9.7 18:30

ルヴァンカップ プライムラウンド 準々決勝 第2戦 vs. 湘南ベルマーレ
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
4
1
湘南ベルマーレ 湘南
1
前半
1
3
後半
0
  • 前半37分
    鈴木章斗

試合の見どころ

 勝利必須の一戦だ。敵地での準々決勝第1戦を2-3で落とした広島は、この第2戦で90分以内に1点差の勝利なら延長戦へ、2点差以上だと4強進出が決まる。このシチュエーションは、第1戦を落としながらも第2戦を制して準々決勝進出を決めたプレーオフラウンド・福岡戦と同じだ。今回も広島のリバウンドメンタリティーが問われている。
 ポイントはいかに失点をなくしてゲームを進め勝ち切るかだ。確かに第1戦での敗戦は「アンラッキーだった」(ミヒャエル・スキッベ監督)部分もあったが、やはり3失点もすればゲームは難しくなる。1失点目も元をたどれば自分たちのパスミスからゴール前でFKを取られ、ゴールを決められた。湘南のスタイルとしても、相手のミスを虎視眈々と狙い、そこから鋭いカウンターを仕掛けてくるチームである。特に第1戦を制したことで、よりカウンター狙いに徹してくるだろう。広島としては、安易なミスをなくし、隙を作らず、ゴールを奪いに行く戦いが求められる。
 もちろん、中3日や中2日の7連戦の7戦目とあって、選手たちの疲労はピークだろう。ただし、幸いなのは攻撃陣の駒が豊富に揃っていることだ。第1戦の1トップ2シャドーは、ヴァレール・ジェルマン、加藤陸次樹、中島洋太朗。そこに途中からジャーメイン良、木下康介、マルコス・ジュニオールと異なる特長を持つ選手たちを投入する戦力の厚みを見せた。さらに出場機会のなかった前田直樹も健在だ。今回の第2戦では、この豊富な前線の顔ぶれから指揮官は誰を先発にチョイスし、そして誰を途中から攻撃の切り札として送り出すか。「今のところケガ人はいないので、そのなかから決めることは間違いありません」(スキッベ監督)。試合の状況にもよるが、点を取るための駒は揃っている。3年ぶりの4強進出へ、広島は全員の力を結集して湘南を倒しに行く。

監督 試合前日コメント

──中3日での戦いとなりますが、選手の状態はいかがでしょうか?
「良い状態だと思います。この後も来週金曜日のゲーム(京都戦)が終わればすぐにメルボルンに行かないといけないため、連戦はまだまだ続きますが、そのなかでも今はケガ人がいない状態に近いです。今日も良い準備ができました。良い形で湘南を倒して次のラウンドに行きたいです。(プレーオフラウンドで)福岡と対戦した時も(第1戦で敗れて)似たような状況だったと思います。最後はPK戦で勝つことができましたので、今回もそうできるようにしたいです」

──湘南は1点リードしていますし、第1戦と同じようにカウンターを狙ってくることが想定されます。
「後ろに引いてコンパクトに戦ってくると思います。そこからアグレッシブに来ると思いますが、基本的には守ってくるのではないかと思っています」

