドの新井直人の折り返しから混戦となったこぼれ球を中村草太が強烈なシュートを放つもクロスバー直撃。さらに左サイド・新井のクロスから何度かあわやのチャンスを迎えるなど、得点の匂いを漂わせて前半を0-1で終えた。
「練習試合じゃないんだぞ! 残り20分は上がってきた。後半もその流れで行くぞ!」
ミヒャエル・スキッベ監督の活が飛んだハーフタイム、指揮官は早くも動いた。前田を下げて、加藤陸次樹を投入。まずは1枚目の交代カードを切って試合を動かしにかかった。
後半も広島の攻めの時間が続いた。開始からCKを連続で獲得して蔚山ゴールに襲い掛かれば、52分には新井が左足で強烈なシュートを見舞う。自陣で組織的な守備ブロックを築く相手を釘付けにして何度もチャンスを作り出し、果敢にゴールを狙い続けた広島は、ヴァレール・ジェルマンや菅大輝、越道草太、小林志紋と次々とフレッシュな選手を入れて得点を奪いに行ったがあと一歩が足りず。直近のリーグ・FC東京戦同様、主導権を握りながらも1点が取れない課題を解決できず、0-1で敗れる結果となった。
監督 試合後コメント
「前半は集中しきれていない場面があり、勝利を手にすることができませんでした。ただACLEを3試合やってきたなかでは、すごくいい形ができた。特に今日の後半に関しては相手を上回ることができたと思っています。蔚山HDのように、変化をつけられる強い相手には、点をとらなければならないと思っています。点を取るためには、もっとクリエイティブなプレーが必要だったと思います」
──次節はどのように戦いますか?
「怪我から戻ってくる選手もいると思うので、そこにも期待しています」
──次節はどのように戦いますか?
「怪我から戻ってくる選手もいると思うので、そこにも期待しています」
