7.21 19:00

明治安田J1 第24節 vs. サガン鳥栖
AWAY駅前不動産スタジアム

試合終了

サガン鳥栖 鳥栖
1
4
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半1分
    マルセロヒアン
0
前半
1
1
後半
3

試合の見どころ

 中断前の最後の踏ん張りだ。2月23日のリーグ開幕から約5カ月、リーグ戦は23試合(9勝10分4敗)、カップ戦はルヴァンカップと天皇杯を合わせて6試合(6戦全勝)、合計29試合を戦うハードな日程を過ごしてきたチームは、今節を終えると約2週間半の中断期間へと入る。リーグ戦では首位・町田と勝点差12の5位につけ、カップ戦はどちらも勝ち残り、9月からはACLも入ってくる。より過密日程となる8月以降の戦いに向けて、まずは7月ラストの今節を勝利で飾り、しばしの休息へと入りたいところだ。
 ただし、今節も厄介な相手とのゲームとなる。敵地で戦うのは、リーグ屈指の組織力を備える鳥栖。今季は序盤戦から苦しみ、今季ここまで7勝2分14敗の17位と残留圏ギリギリの位置にいるが、7月に入って2連勝を飾るなど、徐々にチームは持ち直しつつある。前節・G大阪戦では0-2で敗れているが、内容は決して悪くなく、2位につける好調なチームに対して勝っていてもおかしくないゲームを披露。最後尾から前線にかけて、細かなパスワークを駆使して相手DFを攻略しにかかる“鳥栖らしさ”は存分に発揮しており、横山歩夢といったスピードのある個性的な選手もいる。さらに6月にリトアニア出身のヴィキンタス・スリヴカを獲得したのに続き、7月にはC大阪から元日本代表の清武弘嗣まで補強。G大阪戦では早くも途中出場するなど、確かな実力と豊富な経験値を備えた選手を加えて、さらなるレベルアップを図っている。前回対戦ではホームで4-0で勝利した広島だが、「参考にならないと思っている」(ミヒャエル・スキッベ監督)と言うのは間違いない。
 広島のポイントとしては、やはり鳥栖の流動的なパスワークをいかに封じるかになる。前回対戦では前線のハイプレスがうまく機能したからこその4得点であり、ハマれば広島ペースになるのは間違いない。ただし、そのプレッシングの網を流動的かつテンポの良いパスワークで剥がしてこようとするのが鳥栖である。前節は、その攻撃精度は確実に上がっており、堅守のG大阪相手に何度も攻略できていた。今節も広島がハメるか、鳥栖がかいくぐるかのせめぎ合い。夏本番を迎えて気候条件は厳しいが、紫軍団は暑さに負けず、アグレッシブに勝利を目指すのみだ。

監督 試合前日コメント

──中断前ラストの試合となります。
「もちろん、良いサッカーをしてポイントを狙いに行きたいと思います。前節・福岡戦はエンジンがかかるまでに時間がかかりました。そうではなく、最初からベストのパフォーマンス、レベルでできるようにしたいと思います」

──鳥栖にはホームでの前回対戦で4-0の勝利となりました。今は清武弘嗣選手などを加えていますが、どのような印象ですか?
「前回対戦したのはシーズン序盤でしたので、そこは参考にならないと思っています。選手もだいぶ変わっていますから、前回対戦は参考にせず、今ある状況のなかでどれだけ良いサッカーをするかが大事だと思います」

──ケガ人も出ているなかで期待している選手はいますか?
「誰ということではなく、チーム全体が高いパフォーマンス、集中して良いパフォーマンスを出すことが大事です。相手も選手がケガをしていなかったり、どういうチームで来るかも分かりません。(期待する選手が)誰というよりも、全員が与えられた役割をまっとうすることが大事だと思っています」

──先ほど話があったように、鳥栖戦は最初からアグレッシブに行くことが大事になりそうです。
「そうですね。福岡戦は今季のなかでも一番良くない前半でした。ただ、どのチームにもそういう時はあります。鳥栖戦で勝点を取るには最初から良いプレーをしないといけません」