──疲労を考慮して、メンバーをリフレッシュさせる可能性はありますか?
「何もしません。今のところケガ人はいないので、そのなかから決めることは間違いありません」

ゲームレポート

第1戦を2-3で落とした広島は、前半から攻めに攻めた。自陣に引いて守備を徹底的に固めてきた湘南に対し、広島は左右のサイドを使いながら相手を押し込んでゴールを狙い続ける。敵陣でCKやFKを獲得して攻め立てた他、12分にはジャーメイン良がペナルティーエリア内で左足でのコントロールショットを放つもゴールポストに弾かれた。それでも、紫軍団の根気強い攻めは23分に実を結ぶ。前田直輝が右サイドを攻略して中央へラストパスを送り込むと、加藤陸次樹がダイレクトで合わせて先制。2戦合計3-3とする貴重な先制点を奪った。
 その後も守りに徹する湘南に対して広島が攻め込む形が続いたが、前半のワンチャンスをモノにされてしまった。37分、相手GKのフィードから左サイドを攻略されると、最後は鈴木章斗に決められて失点。2戦合計で再びリードを許してしまった。前半はそのまま1-1で終了。「すごく良いサッカーができている。このサッカーをやり続けよう!」とミヒャエル・スキッベ監督はハーフタイムに指示を出し、後半の戦いに挑んだ。
 後半も広島の猛攻は続いた。開始から湘南ゴールに襲い掛かると、55分には中島洋太朗がジャーメイン良とのワンツーから決定機を迎えるなど、広島に得点の匂いが漂い出す。すると、やはりこの男が決定的な仕事をやって見せた。61分、後半開始から投入されたスーパールーキー・中村草太が左サイド深い位置からペナルティーエリアへ侵入すると、相手DFに倒されてPKを獲得。これをジャーメインが落ち着いて決めて、再び広島が2戦合計4-4に追い付いた。
 さらに攻撃の勢いを強めたい広島は、ここから木下康介、ヴァレール・ジェルマンと切り札を次々と投入。すると、この期待に応えたのはジェルマンだった。アディショナルタイムに突入した90+4分、左サイド・中村のクロスを背番号98が頭で合わせて、ついに勝ち越し。さらにその4分後には、中野がミドルシュートを決めて勝負あり。第2戦を4-1、2試合合計6-4で制した広島が、3年ぶりとなるルヴァンカップ4強進出を決めた。

監督 試合後コメント

「前回対戦でもそうでしたが、片方のチームが攻め続けて、片方のチームが粘り強く守っていた試合だったと思います。相手は点を取った場面も含めて鋭いカウンターから3つ4つ良い攻撃がありましたが、それ以外は自分たちが完全にゲームを握っていた試合だったと思います。たくさんのゴールチャンスを作り、攻め続けることができました。終盤になってから勝負が決まったゲームでしたが、勝利に値する内容だったと思います。今晩は勝利の余韻に浸りたいと思いますが、明日からしっかり回復して、次の京都相手に準備したいと思います」

──交代で入った中村草太選手とヴァレール・ジェルマン選手が良い仕事をしたと思います。特に中村選手は足の不安がありましたが、後半開始から左サイドで起用しました。その意図は?
「ケガに関しては、それほどひどいものではなく、今日は試合に出られる状態でした。彼に期待したのは、持ち味である左サイドからボックス内に入ってほしいと。(東)俊希が悪かったわけではないですが、さらに奥深くまで自分で持っていけるところを期待しました。しっかり期待に応えてくれたと思います」

──ヴァレール・ジェルマン選手も技術の高さとヘディングの巧さも出たと思います。今季の彼は苦しんでいたと思いますが、今日のプレーについて。
「まず日本のサッカーに慣れることに苦労している部分があると思います。それは他の外国籍選手も同じようなことです。トルガイ(・アルスラン)に関しては、ボールを受けた時に自分でゲームを作るタイプなので、また違ったところだと思います。今日の得点場面を見たらわかるとおり、彼のヘディング技術は非常に高いモノがあります。最高点でしっかり叩きつけることができる素晴らしい選手です」

──山﨑大地選手は失点場面に絡んでしまいましたが、後半は特に素晴らしかったと思います。
「まず失点シーンもそんなにまずかったと思いません。相手の攻撃が素晴らしかったと思います。ヘディングで競った後に藤井(智也)のところにボールがこぼれて、彼の特長であるスピードを生かした突破を止めるのが難しい状況でした。そこからのパスの質、場所やコンビネーションも素晴らしかったです。失点シーンは誰も悪くなく、崩されてしまった、相手が良かったことだと思います。大地は昨年ケガをして苦しい1年を過ごした後、彼の才能を示すには時間がかかると思っています。そのなかで今回90分2本をやり通せたことは彼にとって良い経験になったと思いますし、彼自身、資質などを示す良い機会だったと思います」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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