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城福浩監督のシーズン総括会見を行いました!

本日、広島市内で、城福浩監督のシーズン総括会見を行いました!

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Q) 2月のACLプレーオフの戦いから始まった長いシーズン。どのような1年でしたか?
「2018シーズンの終盤、あのストーリーがあってこその今年のスタートだったと思います。チームのレジェンドであった森﨑和幸が引退し、千葉が移籍して、青山が代表でケガをした。昨年のオンザピッチ、オフザピッチの柱が不在の状態でのスタートでした。さらに国内キャンプでは稲垣もケガをしたこともあり、新しいメンバーでスタートせざるを得なかった、という言い方の方が正しいかもしれません。ご承知の通り、ACLのプレーオフも、PK戦になりギリギリのところで勝ち上がりました。リーグ戦も含めて、決して、順風満帆ではなかったと思います。ただ、苦しいときに選手が常に一丸となってくれました。新しいチャレンジをした年で、苦しい時期がありながらも、よく盛り返してくれた場面もありました。結果はもっと欲しかったですが、ある程度、内容としての達成感はあります」

Q) 開幕から7試合負けなしでスタートしましたが、その後、5連敗。前半戦の戦いを振りかえっていかがでしょうか。
「昨シーズンの最終節から3バックにしました。今のメンバーでボールをつないでいくためには、3-4-3の方がより個人の特徴を出しやすいのでは、ということは、昨シーズンの終盤から思っていたんです。今年は始めから3バックでいかにボールをつないでいくかというトレーニングをしました。ただ、そうはいっても実際に開幕すると、負けるわけにはいかなくなる。負けからスタートすると、チーム作りではないストレスや、いろんなものがかかってきます。そういった意味では、3バックの中で、いかに去年から積み上げた守備をしっかりと継続していくかに多少、重きを置いた自分がいます。先ほど、開幕から負けなしと言われましたが、かなりギリギリの戦いだったと思います。それはシステムが変わっても、昨年のような堅い守備ができていたからこそ。ただ、そこに軸を置いたために、攻撃の面で3-4-3の最大値を出せたかというと、まだそこまではいたりませんでした。もちろん、若いメンバーでメンタル的な波もあったと思います。ただ、序盤は攻撃のところで確たる自信がありながら戦ったわけではありません。負けた試合も決して内容は悪くないけれど、逆にいえば、勝っていても我々が圧倒した試合もありませんでした。結果として連勝連敗になりましたが、受け入れなければいけない勝点だったと思います。

Q)6月半ばから8月末まで、リーグ戦はクラブタイ記録の11戦無敗(6勝5分)。そのころのチーム状況はいかがですか。
「いい試合をした次の試合で、必ずそれが継続できていたかというと、まだ試合実績が少ないこともあり、高いアベレージで我々のパフォーマンスを示すことができていませんでした。そのなかで迎えたアウェイの札幌戦は、自分のターニングポイントになった試合だと思っています。相手のよさを出させないことに、エネルギーを使わせてしまった。そこにエネルギーを使うのは当たり前ですが、トゥーマッチになってしまい、自分たちがそもそも今年、何を目指そうとしていたのか、というところを、まったく見ている人に感じさせられない試合になってしまいました。そして、プレーしている選手たちも、それを感じられないゲームにさせてしまった。そのような状態に自分がしてしまっていたという思いがあったんです。そこで、その試合を境に、やっていることも練習も、昨年から変わらないけど、少しゲームに臨むスタンスを変えたんです。選手には少しのびのびとプレーしてもらい、リスクは自分がとればいい。相手対策の情報を、自分が安心する水域まで与えるよりも、むしろもう少し与えた方がよかったかな、と思うくらいで試合に送り出すことで、選手のよさを引き出すことに、重きをおきました。それを選手が感じてくれ、自分たちの目指すものをのびのびと表現してくれたことが、夏に勝点を重ねられた1つの要因だと思います」

Q)2年続けて、優勝の可能性も残る中で迎えた、9月以降の戦いはいかがでしたか。
「もちろん、我々は何もあきらめていませんでした。少なくとも最終節の5試合前くらいまではいろんな可能性がありました。終盤で連勝できるチームに、という目標もあり、自分たちの戦っている内容の手応えからすると、十分に可能性はあったと思っています。ただ、少し戦い方が攻撃的になってきたとき、最初の攻撃で先制点を取られるような試合が続いてしまったんです。攻めている回数は多いけれど、シュートの本数だったり、決定力だったりという部分で、なかなか思うように得点が取れず、チームが苦しんだ中でこらえきれずに失点してしまうような試合が秋に続きました。そこは自分が、点を取るというところに関してのアプローチが足りないのだと改めて思いました。もちろん前線の選手にケガ人が出たことは大きな痛手でしたが、我々はチーム一丸となってやっていくチームだということを考えれば、それをものともしない力を出させてあげることができなかった。それは自分の問題だと思っています」