──勝利で1週間のオフを迎えたいですね。
「それはそうですね(笑)。ただ、相手もそうしたいと思っているはずです(笑)」

ゲームレポート

 紫軍団がタフな戦いを粘り強く制した。
 気温30℃、湿度89%。試合前からピッチが熱気に包まれる難しいコンディションとなったなか、前半はどちらかと言えば広島の出来は良くなかった。序盤は互いに相手ゴールへ肉薄する攻守の入れ替わりが激しい戦いでスタートするなか、次第に試合は鳥栖ペースへ。20分ぐらいまでは鳥栖の持ち味であるコンビネーションプレーや鋭い突破を見せる左サイド・横山歩夢の攻撃に手を焼くと、CKを立て続けに3本も与えるなど、我慢の時間が続いた。
 だが、広島には“一発”があった。鳥栖に押し込まれた後の21分のゴールキック、GK大迫敬介のフィードを前線のドウグラス・ヴィエイラが頭で競り勝つと、ボールはゴール前でフリーとなっていたマルコス・ジュニオールへ。これを背番号10が冷静に左足で決めて広島がリードを奪った。
 その後も前半は鳥栖がボールを保持して主導権を握り、広島がカウンターを狙う展開に。ただ、どちらもゴール前では精度を欠いて1-0で前半を折り返した。
「良い戦いはできているけど、もっとよくなれる。もう少しパスを正確に、早く動かそう」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督からそう指示を受けて後半に臨んだ広島だったが、開始早々に一瞬の隙を突かれてしまった。46分、鳥栖のロングフィードからマルセロ・ヒアンに抜け出されると、右足で豪快にネットを揺らされて1-1。早い時間帯で試合は振り出しに戻ることになった。
 そこからゲームはオープンな展開へ。53分、広島は右サイドをヒアンにドリブルで崩されて決定機を作られるも、GK大迫がビッグセーブ。すると、今度は攻撃に移った56分、左からの東俊希のCKをドウグラス・ヴィエイラが頭で狙うも、これは相手GKの好守に阻まれてしまった。互いにチャンスを作り出すスリリングな攻防が続くなか、スキッベ監督は勝ち越しを狙うべく61分に動く。ドウグラスとマルコスを下げて、加藤陸次樹と満田誠を投入。フレッシュな二人を入れて、より攻撃の活性化を図った。
 この采配は見事にハマった。加藤と満田がチームに勢いを与えて鳥栖を押し込み、何度もチャンスを作り出すと、迎えた71分だった。左サイドからのクロスは右へ流れたが、新井直人のパスをペナルティーエリア内で受けた松本泰志が冷静にDFを一人かわして左足を一閃。相手DFに当たったシュートがネットに吸い込まれ、再び広島が勝ち越しに成功した。
 それからも守り一辺倒になることなく、攻撃にも積極的に出ながら試合を進めた広島。87分には右サイドを抜け出した加藤の中央へのグラウンダーのクロスを大橋祐紀が決めてリードを広げると、後半アディショナルタイムにも満田誠が4点目を決めて勝負あり。4-1で勝ち切った紫軍団がリーグ2連勝を飾った。

監督 試合後コメント

「今日はアウェイゲームで鳥栖に勝てたことを嬉しく思います。結果よりも内容は拮抗していました。後半途中まで鳥栖にも十分チャンスがあったと思いますし、逆転するチャンスはあったと思います。ただ、最後の20~25分ぐらいまでに関して言えば、自分たちが完全にゲームを支配したと思っています。その時間帯で点を取れたことが勝利に繋がったポイントだと思います。今日の勝利をすごく嬉しく思っています。ただ、鳥栖も川井監督を中心に素晴らしいサッカーをしていますし、来年もJ1で戦えると思っています」

──今日は佐々木翔選手が体調不良で不在のなか、イヨハ理ヘンリー選手が先発しました。今日のイヨハ選手の出来と守備陣の出来について。
「ヘンリーのパフォーマンスに関しては非常に満足しています。たくさんボール奪取もありましたし、1対1に勝ったシーンもたくさんありました。基本的には彼のサイドは自分の役割を果たしたと思います。ただ、全体的な守備の部分、DFラインだけでなく、MFや前の選手にも当てはまりますが、全体的なディフェンスのパフォーマンスにはあまり満足していません。カウンターを多く受けましたし、シュートを打たれるシーンもたくさんありました。現状、(川村)拓夢が(移籍で)いなくなり、今日は(佐々木)翔がいませんでした。二人いない状況なので、安定させるのは非常に難しいと思っています。ただ、今後の移籍ウインドーで中盤の真ん中をしっかり補強し、中盤が安定するところを期待しています」

──鳥栖の素晴らしいサッカーでピンチも迎えていたなか、途中出場した満田誠選手と加藤陸次樹選手が流れを大きく変えたと思います。彼ら二人を投入した意図は?
「マコとムツキに関して言えば、見てもらったとおりのプレーをやってくれれば良かったと思っていますし、ダイナミックスさやフレッシュさをゲームに吹き込んでくれました。前の試合でケガをしたこともあったのでスタートからではなく、ベンチからになりました」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は鳥栖でのナイトゲームとなりましたが、約1,500名もの方にお越しいただきました。相手に負けない皆様の熱い声援が勝利に繋がりました。最後まで選手への力強い後押し、ありがとうございました!

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