「ズッコケ三人組」の那須さんの遺言

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「ズッコケ三人組」は広島市西区己斐を舞台に全50巻、累計は2500万部に及び、戦後の日本児童文学最大のベストセラーです。作者の那須正幹さんが22日、79歳で逝去されました。那須さんは、ズッコケ三人組にサンフレッチェ・ユニフォームを着せてくださった恩人です。お亡くなりになる一ヵ月前の6月27日、ご自身最後となった講演会でご挨拶することができました。

 講演で那須さんが強調したのは、子供時代にしかできないことをたくさんやらせてやろうでした。

 ファンレターに寄せられる子供たちの悩みは、親子、友達関係が殆どです。人間関係の悩みが多いし、将来に漠然とした不安がある。昔の子供は将来なんて考えもしなかったと。これは親の責任で、子供を自分の所有物ととらえ、果たせなかった夢を託してしまう。親の期待に反すると、子供を虐待し、育児を放棄してしまうと分析します。

 安心安全の言いすぎも、那須さんは反対です。短絡的な安全志向は子供の生活を狭めるし、万が一の危険のために貴重な体験を奪っていると。子供がとっさの場合に逃げられない。集団登校が、自分の身を守る本能的な防衛本能を奪っていると言います。

 今の子供は小さな大人のようだ。子供を焦らせるな、せかすな、もっとボーっとさせなさい。野原で寝転んで雲を見続け、アリの行列をズーっと眺める、そんな体験をさせなさいと。

 講演会を主催したチャイルドラインは、「子供たちの心の声」を電話で聴くボランティア活動で、サンフレッチェも協力しています。那須さんの貴重な遺言となったご講演は、同会の20周年事業で、森﨑浩司も鼎談に参加しました。

 8月14日(土)ヴィッセル神戸戦はピースマッチです。那須さんは三歳で被爆、原爆をテーマにした執筆にも身を削って取り組んできました。那須さんのご冥福をお祈りしつつ、クラブからの感謝を表明する展示もいたします。

 8月21日(土)川崎フロンターレ戦、28日(土)大分トリニータ戦は、那須さんの子供たちへの夢を偲んで、大輪の花火を打ち上げます。スタジアムの感染対策は専門家からもお墨付きをいただきました。この夏、勝利と共に花火の思い出もお作り下さい。

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