Q)リーグ戦では今年は6位で、昨年は2位。「勝点」はほぼ同じですが、今年の勝点については?
「チームの中で『我々のライバルは、去年の我々だ』ということは、最初から話していました。昨年の勝点を上回ろうという話はしていたんです。サッカーのスタイルを変えてうまくいっていることを証明するためには、去年の勝点を上回ることだと思っていただけに、そこに到達できなかったのは、本当に残念です。ただ、例えば最後のプレーで同点にされた松本山雅戦や、リーグの大分戦、浦和戦など、勝点1で終わることが受け入れられないような試合が増えたことは確かです。もう1度戦えばもっと上の勝点が取れると思える試合が増えたのは、自分たちの進歩だと思います」

Q)ACLではプレーオフのPK勝利から始まり、ベスト16に入りました。
「第1戦目のアウェイの広州恒大は、2分けしたリーグ戦とは違うメンバーで臨みました。そのことに対し、多少は覚悟していましたが、国内外からそれをはるかに上回るような相当なバッシングを受けました。見る記事、どれもすごいなと…。ただ、我々は広州恒大戦に手応えを感じていました。あのグループでも十分に戦えると。周りの声に左右されるのではなく、グループリーグを突破し、若手が台頭してきたのは、あの戦いがあったからこそです。ラウンド16は絶対に勝ち抜けたかったし、選手たちは魂のある試合を見せてくれました。ここにいる方はご覧になったと思いますが、ACL、札幌と対戦したルヴァンカップの2ndレグ、天皇杯、どれも勝ち抜いてもおかしくない試合を落としたことは悔しいです」

Q)今年、監督が追い求めた「やりたいサッカー」はどのようなもので、「ピッチで表現できたサッカー」とどれほど一致しましたか?
「もちろん、ひとことでは表現できませんが、確実に手応えはありました。明確な課題もあり、それをどう伝えて、プレシーズンをどう過ごして来年の開幕を迎えるかというのは、自分の勝負でもあり、楽しみでもあります。手応えをつかんだからこそ、より得点を取れるチームへと、自分に与えられた時間の中で活動していく。それは今からとても楽しみです。まずは選手にゆっくり休んでもらわないといけませんが、今年の反省を踏まえて来年に生かしたいと思っています」

Q)この1年間で、若手選手たちの台頭もありました。
「昨年は、世の中から見れば堅守速攻だったかもしれませんが、我々の練習は攻撃が軸。ただ、守備のところもかなり厳しくするなか、若手選手はやり続けてくれました。昨年はなかなかチャンスを与えるシチュエーションがありませんでしたが、今年はACLがあり、覚悟を決めて戦わななければならず、それが彼らの力を伸ばした。もちろん、簡単にポジションを渡さないというベテランも中堅もいます。特に青山の復帰までの道のりは、若手にとっても刺激になったはずです。誰も指定席はなく、来年もそこからスタートできる。そこまできたことは、今年の1つの成果だと思っています。
 メンバーを決めるのは僕の仕事。それはイコール、リスクを負うことでもあります。300試合出た選手よりもリーグ戦で1試合も出ていない選手を出した方が、負けた方がバッシングが大きいのは明らかです。ただそれを考えるのであれば、この仕事はやらない方がいいんです」

Q) 来季、目指すサッカーをひとことで表すと?
「終盤戦で内容の手応えを感じています。アタッキングサードのところ、そこをチームとして共有していると、個々のプレーでアドリブが出せる。それがチームの特徴であり、選択肢として入れながらプレーするチームになりたいと思いますし、ショートカウンターを含めて、よりアグレッシブに攻撃に迫力があるチームになればと思っています。
 昨年の戦いがあり、今年のACLを通じて若手が成長しました。去年がなければ今年のACLもありませんでした。必ずつながっているんです。自分が思い描いた勝点ではありませんでしたし、相手の3倍シュートを打っても、勝点をとれなかった経験は、必ず来年生きると思っています。それがつながっていくことで、チームが成長する。どこかからきた誰かに頼って成長するチームではありません。自分たちがアグレッシブで戦うこと。それに尽きます」

Q) 「紫の一員」として、1年間応援してくれたサポーターへ、メッセージをお願いします。
「選手は、去年の精神的な主柱が抜けたなかで、よくやってくれたと思います。もちろんやらなければいけない状況なったということもありますが、苦しいスタートから、輪を1つも乱すことなく、やってこれました。ベテランと中堅、若手の台頭と、チームが一つになることを改めて感じました。サポーターは相当悔しい思いをしたと思います。これだけ攻めているのに、なぜ勝点1で終わるんだという試合がいくつもありました。それにも関わらず、ずっと背中を押し続けて鼓舞してくれた。それはとてもありがたかったです。来シーズンは、カップ戦も含めて、より高みを目指し、最後の最後、リーグ戦とカップ戦、どれかはサポーターと喜び合える瞬間をサポーターと作りたいと思っています」