11.1 13:05

ルヴァンカップ 決勝 vs. 柏レイソル
OTHER国立競技場

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
1
柏レイソル
3
前半
0
0
後半
1
  • 後半36分
    細谷真大

試合の見どころ

 3年ぶりの頂点を懸けた一戦となる。ルヴァンカップはプレーオフラウンドからの登場となった広島は、福岡、湘南、横浜FCを倒して決勝に勝ち上がってきた。2022年以来2度目の戴冠に向けて、ファイナルで激突するのは2013年以来の優勝を目指す柏。今季リーグ戦では2引き分けだった相手に対し、いよいよ3度目の対戦で決着をつけることになった。
 まさに今季のJ1をけん引している相手との楽しみな決勝となった。リカルド・ロドリゲス監督を迎えた今季の柏は、スタイル変換がハマって序盤からリーグでトップ争いを継続。スペイン人指揮官らしく、GKからパスを繋いで攻撃を組み立てるポゼッションサッカーで主導権を奪い、アタッキングサードに入れば細かなコンビネーションで相手DFを攻略していくスタイルで着実に勝点を稼いでいった。リーグ戦はここまで18勝12分5敗で首位・鹿島と勝点差1の2位。さらに直近の9試合は5勝4分と負け知らずで、今なお勢いもある。前節・横浜FC戦では徹底した守備ブロックを築く相手に対して攻略に手間取ったが、後半に2点を奪ってこじ開けたあたりもさすがである。リーグとルヴァンカップの“二冠”を狙える位置にいる、今のJ1クラブで一番出来上がっているチームと言えるだろう。
 タレントも豊富である。前線にはE-1選手権の日本代表に選出された垣田裕暉と細谷真大のJ1屈指のFWが揃う。広島との前回対戦では二人を併用してきたが、基本的に1トップは前半に垣田裕暉が起用され、後半から細谷真大が出てくる厚みのある選手層だ。さらにリカルド・ロドリゲス監督の申し子とも言えるリンクマンの小泉佳穂や快足アタッカー・小屋松知哉、仲間隼斗、瀬川祐輔など異なる特長を持つタレントたちが充実。さらにCB古賀太陽を軸とした守備も組織的で堅く、失点数はリーグで4番目に少ない数字だ。強烈な個に依存することなくチームとして攻守でまとまりのある柏は、やはり強い。
 対する広島は、最近の停滞した流れをこの決勝戦で晴らしたい。ルヴァンカップ準決勝以降の公式戦3試合は1点も奪えず1分2敗と“得点力不足”が大きな課題となっているが、その3試合とも主導権は広島が奪えていた。前線からのアグレッシブなプレスを武器に相手を押し込み、ゴールを狙い続ける攻撃的なスタイルこそミヒャエル・スキッベ監督の目指すスタイルだ。どこが相手だろうとこの戦いを貫くことが勝利への大きな道だとサンフレッチェ戦士は信じており、リーグ随一のポゼッションサッカーを展開する柏にも、広島のスタイルをぶつけるのみ。「ここでタイトルを獲る、獲らないでは天と地ほどの差がある。未来のためにも、広島のためにも必ずタイトルを獲りたい」(佐々木翔)。サンフレッチェの神髄を国立競技場の舞台で発揮し、ルヴァンカップを取りに行く。

監督 試合前日コメント

■スキッベ監督前日コメント
(ルヴァンカップは)Jリーグ60クラブすべてが参加し、ホーム&アウェイで戦うとても面白い大会です。この大会の中で、両チームともに苦しみながら決勝に進出しました。明日の決勝は強豪と呼ばれる2チームが本当の強さを見せる、素晴らしいサッカーができることを期待しています。
柏はボールを握ることも、早く攻撃することもできるチームです。そういった柏の良さを出させないことが(勝敗の)一番のカギになると思います。

Q:交代選手の重要性については?
交代選手だけでなく、すべての選手が重要だと考えています。途中から入る選手が試合の流れや展開を変えていくこともありますが、まずはスタートで出場する11人の選手が自分たちのチームカラーのように、誇りをもってプレーできるか、そこが重要だと思っています。

■佐々木翔選手前日コメント
リーグ戦では柏と2戦2分。(明日の決勝は)今シーズンの決着をつけるにふさわしい舞台だと思います。タイトルをかけて両チームの素晴らしい試合が見せられると思っています。チームとしては、自分たちのやりたいサッカーを全面に出し、自分たちの良さを出していくことが一番のカギだと思っています。
ここまで全員の力で戦ってきて決勝の舞台に来れたと思っています。非常に誇らしく思うとともに、ここでタイトルを獲れるかどうかで天と地ほどの差があると思います。
今後のチームの未来のために、広島のために必ずタイトルを獲って帰ります。

ゲームレポート

 2度目の戴冠を目指す広島が国立の舞台で圧巻の強さを見せ付けた。
 序盤から決勝戦のハイテンションもあってハードな戦いとなるなか、互いにチャンスを作り出す一進一退の攻防で推移した。広島は持ち味のアグレッシブな守備で相手を押し込んで好機を作れば、鋭いカウンターを繰り出してきた柏にチャンスを作られることもあった。だが、この拮抗した展開を動かしたのは25分だった。右サイドからの中野就斗のロングスローをDF荒木隼人が頭で合わせて先制。広島が貴重なリードを奪うことに成功した。
 すると、ここからサンフレッチェはさらに畳みかけた。38分、直接FKを東俊希が華麗なキックで沈めて追加点を奪うと、45+2分には再び中野のロングスローの流れからジャーメイン良が左足ダイレクトボレーでネットを揺らして3-0。大量リードを奪って前半を終えた。
「抜いたら相手はどんどん来るぞ。前からプレスに行くことは変わらない。後半も100%で戦うぞ!」
 ハーフタイムにミヒャエル・スキッベ監督がそう気を引き締め直して迎えた後半は、広島の粘り強く戦い抜いた。3点を盛り返そうと柏にボールを持たれる時間は長くなったが、サンフレッチェは自陣で粘り強く体を張って堅陣を築く。81分に細谷真大に1点を返されたが、その後の相手の猛攻を全員が集中を切らさず守り切って3-1で勝利。「今日は強い相手に対して相手陣内でサッカーをすることができた」(ミヒャエル・スキッベ監督)。武器であるアグレッシブなスタイルを貫いて攻守で強さを示した広島が2022年以来となるルヴァンカップ制覇を果たした。

監督 試合後コメント

「強い相手に対して、相手陣内でプレーすることができました。(チームの強みである)セットプレーから得点することができて嬉しく思っています。
相手を自分たちのゴールから遠ざける守備ができたと思います。ハーフタイムでもできるだけ相手陣内でプレーしようと選手たちに伝え、後半でもそれができたと思います。全体を通してパフォーマンスに満足しています。
(セットプレーでの得点は)世界のトレンドいなってきています。我々はセットプレーにこだわってきましたし、今日の柏のような身体の大きさなど身体能力の部分で自分たちを上回る相手に対しては、本当に有効になると思っています」

フォト

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